エピローグ
殴り(かたり)部のある、簡易畳が敷かれただけの部屋。
その部屋に、正座をする阿田内の姿がある。
これに対面して、道着姿の笹倉弓子の姿があった。
彼女は、傷の絆創膏が顔にあるものの、後遺症も無く元気であった。
と、その隣に、同じく道着姿の大曽根慧の姿もある。
慧は、仏頂面で阿田内を見ている。
「何でこの子いるわけ?」
慧が言うのは、隣の弓子のことである。
何の説明も無く連れて来られたらこれである。
不満の一つも出るのだ。
「先輩。わたし迷惑ですか?」
弓子の言葉に、何とも言えない気分になる慧。
「いや、そうじゃなくて。ねぇ、何とか言ってよ」
慧に言われて阿田内は答えた。
「大丈夫です。
荒井先生には許可を貰いましたし」
「そういうことでもなくて。
あのさぁ、あたしは先生が偽物だって分かってるし。
訴えると思わなかったわけ? 例えばテレビとかにさ」
「あのとき取られたのは偽物ですよ。
何を言っているんですか?」
「……先生って名前だけだね。素直なのは」
「素直な子は好きですよ?」
にこにこしながら言う阿田内。
ますます、ぶすっとした表情になる慧。
気まずい雰囲気を察知して弓子が言った。
「あ、先生ぇ、さっそく初めませんか? 部活を」
「そうですね。では早速」
二人は立ち上がる。
対する慧は、何をするのか、まったく分かっていなかった。
「何をするの?」
「もちろん殴り(かたり)合いをします」
「語りって、本当に喋るの?」
「違います、愛ですよぉ」
弓子の言葉に、慧の口が半開きになる。
「は?」
阿田内は頷いた。
「まずは拳に感覚を研ぎ澄ませることから初め無いといけませんか。
大曽根さんならすぐ分かるはずです」
(何言ってんだこの人?)
弓子もにっこり笑う。
「先生ぇまず初心者はぁ。愛があるか無いかを、体と分からないと」
(何言ってんだこの子?)
「そうですねぇ。
それでは大曽根さん、あなたをぼくに教えてください、これで」
ぐっと握りしめた拳を見せる阿田内。
完全に本気の目である。
(何なの、この部?)
慧は、ああ、選択を間違えたな、と改めて思うのであった。
完読していただいて、感謝いたします。
体罰とか暴力とか、ちょっと辛気臭い題材で、悩んだけれど、ええいやっちゃえと思って書き殴りました。
わたしはあんまり、このサイトの作品を知りません。
ですので、なろう系作品の文体ってこんなんでいいのかな?
とか思考しながらも、改行をしつつ、必要最小限の情報に収めています。
味気ないところ、けっこうあったかも、ですね。
思ったように書きながらも、先生のバトルは表現が難しく、集めた武術の本が、あまり役に立たなかったがちょっと泣けましたね。(笑
まだ何だか続きそうなそうでもないような雰囲気になりつつ、今回これで完結とさせてもらいます。
読んでくださった方に、楽しんでもらえたのなら幸いです。
それでは、また何かで。(あるのかなぁ?^^;




