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おずまほ!  作者: シン
第一章 将也と子犬と異世界と
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1-5 魔法の練習のち濡れるッ!

「え?」


 魔法使いの資格は凄く簡単に取れますよ、とでも言うように北の国の魔女であるスノーは告げる。


「ですから貴方も魔法が使えるということです。なんでしたら私がお教えしましょうか?」


 聞き間違いでは無かったようで、更には魔法のレッスンまでしてくれるそうだ。

 そして将也は迷った挙句、スノーの言葉に甘えることにしたのであった。


「え……じゃ、じゃあお願いします」

「トトもお願いするです」


 その後、スノーから魔法の基礎を教えて貰った将也達。

 魔法は誰にでも使えるものらしく、イメージが大事なんだそうだ。


「まずは実際に魔法をその目で見てみるのが良いでしょう。《フリーズ》」


 スノーがそう口に出した後に杖先から白い、冷気のような風が吹き出した。

 その冷気に当たった地面が見るからに分かるほど凍り付いた。

 トトと一緒に凍った部分を触ってみる将也。


「わ、本当に凍った」

「カチカチに硬くなってます!」

「これが冷気を出す氷魔法『フリーズ』です。対象を冷やしたり凍らせたり出来ます」


 魔法は火、水、土、風、雷、氷、光に闇など様々な種類に分けられるそうだ。

 長ったらしい詠唱は必要なく、強くイメージし魔法を発動する為のキーワードをなんでも良いから唱えると使えるらしい。

 流石に無詠唱、口を閉ざしたまま使える魔法は無いみたいだったのだがこれなら自分にも使えそうだと思った将也だった。


「では、お2人は周囲に悪影響の出にくい簡単な水魔法『ウォーター』を使ってみましょう」

「はい。えーと、強くイメージ……イメージ……《ウォーター》!」


 将也がキーワードを唱えた途端、前に翳した手の平から水が溢れ出てくる。


「わわわっ!? 本当に使えた!」


 心の隅では半信半疑だったのだが、自分で魔法を使ってみたのだからもう言い逃れ出来ない現状に驚く将也にスノーが告げる。


「だから言ったでしょう? 貴方にも魔法は使えると。ちなみに使った魔法は止まれと念じれば止まりますよ」


「は、はい……」


 すると手から出ていた水が止まった。


「うーん、手がびしょびしょ」

「イメージの練習をすれば手の部分より少し離れた箇所から水を出せるようになりますよ」


 将也はポケットに入れていたハンカチを使い手を拭きながら、手が濡れたことに不満を漏らす。

 それに対したスノーのアドバイスに要練習だな、と将也が思っていると後ろからトトが抱きついて来る。


「ご主人様ー! 上手く出来ないです!」

「ふぁっ!?」


 一瞬驚きはしたがポケットにハンカチをしまい、トトが魔法を使えるように協力する将也。


「ほら集中して。目を閉じるとイメージしやすいかもしれない」

「んむむむ……《ウォーター》!」


 何度目かの挑戦でトトの手から水が湧き出てくるのだった。


「ご主人様見て下さい! 出来ました!」

「良く出来たね。偉い偉い」


 魔法が使えた喜びで尻尾をぶんぶん振っているトトの頭を撫でてやる将也。

 その後トトは無事手の平から出る水を止めることに成功して、濡れた手を拭いてやるのだった。


 ちなみにトトは毛が全く生えていないまっさらな綺麗な手をしていた。どうやら手足は人間と同じらしい。


「獣人は魔法が上手く扱えないことも多いそうです」

「あ、そうなんですね」

「トトは凄いのですか?」


 スノーから聞く話によると魔法を使う為の魔力は空気中に漂っているらしく、その魔力をどれだけ身体に取り込めるかで魔法のエネルギーとしてコントロール出来るかが決まるので、その取り込む許容量が魔法の才能となるらしい。


 獣人は基本的に身体能力が高く、その身体能力は魔力による恩恵だと言われている。

 その代わりに魔法がおざなりになることが多いらしいが身体能力が高い為、特に問題は無いそうだ。

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