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入学式前の一幕

肉じゃがを食べた感想を入れたかっただけなので短めです

肉じゃがをごちそうになった翌日、昨日と同じ時間に家を出れば橋本家のドアも開いており、菫に見送られて桜が家を出るところだった。


「おはよう、桜。昨日は肉じゃがありがとうな。すごく美味しかったよ。まだ残ってるから、食べ終わったらタッパー返すよ」

「優希君、おはよう。昨日は押しかけちゃったみたいでごめんね。タッパーはいつでも良いからね」


そう言って挨拶を交わす。もちろん、菫への挨拶も忘れない優希だった。


「菫さん、おはようございます。昨日は肉じゃがを頂きましてありがとうございました。凄く美味しかったです」

「あら、優希君おはよう。気にしなくていいのよ。あの肉じゃが、桜が急に優希君に渡すって言い出してね。昨日一日で桜とはずいぶん仲良くなったみたいね」


昨日のことを思い出して菫が笑う。


「もう!お母さん、優希君にそのこと言わないでよ!っていうか、優希君、お母さんのこと名前で呼んでるの!?いつの間に……」

「いや、二人とも橋本だから区別する意味で名前で呼んでるよ。昨日から」

「昨日から!?マ、マダムキラー……」


そんな二人のやりとりを微笑ましいものを見るように、菫は眺めているのであった。


「二人とも、お話したいのは分かるけど、早く行かないと遅刻するわよ」


慌てる時間ではないものの、余裕を持って登校するためにこの時間に出ているのだ。その声を合図に二人が登校を開始する。


「「行ってきます!」」


二人の声が偶然にも揃い、二人は顔を見合わせ吹き出すと、そのまま会話をしながら学校へ向かうのだった。



「二人ともおはよう。昨日はちゃんと家に帰れたかしら?特に優希君」


教室に入り席に着くと、茜がそう言って声を掛けてくる。


「茜ちゃんおはよう。大丈夫だよ。私がちゃんと案内したからね!」

「おはよう、茜。無事に辿り着いたぞ」

「そう、それなら良かったわ。こちらから誘っておいて迷子というのは目覚めが悪くてね」


流石に迷子というのは冗談なのだろうが、誘った手前心配していたであろうことが感じられた。


「よう、優希。学校生活二日目はどうよ?少しは慣れたか?」

「ああ、おかげさまで。まあ、この三日間は短縮授業と入学式で参考にならないだろうけどな。人間関係は概ね良好だよ」

「それは重畳」


海斗もこちらの様子に気が付いたのか優希の机へと寄ってくる。


「自分で言っておいてアレだけど入学式か。つい昨日入って来た俺が在校生側にいるのも変な気分だよ」

「優希自体が新入生みたいなもんだもんな」

「まったくだ」

そう言って海斗が笑う。優希もやれやれといった感じでため息をつくのだった。


「だけど入学式も悪くないかもしれないぞ。可愛い後輩が入学してみろ。伊藤先輩!って言って慕ってくれる娘も出てくるかもな」


バンバンと優希の肩を叩きながら軽口を言ってくる。当然話題に乗っかる優希は


「他には、学年上位の学力を持つ男子がどんな人だろうと思ってたら、こんなチャラい人間だと分かってギャップでコロッといっちゃう女子もいるかもな」


「お互いそう願いたいものだな」


そう言って笑い合っていると、周囲の女性陣から何故か冷たい目で見られているのだった。


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