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変わる事、終わる事

翌日


俺はまだ体がだるい。でもかなり回復した。どうやら『飲み込む』は自然のマナを力に変えるだけではなく、体力だけでなく体の部位回復にも使っているようだ。初めて知った。


学院に行く。今日は片付けだ。


「あの〜、握手してもらってもいいですか?」

校門に人だかりだ。


「ええっと」

「ごめんなさい。マルク行くわよ」

「うん。レオナありがとう?」

「もうしっかりしてよね」


「ええと。あれは何かな?」

「マルクの追っかけよ。昨日の戦いが噂になって、更にクラスの出し物でした執事姿と相まって、近くの学院の生徒が追っかけになったの」


「俺の?そんなのことってあるんだ」

「アルフ様もいたらしいわ。ラルク様も」


「そうなんだ。俺は今まで、こんなこと経験したことないからな」

「そうね。でもこれからはすごいわ。あの魔法理論に強さ。そして格好いいんだもん」

「俺って格好いいの?」


「な、何言っているの?鏡見たことある?」

「うーん、あるよ。でもね。そんなことないと思うよ」

「はあ」


「おはよう、マルク」

「おはよう、アレス」

「「「「「「おはよう」」」」」


「おはよう。今日は片付けだ。頑張ろう」

「「「「「「ああ」」」」」」


「アレス、体は大丈夫?」

「大丈夫だよ。流石に少しだるいけどね。マルクは大丈夫?」


「同じく。体が少しだるいけど、大丈夫かな。マナを使いすぎたみたいだね」

「それって結構危ないよね。今までなかったの?」

「うーん、使いすぎたどころか、殆ど減ったこともない。俺のスキルで自然のマナを吸って回復しているみたい」


「すごいスキルだよね。ただ、物凄く努力を必要とするけど」

「そうなんだよ。これ単体じゃ、何の意味もないんだ。だけど、訓練に励めば、すごいんだ。努力できる人間でよかったよ」


「ぷっ。マルクが努力しないは考えられないよ」

「そうね。ぷっ。あははは」

「どうした?」


「マルクが努力できる人間でよかったよとか言うから」

「ぷっ。それは、あははは」


「それはもう。マルクに努力できないはありえない。訓練バカだもんな。ははは」

「「「「はははは」」」」

「笑いすぎじゃない?」


「みなさん、片付けますよ」

「「「「「「はい」」」」」

「ルーナごめんね。部長なのに役立たずで」


「いいえ、始まる前は頑張ってくれましたし、昨日のは凄かったです。しょうがないです」

「ありがとう」


みんなが手際よく片付けて行く。今日のラックス先輩はキビキビしている。


どんどん片付いていき、後はテントだけだ。俺も手伝う。アレスもそう思ったみたいだ。俺とアレスは部長と副部長だが、昨日のでダメージがでかすぎて、今日は役立たずた。


男連中全員でやればすぐ終わった。マークやジュライ先輩やジンダ先輩ら力持ちはすごいな。ああ、俺の仕事がない。しょうがない。書類をまとめてと。よしできた。


「じゃあ、書類を持って行くよ」

「俺も付き合う」


「ああ、アレスと俺は仕事してないもんね」

「口に出さなくていいよ。マルク」

「ごめん」

「「「「「「「はははは」」」」」」


そして片付けも終わり、みんなでお昼御飯を食べる。皆昨日試合も話題をしている。楽しそうだ。


「マルク、俺は実践戦闘研究会のみにするよ」

「そうですか。リオル先輩」

「ああ、部活をできるのは一年もない。ここなら成長がもっとできる。お前に勝てるくらいに強くなるからな」

「はい」


「「「俺も」」」

「「「僕も」」」

「そうか」


「あの、僕は弱いですが、もしいいなら、魔法詠唱研究会と兼部したいです」

「実践戦闘研究会って人数的にギリギリだよな」


「ああ、どうしよう」

「俺が抜けるから大丈夫だ」

「リック先輩?」


「俺はもう三年だ。俺を入れてくれたこと自体が異例だ。それを普通に扱ってくれたんだ。それだけで十分だ。それにシグルソン教官に俺の弱点は教わった。ここからは一人で成長できる。ありがとうな、マルク」


「俺もだな。三年がいつまでも残るなら、1年に道を譲るべきだ」


「そうですか、マイル先輩。寂しくなります」


「なに、学院には来る。シグルソン教官の授業に単位無しで入れてもらえることになった。それで訓練するさ。それに部活の時間以外は訓練場にいる。いつでも暇なら訓練しよう」

「はい」

こうして、リック先輩ともう一人の三年生、マイル先輩が引退した。


「私も引退。ルーナ任せた」

「はい。ミリア先輩」


「いい後輩がいる。無事引退できる」

「はい」


三年生が引退、卒業されていく。そういう季節が来るんだな。

「じゃあ、学院祭空けの最初の授業の日は必ず、放課後に部室に来てください。リック先輩、マイル先輩、ミリア先輩。できればサリー先輩も連れて来てください」

「「「わかった」」」

みんなと目を合わすと頷いた。


そして、後夜祭だ。

「では、皆さん、生徒会主催の後夜祭だー。今日だけは生徒が中心の楽しい回だぞー。騒ごう」

という生徒会長のハッチャケから始まった。この生徒会長が実況の人。


その合図で花火が舞った。綺麗だ。年始以外は見ない花火だ。

それから皆が踊る。チークダンスとか言う奴?男女が誘って踊る。俺のところには女生徒がすごく来た。アレスやリオル先輩にも。ジンダ先輩の顔が怖い。


どうしようかと思っているとレオナが誘ってくれたので踊った。その後にルーナと。ミリア先輩も来た。なので3人と踊った。それから誰も誘ってこなくなった。よくわからん。


その後は疲れたので、少し風にあたりに行く。すると、レア先生が片付けをしていた。ゴミの振り分けを確認しているようだ。


「レア先生、お疲れ様です」

「ええ。マルク、お疲れ様です」


「大変ですね。ゴミの振り分けの確認なんて」

「仕事です。私の役目です。普通よ」


「そうですか」

「楽しい?」


「ええ。今までが嘘みたいに友達ができて、そしてライバルもいて、いい先生に恵まれて、最高の環境です。一年が楽しくて」

「そう。よかったです。でもこれからですよ。マルクの努力が芽吹くのは」


「そうですか。これ以上があるならすごいです」

「ふふ。変わらないわね。マルクは素直で真っ直ぐ。アルフ様の婚姻式の言葉を思い出すわ」


「ああ。あれですか。あれは驚きました。兄上の尊敬する人が俺とは。俺が尊敬しているんですけどね」

「ふふ。そうですね」


こうして、先生となんとなく話をして後夜祭の会場に戻った。

それからみんなで騒ぎ楽しんだ。


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