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新学期② 自分に似ている者

俺らは授業が終わると、昼食を食べ、ダンジョンに潜る。今回は初めてだから、一階と二階だけ。2時間もかからないコースだ。リオル先輩らは授業がないから一日中潜るらしい。部活前に終わらすようだ。


「よし、行こうか?」

「「「ああ」」」」

「「ええ」」


そして一階に行く。一階は弱い魔獣のみで単体も多い。

いた。ゴブリン。頭が弱く、力も大したことはない。


「じゃあ前衛の3人で行き、俺らは中衛と後衛はサポート」

「ああ、でも、そんなに気張らなくてもこの面子ならゴブリン一匹はな」


「ああ、でも最初が肝心だよ。気を抜くと、この後に厳しい時に怪我をする」

「そうか。わかった」


「ああ、ルーイ。やるぞ。ルーイが攻める。アレスは撹乱で俺が止める」

「ああ、マーク」


マークは前衛の中で一番万能だ。マークが守り、アレスが斥候、ルーイがアタッカーの前衛だ。中衛は俺とヨークスでヨークスがアタッカーで、俺がオールラウンダー。


後衛はレオナが弓の後衛、ルーナが魔術の後衛だ。かなりバランスがいい。ちなみにヨークスと俺は前衛の守備もできる。


すぐにルーイが倒した。まあ問題ない。ダンジョンなので、魔獣の死骸は消える。俺らは進んでいく。次はゴブリンが3体だ。今度も問題なくいく。そして数度戦った上で、一階の一番奥に来た。


「じゃあ、二階に行こう。魔道具でもまだ時間がある」

「「「「ああ」」」」

「「ええ」」


こうして二階へ。このダンジョンは10階までの軽いダンジョンだ。学院生専用のダンジョンで、王立学院とその他の王都の学院が使っている。


二階は結構広い。隅から隅までだと4時間くらいかかる。なので今日は地図を見ながら、奥にとりあえず行ってみる。


何回か戦い。奥まで来た。正直過剰戦力だな。みんな特には位階酔いはない。

「よし戻ろうか?」

「ああ。今日は過剰戦力だな」

「ああ、もう少し入れて次はやろう」


「他の実践戦闘研究会のメンバーも入れて行こうか」

「ああ、あいつらも全員が課外授業を超えている」

「ええ。そうね」

「ええ、そうしましょう。じゃないと8階くらいまで潜る必要があります」

「そうだね」


こうしてダンジョン初日は終わった。今度は彼ら二人を誘ってもいいかな。


そして部活。リオル先輩らも戻ってきた。

「では今日も部活動を始めます。まず、1週間のスケジュールを伝えます。それと夏に合宿をする予定です」

「「「「「おう」」」」」


「合宿は魔術詠唱研究会と合同で、アレスの領であるスピキアーズ領が場所を提供してくれます。アレスに感謝を」

「「「「アレス、ありがとう」」」」


「ではスケジュールについて、まず今日風の日は基礎訓練です。火の日はシグルソン教官の訓練日、水の日は魔術詠唱研究会と合同で魔法訓練です。木の日はレオナとロドリス先生の講義、土の日はシグルソン教官の訓練日、光の日は、うちの家臣のゼルが教官として、基礎や実践です。無理せず、出れる日に来てくれればいいです。うちは兼部も多いので」

「「「「はい」」」」」

「「「「「おー、ゼル様が」」」」」

先輩や同期連中はゼルに驚いている。ゼルは有名だからな。


「じゃあ、今日は基礎訓練です。一年生は素振りから」

こうして、訓練を始めていく。先輩たちが後輩たちを見ていく、うちの連中は色々な武器がいる。剣から槍、弓、斧や槌、双剣、盾と剣など。


「はい。素振りやめ。先輩方に教わったことを確認しながら、今度は先輩方の素振りを見てください。できないことを嘆くより、できるには何が必要かを考えましょう。皆さんも来年には今より強くなります。僕らがそうでした」

「「「「「はい」」」」」

次は俺も素振りをする。槍を使っていた子が俺の素振りをじっと見ている。


「はい。やめ。皆さん、先輩の素振りはどうでしたか?」

「はい、綺麗でした」

「鋭かったです」


「指摘されたところがしっかりとされていました」

「はい。いいですね。最後の言葉は大事です。綺麗や鋭いは感覚的に自分の目標とする形がわかっていますが、最後のは頭で自分のできないところをできないといけないと理解していることがいいです」

「「「はい」」」


「では、また素振り」

「「「「はい」」」」」

何度も基礎を繰り返す。そして先輩からの教えを染み込ませていく。


「はい。そこまで、ここからは先輩が後輩の攻撃を受けて行きます。打ち込みです。素振りで習ったことをしっかりとしていきましょう。スキルは今日は使用しません。

土の日はスキルの使い方を学びます。その前に基本の体の使い方を徹底して磨くことができないとダメです。ここにいるルーイやアレス、ヨークスらもそれを磨いたことでスキルもよくなり、どんどんと強くなりました。まずは基本の体です」


「「「「「はい」」」」」

いい見本がある。それを目指して基本を頑張る。俺がゼルに教えてもらった通りだ。打ち込みが始まる。


「はい。そこまで、今日はお疲れ様でした。残って訓練したい方はどうぞ、残ってください。ただ、一年生は授業だ、なんだと慣れないことも多いかと思います。早めに休むのも大事です」


そして、俺はアレスらと打ち込みや素振りをする。同じく、今日来ている2、3年生のほとんどが始める。少しして、ひと休憩入れる。


すると

「部長、少し槍を教えてください」

あの槍の子だ。名前はケビン。


「ああ、いいよ」

「どうしたら、切り上げや突きを早くできるのでしょうか?」

「うん、素振りを見るに、右腕が悪いって言ったよね?」


「はい。それを意識して打ち込みや素振りをしてみましたが、うまくいきません」

「まず、すぐにはできないよ。その上で、大事なのは握る力だよ」

「握る力?」


「うん、これは感覚によるところが大きいから簡単に、俺の真似しろとか言えない。ただ、俺の感覚だと、力を入れてに強く握る瞬間が大事!」

「強く握る瞬間」


「そう、相手に当たる瞬間に強く握る。そうすると、地の力を余すことなく、槍に伝えられる。それができないと、手だけで突いたり、切り上げたりすることになるから早くないし、威力も弱い。この感覚はひとそれぞれだから、自分で掴めるまで振るしかない。俺は7歳から今までも500ずつを素振りしている。これは毎日5年続けている」


「毎日500回!」

「ああ、それぞれの基本技、それぞれ」

「「「「えっ?」」」」


「あれっ?みんなも驚いている?」

「ああ、流石にそんなに振るっているのか?3000回は素振りをしているぞ」


「最初は200回ずつとかだったけど。7歳と半年経ったぐらいには全て500回ずつだね」

「強いわけだ」


「すごいです」

「まあ、毎日200ずつとかから始めるといいよ。2ヶ月もすれば掴める。そこからしっかりと固めるといい」

「はい」


「いつでも言って、見てあげるから」

「はい」

「それに光の日に俺の師匠が来るから」

「はい」


彼はその後も俺の動きをずっと見ては素振りをしていた。俺はアレスやリオル先輩と模擬戦をした。スキルなしだが。


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