魔法世界での旅日誌
《 Log 》 1丸太。 2旅行日誌、航海日誌。 3記録、工程。
Log No.0 1日目の夜明け
地球の二分の一の大きさを持つこの世界は、現実のものとはかけ離れたものだった。近代的な建物は何一つなく、まるで過去にタイムスリップしたような、そんな感覚を彼らに与えた。
<その世界>には、多くのNPCが住む村や町、貿易の栄える港町、各地の中心地となる都市があり、モンスターの出現するフィールド内には、湖、森、山、海などの自然環境や、廃墟、古城や迷宮、地下宮殿までもが存在した。そんな現実としか思えないこの世界を彼らはこう呼んだ。
魔法の世界、と。
Log No.1 いつもの朝に、いつもの家に、違う世界。 その1
外は晴れ、窓から陽光が差して、小鳥たちのさえずりが聞こえてくる、そんなある日の朝。
「おーい、零一。ご飯できてるよ~、早く起きてよー。」
いつものように、下から従姉妹の三咲の声が聞こえる。
「...ヤダ、そもそも三咲、今日は何の日かわかってる? 国民の祝日なんだよ。今日ぐらい寝てても罰はあ当たらないとお思いまs」
す、を言おうとした瞬間、部屋のドアが開いたかと思うと、布団に入っている俺の目の前に三咲が来て、
「何か言った? ねえ、零一。」
と、謎の殺気を振りまいた笑顔でそう言い、俺の言葉を遮った。
「い、いや、本日くらい寝ていても、神様もお許しになるのではないかと思いましゅ。」
と、おれは布団に体を隠して防御態勢を取りつつそうつぶやくが、三咲が納得するわけもなく
「神様と、私、どっちが偉いと思うの? ねえ零一くん。」
そう言って手を握り、ニコニコ笑って殴ろうとする三咲に対して俺の最強かつ最後の切り札である技、
「ひ、ひいいいいいいーーー許してくださいいいい。」
と言って何度も床に頭をつける<超高速土下座>を使う。そんな俺を
三咲は軽蔑したような目で見て、「早く来てね。」と言い、下に降りていった。
数年前に母親を亡くし、数日後に父親もも失踪、そんな俺が預けられたのが三咲の家だった。今は従姉妹の三咲と共に、近くの高校に通っている高校三年生だ。俺は父親の影響もあってゲーム好きで、大学入試の一年前になっても、いまだゲームをやめられずにいるゲームバカ。対照的に、三咲は成績優秀、運動能力も抜群、更には容姿端麗といった、高校三年生とは思えないほどの美少女だった。
「...一、ねえ、零一ったら、話ちゃんときいてる? 。」
「あ、ああ。もちろん聞いてないぜ、テヘッ♪ 。」
三咲に聞かれて、可愛い女の子風に謝るが、
「キモっ...。」
と、三咲。叔母さんも呆れた顔をして、
「まあいいわ、ちゃんと話を聞いてね。今日は零一のお母さんの命日でしょう、墓参りにいかなきゃね。」
「そうか、もう母さんが死んでから五年目か...後、ありますか? 。」
「いや...特に用事はないはずね。」
「あ、じゃあ途中で電気屋よっていいですか? 今日、全世界で同時にスタートするゲームがあるので、それだけ買いたいと思います。」
「いいわ、じゃあ三十分後に出発ね。」
そうして俺たちは町へ出た、しかし、この時すでに運命の歯車が回りだしているのを、、まだ誰も知らなかった。
まだ中学一年生なんで、形になっていないのですが、良ければアドバイス等々よろしくお願いします。
また、寮で暮らしているので1ヵ月に一本上がるかわかりませんが、気長に見てください。
村尾ヨーイチでした