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スリで小銭を稼ぐなど

 ツールの受け取りは二日後になってしまったが、変装道具は今すぐそろえることができる。しかし難問にぶつかってしまった。値段が高すぎるのだ。ウイッグも化粧品も俺が予想していた額より一桁多い。初期装備の現金の額より二桁多い。

 盗んでもいいのかもしれないが、商売道具を盗んでそろえるというのも、あまりいい気はしない。銀行で金を盗むことも考えたが、こちらは明らかに警戒が厳重で少額を調達するには割が合わない。

 街中でスリをするのはいいが、シーフギルドから「やったら殺す」と言われているのを思い出した。ほんとに暗殺者を差し向けられたら、ちょっと困る。

 そこで妙案を思いついた。シーフギルドを出入りする人からスリとればいいんじゃないか? スリがスリの被害を受けたなんて、プライドが邪魔して言い出せないんじゃないかな。

 俺はシーフギルド付近で張り込み、出てきた人から盗んでみた。彼らは意識が低いのか本当に気づいていないのか、簡単に盗むことができた。

 しかし、盗賊というのは貧乏なものだ。持ってる現金は、俺とさほど変わらない。可愛そうなので半分だけもらって半分は返すことにした。

 そうこうしながら、数人からすったところで気づいたが、この方法ではお金は集まらない! 変装道具はいつになっても買える気がしない。


 俺は仕事をいったん打ち切った。

 ちょっとセスカとさっきゅんの様子をのぞいてみよう。二人は魔術の練習をしているはずだ。街の中では防犯上ほとんどの魔術を使うことが禁止されている。二人は街の北門の外に行くと言っていたので俺も北門に向かった。


 街の外の原っぱで、二人は仲良く練習しているようだ。セスカは魔術の本を持ちながらさっきゅんと話している。

 俺は二人に声をかけた。すると、それにきづいたさっきゅんは俺に向かって何かかけてきた。その瞬間世界はバラ色に変わった。


 ああ、愛しのさっきゅん。俺の可愛い子猫ちゃん。俺は今まで何をしていたんだろう。なぜさっきゅんと一緒にいなかったんだろう。

「さっきゅん。愛してるよ。今日も笑顔がかわいいね」

「サッキュン、レオナ、ダイスキ!」

 俺がさっきゅんと再会のハグをしようという時、横からブスがわりこんだ。

「ばかやろう! さっきゅんの魔術だって気づけ!」

 俺のむこうずねを思いっきりけられた。なんなんだこのブス。なにしてくれちゃってんの。

「邪魔するなよブスが。俺はさっきゅんを愛しているんだ」

 俺は片膝をつきさっきゅんと目線を合わせると熱いキスを交わした。横でブスが本を見ながら何かしているが関係ない。俺とさっきゅんとの愛を阻める者はいない。さっきゅんは意外とキスが上手だ。ちろちろと舌をからめてくる。って、ハッ!


 俺、なんでさっきゅんとキスしてんの。慌てて立ち上がる。

 すぐそばに魔術書を持ったセスカがいる。セスカさんめちゃめちゃ怒ってる感じ。

「セスカさん、これどういう状況?」

 セスカに俺のむこうずねの同じ場所を思いっきりけられた。

「痛い痛い。なにするん……」

「レオナは、さっきゅんの魅了の魔術にかかっていたのよ」

「え、魔術ってそんなにスゴイの?」

「子供相手にべろちゅうなんて、このロリコン。わたしがディスペルしなかったら、キスどころか、こんなところで……、ゴホンゴホン」

 セスカはそれ以上続けられなくなって、咳払いでごまかした。

「レオナ、ベロチュ、キモチイイ?」

 さっきゅんは満面の笑みだ。

「いやいやいや、魔術でこんなことが出来ていいの?」

「思い知ったかしら。さすがサキュバスよね。幼生でもこれだけ強い魅了を使えるのは正直驚いたわ」

「すごい才能だ。しかも魔術書無しでか!」

「さっきゅんはモンスターなのよ。予備動作もいらないわ。いきなりズドンよ」

「セスカファミリーの戦力になるな」

「何と戦うのかさっぱりわからないけどね、ふふっ」

 鼻で笑われている。

「そういえばセスカはどんなのが得意なんだ? ちょっとやってみせてよ」

 セスカの目が泳いだ。

「ぁあー、ちょっと今日は調子が悪いのよね」

「え、27レベルなんだろ? 何を使ってもすごいんじゃないのか?」

「今日使う分はあらかた打ち止めなのよ」

「マジックパワーが回復すれば使えるんじゃないのか?」

「まあね。また今度見せるわ」

 俺はちょっと疑い始めた。セスカは以前も魔術の話をするときに目が泳いでいた。

「セスカ、本当は魔術の心得が無いんじゃないのか?」

「ちっ、ちがうわよ! 今日はちょっと調子が悪いだけで!」

「いいから簡単なのを一発撃ってみてよ。そしたら信用する」

「ぐぬぬ」

 セスカは魔術書を開くとマジックワンドを振り回し、魔法語で呪文を唱えた。

「〃〃〃〃、〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃、〃〃〃〃〃〃!」

 セスカのワンドから炎が走り、五十メートルくらい先の空中で爆発した。

「おお、すごいじゃないか。疑ったりして申し訳なかった」

 セスカは息切れしている。全力疾走したかのようだ。

「はぁはぁ、結構すごくない?」

「結構すごい。でもこの魔術はセスカが使える最大の魔術なんじゃないのか?」

 セスカは素直に白状した。

「ばれた? 怒ってる?」

「詐欺師を自称してるくらいだから、そんなに驚かないし怒ってもいないよ。それにあの爆発、ほんとにすごいじゃない。実際のマジックユーザーレベルはいくつなんだ?」

「9よ。第四サークルを使えるぎりぎりのレベル」

「9でも十分すごい気がするけど。冒険者ギルドで27レベルになってたのはなぜ?」

「チートよ。レベル千六百万のシーフさん」

 セスカは、俺のレベルはチートで書きかえたものだと思っている。

「チートでは冒険者ギルドで教えられるレベルだけ書きかえられて、本当のレベルは別にあるっていうことか……」

 すると、俺のシーフスキルは千六百万レベルではないのかもしれない。誰かが同じ手段で書きかえたのかもしれない。そしてその方法をセスカは知っている。

「セスカ、俺の千六百万レベルって、もともとのレベルに戻せるか?」

「できるわよ。まぁ、千六百万じゃあ都合が悪いものねえ」

 ちょっと帰りにギルドに寄ってやってくれないかな。

「いいわよ。そのまえにちょっと、さっきゅんの魔術の実験台になってもらえる?」

 俺はついさっきのキスを思い出して赤面した。

「さっきゅんとべろちゅうは恥ずかしいなぁ」

「恥ずかしいっていうのは嫌ではないって意味よね」

「そうともとれ……」

 むこうずねをけられた。本日三度目だ。

「痛い痛い……」

「このロリコンめが!」

 正直に答えているのに、何でこんな扱いをされなければならないのか。ロリコンが憎いのか。ロリコンに親でも殺されたのか。

ロリコンロリコンと言ってますが、主人公は15歳でさっきゅんは推定13歳だから、2個しか違わないんだなぁとか。

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