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コント・漫才原稿

コント 不動産屋

作者: 羽田恭

ツッコミ「すいませーん」

ボケ「いらっしゃいませ。当不動産にようこそ。何のご用件でしょうか?」

ツッコミ「部屋を探していまして。僕一人なんですけど、最近物騒だから安全性の高い物件を探しているんですよ。それとあと、できるだけ安い家賃のところ。難しいですかね?」

ボケ「お任せください。いい物件があるんですよ」

ツッコミ「本当ですか?」

ボケ「ええ。この物件は勤続20年の警備員が警戒に当たっているお部屋になります」

ツッコミ「頼りになる人がついているんですね」

ボケ「そうなんです。一日の休みもなく24時間警備に当たっております」

ツッコミ「一日の休みもなく? 熱心過ぎませんか?」

ボケ「大丈夫です。20年間部屋から一歩も出ていない、自宅警備員の剛さん45歳が警戒に当たっているので」

ツッコミ「それ単なる引きこもりですよね」

ボケ「お母さまのご要望ですと、お友達になってほしいとのこと。どうでしょう?」

ツッコミ「どうでしょうじゃないですよ。てかすでに部屋に住民がいるじゃないですか。一人暮らししたいんです。僕は」

ボケ「わかりました。ではこの物件なんかはいかがでしょう。安全性はかなり高いです。しかも賄いつき。朝は食事は出ないんですが」

ツッコミ「賄いつきで安全性が高いってあるんですか。朝はまあ、事情があるんでしょうし。よさそうですね」

ボケ「屈強な男たちが毎日、どすこいどすこいとぶつかり稽古を」

ツッコミ「それ相撲部屋ですよね。強盗に入ってくるような無謀な奴はいないでしょうけど。だから一人暮らしをしたいんですよ!」

ボケ「でも国技ですよ」

ツッコミ「国技ですけど!」

ボケ「最強の格闘技ですよ」

ツッコミ「そりゃ強いでしょうけど! 別なのをお願いしますよ」

ボケ「わかりました。それでは周囲を有刺鉄線で囲まれた物件はどうでしょう」

ツッコミ「随分厳重ですね」

ボケ「ええ、しかも車両や徒歩での警戒も24時間体制で行われており、日本有数の警備体勢が敷かれておりますね」

ツッコミ「凄い物件じゃないですか」

ボケ「しかも三食賄い付きになります」

ツッコミ「待ってください。家賃大丈夫なんですか?」

ボケ「むしろ給料が出ます」

ツッコミ「給料?」

ボケ「緑と茶色のまだら模様の服が支給され、日々厳しい訓練を行っていただく」

ツッコミ「自衛隊じゃないですか! まだら模様の服って迷彩服! 集団生活! だから一人暮らしをしたいの!」

ボケ「自衛隊は随意人員を募集しております!」

ツッコミ「人手が足りないらしいけどさ!」

ボケ「来たれ、国防戦士!」

ツッコミ「ヒーローみたいなキャッチだな、おい!」

ボケ「身も心もシェイプアップ!」

ツッコミ「鍛えられますけど!」

ボケ「免許も取れます」

ツッコミ「募集の殺し文句はいいから! 他をお願いします!」

ボケ「ではこれはどうでしょう。大自然に囲まれた、星がきれい見える物件になります」

ツッコミ「郊外の物件ですか」

ボケ「ええ、そしてですね、年頃の女の子が警戒に当たっている物件ですね」

ツッコミ「え、そんなのあるんですか」

ボケ「しかも女の子とのスキンシップは自由です。お子さんがいる方がほとんどですけど」

ツッコミ「女の子ってどんな感じなんです?」

ボケ「かわいくて」

ツッコミ「いいですね」

ボケ「おっぱいが大きくて」

ツッコミ「いいなぁ」

ボケ「モーって鳴く」

ツッコミ「牛じゃないですか」

ボケ「しかも大きくて強いですよ」

ツッコミ「そりゃ牛ですからね。であの、星が見えるって、放牧地なんじゃ」

ボケ「オプションで女の子の家にお邪魔できます」

ツッコミ「それ牛舎! 牛を女の子って呼ぶな!」

ボケ「年齢15歳、人間で言うと80歳くらいでも子供を作れたりします」

ツッコミ「いらないよ、そんな知識。他はないんですか?」

ボケ「わかりました。ワンルームですけど」

ツッコミ「まあ、家賃は安そうですけど」

ボケ「ただ、この物件難点がありまして」

ツッコミ「今まで全部難点ありましたけど」

ボケ「手足が八本に分かれて、ハチマキを締めることに」

ツッコミ「それ、タコ部屋って言いたいの?」

ボケ「あ、ご存じでしたか」

ツッコミ「意味が違うからね! それ、安全性皆無!」

ボケ「母タコは卵を孵すため、命をかけて卵を守り抜きます。そんな部屋が危険だと?」

ツッコミ「俺、人間ですから! いい加減にしてくださいよ!」

ボケ「あと、そうですね。貴重な物件ですけど」

ツッコミ「どんなのですか?」

ボケ「私の何気に減ってきたんですよね」

(ボケ、頭を触る)

ツッコミ「それ部屋じゃなくてHAIR! もういいよ!」

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― 新着の感想 ―
[良い点] オチが良いですね たしかに貴重だ
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