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おずまほ!  作者: シン
第一章 将也と子犬と異世界と
3/6

1-3 マンチキン人?誰がチキン野郎だぁぁ!

(マン=man チキン=chicken人?)


 おっさんことアレックスは小柄で将也やトトより身長が低く、子供のような背の高さだった。

 しかし声や顔は紛れもなくおっさんであり、その橙色のモジャ髭の濃さからも将也達より年齢が何歳も上だということが窺えた。

 背は小さいが筋肉はがっしりと付いており、力強さと男らしさが感じられる。


「あっ、僕は城島将也と言います」

「トトはトトです」


 マンチキン人という聞き覚えが無い人種に首を傾げるが、相手が名乗ったのだからと自分も名乗る将也。

 連れられてトトが名乗ると、おっさんは安心したかようなため息をつく。


「どうやら悪い奴じゃなさそうだな」

「は、はぁ」

「トトは良い子です!」


 アレックスさんは警戒心が強いのかな? と将也が考えていると、アレックスが後ろへと振り返り大きな声で誰かに呼び掛ける。


「おう、おめぇら! 出て来ても大丈夫だ!」

「え?」

「「「ハイホー!」」」


 アレックスの呼び声に応じるように小柄な、ドワーフと表現すればしっくり来るような者達が現れた。

 マンチキン人と思わしき者達の殆どはアレックスと同じような濃い髭を生やしていた。

 中には女の人もおり流石に髭は生えていなかったが。


(まんまドワーフじゃん!)


 心の中でツッコミを入れる将也だったが、そうしている間に大勢の人達に囲まれていることに気付いた。

 その集団の口々から思い思いの言葉が掛けられる。


「だから言ったんだ。黒い髪の奴に悪い奴はいねぇって」

「んだんだ。東の悪い魔女をぶっ飛ばした英雄と同じだもんなぁ」

「でも花畑に知らん奴がいた時は吃驚しただぁよ」

「アンタたち、クッキー食べるかい?」

「クッキー!」


 トトが目を輝かせながらクッキーに飛び付く。

 少し揉みくちゃにされそうな状況に気圧される将也。


「あ、あの! 状況を! 状況を説明して欲しいんですけど!」


 荒波に揉まれるかのようなこの状況が落ち着いた後にマンチキン人の皆から話を聞いた結果、此処が日本どころか地球ですら無いことが分かった。

 この世界の名はオズワルドという名前で、此処は見た目ドワーフのマンチキン人が住まうマンチキン人の国だそうだ。


 更には将也が助けた子犬がこの犬耳の女の子・トトだということを要領を得ないトトの説明でなんとかだが理解した。


「ってちょっと待ったぁぁぁ!」

「どうかなさいましたか、ご主人様?」


 思わずツッコミを入れる将也にちょこんと小首を傾げるトト。


(うっ! 犬耳っ娘の可愛いポーズ攻撃……)


 攻撃では無いのだが可愛い女の子に可愛い動作をされては照れてしまうのが男子の性。

 しかし、この異常とも言うべき現状をそう簡単に認める訳には将也の理性が許さなかった……先程負けそうになった理性だが。


「ま、まずトトがあの子犬だったってことを証明できないかな?」

「証明ですか? むー……ご主人様と初めて会った時、トトと見つめ合ってその胸に抱かれたことは覚えてます」

「へぇ兄ちゃん見掛けによらないなぁ。若いって良いねぇ」

「誤解ですよ! いや、誤解じゃないんですけど誤解です!」


 なんとか現実だと受け止める為に少しでも情報を求める将也に、トトが腕を組んで考える仕草をして考え込む。

 ちなみにその時、トトの胸につい目がいってしまって大きさはそれなりにあったのを確認した将也だったが、その後トトの口から発せられた誤解を招く物言いをした所為でアレックスがニヤニヤしながら将也をからかうように言葉を掛ける。

 それを将也は全力で否定するが少し空回りしている。


「あとは竜巻がびゅわぁーっと来たことでしょうか」


(竜巻のことを知っている……考えられるのは竜巻を含めてのドッキリ? もしくは新手の詐欺かな。特殊メイクとかなら人耳を隠したり出来そうだし)


 意外と疑り深い将也だった。

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