リアルはクソでした
いきなり胸糞展開で申し訳ない
俺はニートだった。
高校に入った直後には、まだ休みがちな生徒でいられた。
だが、ゴールデンウイーク明けにはすっかりニートになっていた。
特にこれといった原因は無い。強いて言えば、友達が一人もできなかったこと、スクールカーストの最下位に定着したこと、その程度の事だ。
ある日学校に行くと上履きがなくなっていた。誰がやったのか、どんな理由なのかは分からなかった。けれど、誰かが俺に「学校に来るな」と言っているように感じた。
その後、教科書もノートもなくなるようになった。上履きが五度目に盗まれた日、俺はそのまま学校をさぼってニートになった。
親も教師も、つまらない理由で不登校になるのはもったいないと言っていた。だが、うっとうしく感じた俺は反論した。
「まず俺の上履きを盗んだ奴を断罪して欲しい。悪いのは俺じゃない。盗人だ。できなければ上履きを返してくれるだけでもいい。俺は学校では一番地位が低いかもしれないが、盗人よりも下だと感じていたくはない。俺はこれからも盗まれ続けるために学校に行きたくはない」
そんなようなことを言った覚えがある。
親も教師も、いけすかない奴だと思ったに違いない。しかし、俺はこの問題をうやむやにしたくなかった。
このまま俺が学校に行くようになったとしても、いじめの標的になるだけだ。それなら学校に行く気はない。
俺はニートらしくゲームやネットの世界にのめりこんだ。そこは天国ではないにしても少なくとも地獄ではなかった。少ないながらも友達もできた。
そうこうするうち、俺はそこで不思議な出会いをした。匿名のダイレクトメッセージで「今の生活をこれからも続けていきたいですか?」とだけ書かれていた。俺は「学校に行っても社会に出てもいいことは何もない。俺はいじめられっ子気質から脱したい。強い人間になりたい」と答えた。
すると瞬時に新しいダイレクトメッセージが来た。
「それはゲームで得られるような強さですか?」
「違う。強いコミュニケーション能力が欲しいということだ」
「それは『雄弁』スキルや『言いくるめ』スキルのようなヒューマンスキルの事ですか?」
「ゲーム内で言えばそうだ。だが俺が欲しいのはリアルでの能力だ」
俺はこの文を打ち込んでエンターキーを叩いたところで意識を失った。
次から異世界