表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/33

宿屋で打ち合わせ2

 俺はアンリエット殿下と酒場で合流した。さっきゅんは一緒にいたが、セスカはいなかった。

 戦果の報告会をする前に、同じ宿屋に戻ることになった。宿屋のおやじは俺がレオナだと知らないし、衛兵に踏み込まれても証拠は何一つ出なかった。むしろ、一度踏み込まれた宿屋はかえって安全だろうとの考えだ。

 逆に、衛兵による摘発があったその日に宿を変えるのは得策ではない。


 俺たちが宿に戻ると、おやじさんから全ての部屋が衛兵に踏み込まれたとの報告があった。おやじさんは俺たちを不審がる様子はない。おそらく俺たちが犯人一味だということをまだ知らないのだろう。知らない言うことはそこから秘密が漏れることはあるまい。

 俺たちの部屋は荷物がひっくり返されていた。宝飾品はすでに売ってしまっているので、俺たちの衣類がばらまかれているだけだった。何の手がかりもない。ただの旅人の荷物だ。中には王女殿下のパーティードレスもあったのだが、衛兵には物のよしあしが分からなかったらしい。殿下の宝飾品は殿下自身が持っていて、部屋には残さなかったらしい。

 ここが完全に安全とまではいかないが、次善であることは間違いないだろう。

 俺たちは報告会を始めた。


 アンリエット殿下からは、戻ってきたセスカに会ったとの報告があった。セスカは王城のメイドに採用されたという。メイドは住み込みの仕事なので、そのまま王城に行ったらしい。

 さっきゅんは衛兵がいくつかの宿屋で臨検しているのを見たそうだ。そのまま衛兵を尾行して宿屋数件に踏み込んだところを見ていた。不審なカラスも見たという。俺が張り込んでいた宿屋までついてきたが、衛兵はそこへ踏み込んだ後、城に帰っていったという話だ。

 俺がカラスを殺したところや、そこから逃げていくところは見ていないそうだ。俺のことを知っているさっきゅんですらハイドを見破れないということは、この能力はいよいよ本物ということになる。

 ちなみに俺もさっきゅんが来ていることに気づいていなかった。さっきゅんの尾行がうまいのか、俺が注意力散漫だったか、その両方かだ。


 そして今後の方針を決めたいところだが、いつどこから何をされるか、さっぱり見当がつかない。

 おそらくだが、俺を生かしてとらえたいと考えるだろう。自らの手で拷問したり処刑したりしたいだろうからだ。

 そう考えると、いきなりテレポートしてきてファイアーボールでズドンということはなさそうだ。


 シロツグが守りに転じる可能性もある。衛兵が何人もいる中で使い魔を殺されている。衛兵が何人いても自分の身は守り切れない。おまけに俺はウイッシュリングを持っているから、目の前にテレポートしてきてズドンとやられるのはシロツグ自身かもしれない。そう考えれば、守りに入ることも考えられる。


 以上を勘案してみると、俺は攻めの姿勢をくずさない方が得策だといえる。いつ来るか分からないシロツグを恐れて逃げ隠れしていては消耗するばかりだ。

 俺自身が塔や城に忍び込んでアグレッシブに活動する方が、シロツグを委縮させられるはずだ。


 とはいえ、相手は高レベルの魔術師だ。あれこれ考えるよりも、自分から全力でぶつかった方がいいに決まっている。運が悪けりゃ死ぬだけだ。


 アンリエット殿下には、これ以上付き合わなくてもいいと伝えた。王女殿下の大冒険としては、ここら辺が潮時だろう。

 しかし、アンリエット殿下はセスカファミリーの一員になりたいと言い出した。だとすれば、なおさら城に帰って極秘裏に情報収集をして欲しいと伝えた。しかし、王女殿下は「ライブ感が大事」ということで、俺たちと行動を共にしたいとのたまった。最悪人質として利用するかもしれないが、それも問題ないという。とんだおてんばお嬢様だ。


 俺たちの明日の予定は、さっきゅんは衛兵の動向の監視。アンリエット殿下と俺は冒険者ギルドや酒場で情報の収集。俺は夕方から単独で魔術師ギルドの塔の登攀とうはんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ