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とある龍姫の半森守種族

今回はアカネ視点となります

 シロエールの勝利から2週間が過ぎようとしている頃の休日。

 リーダーの失墜により部活ギルド『艶麗の貴婦人』は縮小の一途を辿っていた。

 シロエールの力を見せつけられたせいか、今もなお熱気が冷めず大騒ぎが続いているが彼女の周辺は普段どおりの静かものであった。

 入学して間もないのに、高等部の生徒を倒したせいか藪蛇を突きたくはないという見解であろう。

 それに、当の本人が欠席しているのだから。


 当初3人の拠点は現在5人になっている。

 全員パーソナルカラーが違うからなんかこう戦隊とかできそうだなぁ。

 大衆の前で戦ったせいかシロは精神面に負担がかかってしまったのか、最初の1週間は寝込んでいた。

 今はベッドで横になっているものの食事は胃に優しいものになっている。


「シロって本当に人前に出るの、苦手よね」


 私ことアカネはベッドに座ってシロに膝枕をしている。

 シロはこういう状態になってしまうと人肌とかが恋しくなる感じの性質があるのだ。

 今も安心しきってるように眠りに落ちている。

 特徴的な耳を少しくすぐると擽ったそうに耳がぴくんっと揺れる。

 呼び捨てで呼ぶのは家の人間と私だけ、エクレールも今はメイドだから実質他人で呼び捨ては私のみ。

 そういった所を少しだけ、優越感を感じている。

 シロは私の即興で作った話を今でも楽しく聞いてくれるし甘えてくれる。

 私も、一杯甘やかしてあげたくなるのだ。

 しかし、じーっと化粧台の椅子に座りながら此方を見ているのがいる。


「え、えーっとどうしたんですかフレイヤ先輩」

「べ、別になんでもないわよ!」


 声質もツンデレキャラぴったりでツインテールだから本当のこの人ツンデレだわーって思ってしまう。

 今も私の膝枕で寝てるシロをちらちら見てる。

 ハーレムモノもいいけど攻略キャラじゃなくて攻略されキャラって感じだな私。


「そ、それに仲間何だし先輩つけなくていいわよ…」

「あ、そうですか?フレイヤってシロのこと好きなの?」

「ぶっ!!あ、あんたねぇ!?」


 そんなんじゃないんだからねっと言いながら出て行ってしまった。

 分かりやすいなーこの人、耳たぶまで真っ赤だわ。

 結局、言葉を濁して逃げちゃった。


 ヒュッケは夜はベッドで一緒にいるけど昼間は棺桶で寝ている。

 最近、特殊な日傘をさして散歩に行きだした。

 理由は夜行性を改善して皆と一緒に寝たいらしい。

 はぶられるのが嫌なのね、気持ちはわかる。

 しかし、彼女の存在は不思議だし経歴も全部わからない。

 そもそも、20年以上前は確実だけど本当はどれくらいなのかも検討がつかない。

 わかるのはシロの血とマナの味に蕩けてるくらいだろうか。

 私自身は彼女は嫌いではない。


 エクレールは今買い物に出かけている。

 全員の食事、洗濯等家事全般を彼女一人でこなしている。

 万能メイドになったもんだなぁと関心する。

 おかわりとかその他もろもろは、私はシロエールお嬢様の専属メイドです故と断ってくる。

 あの子はきっとシロ以外の給仕をしたくないんだろうなぁという感じがひしひし伝わってくる。

 特にヒュッケの扱いがかなり雑だ。

 時折わざと日光を当てるなどしていてシロに色目を使うものに容赦がない。

 私は何もされないしメイド公認でシロといちゃしはしてもいいんだろう。

 最近は、庭先とかに良く猫避けグッツを設置したりする、猫嫌いにもほどがある。


 シロがうっすら眼を開けながらまだ半分眠っている。

 ぽやーっとしていて頬を擽るとくすぐったいのか嫌がる。

 

「おはよう?」

「んぅ…」


 よほどぼっちと言われたのが堪えたのだろうか?

 最近、積極的に声をかけようとしたり人助けをしだしている。

 で、助けた子がヒロインに…これって幼馴染敗北フラグじゃない?


「シーロー大分寝すぎてるんだから起きないとダメだよ」

「やー……です」


 毎回こんな風に反動がきてたら色々問題がでそうだし、人前に慣れさせないとダメかもなぁ。

 下手すると引き篭もりになってしまいそうだし。

 心を鬼にして私はシロのほっぺをむにーっとひっぱる、やわらかい。

 ふにふにとつまむ、程よい弾力がかえってきてこれはこれで良いものだ。


「いひゃいのです」

「ほーら、おきなさい」


 むすーっとした顔でふらふらと上体を起こす。

 起きたには起きたけど私に抱きついてぎゅーっとしてくる。

 少し悪戯しちゃおう。

 シロの耳をはむっと咥えるとぴくんっと反応した。

 目線があう、何かを訴えるかのようにご不満な目をしている。

 シロが悪いのよー?ちゃんと起きないから。

 かぷっと甘噛みして背中をつつーっとなぞるとシロから ふぁっ と甘い声が出てきた。

 ゾクゾクっとくる感覚が沸いてくる。

 シロの耳を全部咥えて舌を使って丹念に舐めてみる。

 甘い声が出しながら弱々しくシロが手でぽんぽん叩いて訴えてきた。

 ちょっと度が過ぎたかなと思い私はゆっくり解放してあげた。


「何でアカネは事ある毎に耳をなめてくるんですか?」

「だってシロが可愛いからよ~」


 今ので目が覚めたのか膨れっ面のシロは起き上がるけどたぶん怒ってるわけじゃない。

 シロは本気で怒ったら容赦がない。

 私は知ってる、シロはどちらかというとサドなのだ、シロのお母さんがドエスだし間違いない。

 それでも過眠し過ぎていたせいでふらふら歩きながら洗面台へと向かう。

 私も付いていき、シロが顔を洗ってる最中にある事を聞いてみた。


「シロはさー」

「んー?」

「私がヒュッケみたいな濃厚キスしてみたいって言ったらどうする?」


 特に驚いたような反応はせずタオルで顔を拭き少し流し目気味にこちらをみてきた。

 ちょっとドキドキする。


「ヒュッケさんのは生気の為なのですが、アカネは何故したいので?」

「そうじゃなくてね、ほら、私がしたことない事シロにされるともやっとするような感じ」


 シロは気に入った相手にはかなり寛大なほうだ。

 ヒュッケの件も理由があるのと家に連れてくるくらいだから波長があったんだろう。

 これで理由もないのに嫌ですよといわれたらまぁ仕方ないけどね。


「アカネがしたいのでしたら別に構わないのですよ?」

「ふぁ!?」


 不思議そうな顔をしてシロはあっさりとOKしてきた。

 何というか、恥じらいがあったほうがいいよ?

 逆に堂々とされると、こう、こっちの方が照れる。

 シロがこっちに寄ってきて壁ドンしてきた。


「どうしたのです?アカネから言ってきておいて顔が真っ赤ですよ」

「あ、いや、あっさりOKもらえるとは思って無かったから」


 あ、やばい、シロのスイッチが入っている。

 多分、さっきの耳の件で仕返ししようとしているのだろう。

 私の頬に手を添えてゆっくり顔を近づけてくる。

 心の準備が整ってないしドキドキする、ソフトなのはシロ相手にした事はある。

 前世も含めてもディープキスなんてものはした事がない。

 今私すっごい真っ赤でヘタレな感じだと思う。

 つい目を瞑ってしまうと、おでこに柔らかい感触がきた。

 シロがおでこにキスをしてきたのだ。

 私が目をパチクリしていると、引っかかりましたねといった感じでふふりと笑っていた。

 ちょっと敗北感。


 朝の残りのサンドイッチをほお張りながら紅茶を啜る。

 シロはまだ食欲がわかないのか机に突っ伏してる。


「ところでさぁ」

「何でしょう?」


 今誰もいないしそろそろ聞いてもいいよね?

 シロはこの世界にしかないものを知っている節がある。

 昨日の大会で見せたあの銃もそうだ。


「何でレバーアクションライフル何てもってるの?」

「レバーアクション?」

「昨日見せた銃、この世界にはまだ存在しない構造のはずだけど?」


 シロも眉を顰め昔と変わらぬ分かりやすい視線の逸らし方をした。

 私の言葉の意味を彼女は理解している。

 昔、使っていた言葉を口にだす。

 もう使わないと思っていたこの言葉を、日本語で私はシロに語りかけた。


「アナタハ、コノコトバヲワカル?」


 シロは首を傾げたり否定したりはしない。

 少しだけ上の空になりながら考え事をしているかのようだった。


「ワタシハ、そのコトバニカンシテノチシキハアルノデス」


 たどたどしく、まるで通訳された声を真似するかのような日本語で喋ってきた。

 私と同じ転生者なのだろうか?日本人ではなく外国人とかの。


「アカネは、ガーランドの故郷と同じ言葉を喋るのですね」

「ガーランド?」


 予想外な言葉が出てきた。

 ガーランドというとこの国の伝説の人物だけど、多分その人で合ってる筈。

 つまり、ガーランドは私と同じ転生者ってことになるのか?

 サッカーとか、ああいった競技があったんだ。

 私と同じような転生者が広めたって何で思わなかったんだろう。


「『知識』が教えてくれます、今の言葉は昔ガーランドが住んでいた日本という国の言葉だって」

「ガーランドも私と同じ転生者って事なの?『知識』って何?」


 てっきりシロが同じ境遇の人間化と思ったら予想の斜め上を行く展開になった。

 アカネなら、という感じで頭の『知識』の事を教えてくれる。

 シロが色々できるのも英雄の『知識』を使えるからなのだと。

 そして、鍵魔法というのが果てしなくチートな物体だということを理解した。

 私も自分が転生した人間だという事を聞かせた。

 ガーランドの『記憶』はないから転生者というものを知らなかったらしい。

 やはり眼を輝かせるかのように私の話を聞き入ってくれる。


「つまり、鍵魔法っていうのは基本動作さえやれば何でもできるってこと?」

「私のマナの許容内なら…」


 私は幾つかのネタを考え、使えそうなのだけピックアップする。

 ガーランドは数千年前の人だ。なのに私の知ってる記憶で2年位前の作品を知っていた。

 この世界と昔の世界の時間軸は凄い差なのか、そもそも時間は関係無いのかもしれない。


「アカネ」

「どうしたのシロ?」

「皆には内緒ですよ?」

「勿論、私のも内緒よ?」


 まだ分からない事だらけだけど、シロは『私にだけ』大事な秘密を教えてくれる。

 両親にも他の皆にも教えたことのない大事な秘密。

 そして、私も『シロエールにだけ』にずっと隠してた大事な秘密を教えた。

 私にとってシロは最も大事な子なんだと改めて実感した。

 シロから小指を差し出してきた、昔教えた指きりげんまんを覚えていてくれたのだろう。


「指きりげんまん嘘付いたら責任とってください」

「ふぁ!?」

「ゆびきった」


 シロエールさん責任をとるってどういう意味かな?

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