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新たな魔法

1ヶ月後


俺は今日も朝から訓練をして、学院に行く。今日は特に授業はない。シグルソン教官の授業は去年受けたので、今年は受けれない。今日はシグルソン教官の授業が午前中にあるので、訓練場は入れない。だから午前中は暇だ。まあ学院についたら考えよう。


そんなことを考えてたら、門についた。少し落ち着いたが、それでも、まだ門には人がいる。俺はその人だかりを抜け、校舎に入った。


「おはようございます。マルク先輩」

「おはよう、ケビン。今日はシグルソン教官の元に朝から訓練してたのかな?」

「はい」


「うん、いいね。積み重ねることしか、武術は強くならない。近道はないからね」

「はい。毎日感じております。シグルソン教官やゼルさん、マルク先輩に教えをいただけ、私は幸せです。ですからこそ頑張ります。自分の夢を叶えるために、多くの方々に協力頂いているのですから、夢を必ず掴み取ります」


「ああ、その意気込みだよ。俺も同じだ。ここに来るまでに多くの人に支えられて来れた」

「そうなんですね。英雄も変わらない。俺はもっと頑張ります」

「英雄じゃないよ。まあ、体調には気をつけてね」


と、ケビンと話して、教室に向かう。

「おはよう、マルク」

「おはよう、レオナ」


「やっと部活も落ち着いてきたわね。合宿の用意もできたしね」

「ああ、落ち着いたよ。スケジュールやカリキュラムも良くなったしね」

「ええ、これからね」

「ああ、頑張らなくちゃ」


「「「「おはよう、マルク、レオナ」」」」

「おはよう」


みんなと挨拶を終えたところで先生が入って来る。

「はい、席についてください。出席を取ります・・・・・」

みんな出席している。


「はい、全員いますね。そろそろ、前期の試験が近づいています。授業をちゃんと頑張ってください」

そして教室を出て、魔術詠唱研究会の部室に行く。今日はルーナも授業がないので一緒に行く。


「ルーナ、トルネードが完成したよ。これが資料だよ」

「はい。ああ、こういう呪文になるんですね」

資料を手渡す。


「ああ、ここが難しかったよ。研究室ではできないよ。あまりに広範囲すぎる。場所を選ばないと大惨事になるね」

「そうですか。マナは凄そうです」


「ああ、結構だね。ルーナでも1、2発かな?多分、今までの魔法でも最大だね」

「そうですか。では大技ですね。戦争では活躍しますかね」


「だろうね。最初の一撃とかだよ」

「ふふ、いきなり見たことない竜巻が起きたら、大混乱です」


「ああ、恐いだろうね。敵は。人が舞うよ。初見は足が震えるだろう。合宿で見せるよ」

「部員にはどんな魔法か説明しないと」

「ああ」


「今は何を開発しているんですか?」

「ああ、農業に使える魔法を作ろうと思っているよ」

「農業に使える魔法?」


「ああ、土を掘り返す魔法だよ。土を動かし、掘り返すんだね。できればマナ消費を少なくしたいんだけど、ここが結構問題なんだ。もう使えるんだけど」

「すごい。それは農家の人たちが喜びそうです」


「だろうね。領地を持つ貴族も喜ぶだろうね」

「生活魔法を開発している時の方が楽しそうです」


「ははは。そうかも。実際喜ぶ顔を考えて作ると楽しいし、考えも冴えるね」

「ふふ。マルクらしいですね」

「ルーナは何をしているの?」


「宮廷回復士長から、1つお願いされて、広範囲で軽度の回復する魔法を作っています」

「おお、凄いね。その魔法があれば災害とかで活躍しそうだ」


「ええ。私もそう思います。宮廷回復士長もそれが狙いみたいですね」

「そうか。凄いな。ルーナも有名研究者だね。最近はミリア先輩も有名になったしね」


「ただ、先輩が研究を続けながら、教員学院に行ったのは驚きました」

「ああ、魔法学院と思っていたら、教員学院とはね」


「多分、マルクのおかげで道を見つけたのでしょう」

「俺の?」


「はい。卒業前におっしゃってました。マルクの魔法理論を広めたり、教えたりしたいと、そして諦めた人や諦めそうな子をもう一度進めるようにしたいって。マルクを見たらそう思うんですよ」

「そうかな」


とミリア先輩の進路の話をしていた。ミリア先輩は教員学院に行った。人付き合いや話が苦手なのに、それを変えて教員になる。苦手を克服するのが夢みたい。リック先輩とは学院卒業後に婚姻するみたい。二人とも王都暮らしだから大丈夫だろう。


「サリー先輩とは今週末ですね」

「ああ、サリー先輩が元気ならいいけど」

「ええ、別れ方がちゃんとできなかったので、もう一度ちゃんとお会いしたいです」

「ああ」


そんな話をしていた。そこから研究をお互いに進める。ルーナは文献を読みながら、俺は実験をして、結果をまとめる。お互いに行き詰まると互いの研究のどこができないと相談する。


こうして、午前は終わる。食堂に行く。

「お疲れ」

「お疲れ、マルク、ルーナ」


「お疲れ様。研究してたの?」

「ああ、そうだよ」


「また新しい魔法か?マルクの魔法は多くの人を幸せにするからな。うちの母上が感謝してたよ」

「ルーイ。嬉しいね」


「そうだな。うちのメイドが喜んでいたって父上が言っていたな」

「そうか、洗濯か乾燥だね」


「ああ、そうだ」

「マーク、ありがとう」


「で、どんな魔法だ?」

「ああ、ヨークス。土を掘り返す魔法さ。まだ使うマナが多すぎて、農家には使えないんだけど」

「凄いな。それは頑張ってね」


「ああ、アレス。わかったよ。圧がすごい」

「ははは。でも領地持ちには嬉しい魔法だ」

「ライル先輩」


「後ろからごめんね。ちょうど見かけたから声をかけようと思ったら、聞こえたから。俺もその魔法には興味もあるし、支援もしたいね」

「まあ、ちゃんとしたのじゃないと農家の人の苦労は減らないですから、じっくりやります」


「そうだね。マナが多いんじゃ、彼らには使えないかな」

「ええ。忙しそうですね。生徒会長は?」


「仕事はそんなにないんだけどね。人が少ないから生徒会は」

そう、不人気な活動だ。成績上位がさせられやすいんだ。俺も話が来そうで恐い。


「まあ、マルクは来年の候補だろうね」

「ええ、勘弁してほしいです」


「ははは。まあ、ミリア先輩みたいにしないっていう首席もいるからね」

「ええ」


「俺は組織運営を学ぶ機会が多い方がいいから生徒会長になったけどね」

「偉いです」


「そんなことはないよ。したいからした。マルクも部長になったけど、部活を作りたいから部長になったんだろ?」

「まあ、そうです。武術の部活には入れないから部活を作ったら、部長になっちゃいました」

「そんなもんさ」


最近のライル様は貫禄が出て来た。辺境伯になるのは決まりだが、そうなるにふさわしい方になって来た。少し前のいい人という印象から、強く、優しさを持つ人に変わっている。


生徒会の人気が上がっているのはライル様の手腕だ。学院祭の予算を増やすようにしたり、新たな部活棟を増やして部室が皆良くなった。まあ寄付が増えたのが大きいけどね。


「じゃあまたね。部活に顔を出せなくてごめんね」

「いいえ。頑張ってください」

「ああ」

午後は、訓練場で、シグルソン教官の教えを請う。時間いっぱい模擬戦などに励む。


そして部活だ、今日はシグルソン教官が教える。いつも通り、シグルソン教官が素振りや打ち込み、模擬戦を見ていく。それぞれの苦手なところを指導すると共に訓練方法を教えてもらう。これだけで、自分の進むべき方向がわかる。これがすごい。


実際に新入生は一か月でみるみる上達している。実技の授業で上位に来ているらしい。弱いと自分で言った魔術詠唱研究会のメンバーもこっちで訓練するようになり、強くなっている。


自身の弱さと向き合い、それをよしとしない強さが彼にはあった。それ無くしては強くなれない。うちの部のメンバーは最低限、それを持っている者だけだ。


ケビンも突きが良くなった。基本がしっかりして来たおかげで、他の技も習得できるようになって来た。基本六技を正しく打ち込むのはできるようになった。


もともと習っていたのはあるが、それでも基礎がしっかりして来た。


槍術は踏む込みができない者はすべからずダメなんだ。そこを徹底したようだ。その結果、手に集中できるようになり、そして型が定まる。で、手も気にしなくて良くなる。


故に完璧な突きになる。突きができるようになり、今度は切り上げなどの基礎ができる。だからその他もしっかりとできるようになる。徐々に完璧な六技となる。いい流れだな。


部活は終わる。皆、1年も2年も3年も訓練を続ける。居残りだ。いい部活だ。俺も負けてられない。基本六技を素振りしながら、マナを体に収める訓練をする。


体の周りにマナを纏い、そしてそれを武闘オーラにして、体の中から一切離れないように、体に纏わせる。そして凝、覆、集、露、飛、その繰り返しを早く、早く、早く。


今度は魔法でマナを覆う結界を保って、もう一度、覆、集、凝、露、飛を繰り返す。素振りしながら。次は硬化と、次は疾駆と使っていく。はあ。今日はここまで、これ以上は母上クラスの回復士が必要になる。そんな人はそうはいない。俺もできるが、やってしまうと自分では無理だ。


と考えていると拍手が起きる。

「すごい」

「綺麗」

「はあ、なんてことしてんだ」


「うむ。丁寧な武闘オーラの訓練だ。マルクいいぞ」

「はあ、凄すぎます」

「見惚れるほどのオーラとスムーズさだ」

とシグルソン教官から、部員から賞賛が起きた。


「すみません。お騒がせしました」

「いい。皆にいい刺激だろう。これが学院のトップの強さだ。リオルらも強い。歴代でも最高レベルだが、マルクは既に王国最強の足元に来ている。俺やラルク、ゼル、アルフ、トーラスと既にいい勝負をできる。トーラスやアルフなら勝ち負けをする。これがお前たちが目指している最強の道だ。マルクは特殊なスキルを有する。しかしその中身は訓練によって作られた緻密な物だ。その道がどれほどのイバラ道かは今のお前らにはわかるだろう。励め」

「「「「「はい」」」」」」


褒められると嬉しいが恥ずかしい。家族やゼル以外は貶されて来た方が多いからな。


今日も部活を終えた。最近は部活で訓練をしているため、母上やゼルとは訓練をできていない。ただ、時々、さっきの訓練を見守ってもらいする。だが、まだ倒れる方が多い。ダメだば。もっと励む。


「マルク、いいか」

「はい」

「俺ら3年生はこれから来れなくなる。受験だ。その準備に入る。お前たちだけになる。すまんな。受験が終わったら、また毎日くる。それまでは控えることになる」

「わかりました。受験頑張ってください」

「ああ」

「「「「「皆さん、受験頑張ってください」」」」」

「「「「「ああ」」」」」」


「俺は来るぞ」

「カリウス先輩」


「わかっていますよ。ぷっ」

「アレス、そこで笑うか?」


「はは、気を使いますね。寂しくならないようにふざけたんですよね」

「マルク、普通、それは言わないだろう」

「「「「あははは」」」」

最後はカリウス先輩が笑いで締めてくれた。気を使ういい先輩だな。それから家路に着いて、夕食を食べ、瞑想と勉強をして眠りについた


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