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全てはその日から  作者: 中州 伊織
3/3

3話


響可からの通報を受けて警察が来た時には既に黒パーカーの不審者は周辺500メートルからいなくなっていた。あの後事情聴取を受け、刑事一課に務める父と車で帰った時には既に0時を回っていた事件発見したのは13時頃、響可は思わず時間は早いねと言いそうになるがそれと同じタイミングで父、櫻木正樹が口を開いた「大丈夫か?」

思わず響可はえ?と聞き返してしまう。正樹は娘が血の海や肉片、バラバラの手足を見ることに酷いショックを受けていると思い込み正樹はそうきいたのだが、それには少し思い違いがある。響可の趣味はR18指定されている血やら肉やらが飛び交うゲームをする事である。実物を見た事は初めてだか昨日のいや、一昨日の3時頃までスプラッター映画を大音量でしかも真っ暗の部屋で1人で鑑賞していた響可である。そんな彼女でさえ最初驚きこそしたが一般人よりも遥かに多くそういったシーンを見てきた響可はそこまでショックを受けていなかった。正樹が知らないのも無理はない彼は最近仕事が忙しくというのも夏休みに入り強盗や万引きをする学生が一気に増えた。そのせいであまり家に帰れていなかったのである。響可もそういった趣味を人様に言うものではないと理解しているため父やましてや兄にすら言っていない秘密の趣味である。そのため響可は咄嗟に誤魔化すほかないのであった。「えっあぁ大丈夫だよ。」笑顔で誤魔化すが、それで引き下がる程正樹という男は甘く、心配性であった。「本当に大丈夫か?第1発見者がPTSDにかかることはよくある事だ。心理カウンセラーなんかも警察側から手配できる。本当に大丈夫か?」何度聞かれてもそこまでのショックしか受けていない響可は苦笑いしながら大丈夫だよという事が出来なかった。玄関を開けるとふわりとオムレツの匂いがした。兄である仁がかえっといる、と響可は理解した。兄は推理小説家で一昨年デビューしたばかりの新人である。しかし本格ミステリーが新人離れしていると業界ではファンが多いらしいが響可には興味が無いことである。普段は部屋に引きこもったり、何処かの旅館に長期滞在し、原稿を書いているらしく3人が顔を見合わせるのは1ヶ月ぶりになる。正樹と似たのか仁も響可に甘く、心配性であったそのたオムレツと共に大丈夫か?と聞かれまくったのは言うまでもない。

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