第2章:共有される肉体、沈黙の城
南仏の城で行われていたのは、映画の撮影ではなく、一人の少女を「供物」へと作り変えるための儀式でした。
結衣の体は、ジャン・クロード監督の執拗な「指導」によって、本人の意思とは無関係に反応するように作り替えられていきました。 「抵抗すればするほど、お前の価値は上がる。だが、体は正直だな」 監督の冷笑とともに、結衣の尊厳は一日ごとに削り取られていきます。
さらに追い打ちをかけたのは、事務所社長・黒鉄の裏切りでした。 彼はジャン・クロードに対し、結衣を単なる主役女優としてではなく、撮影に関わる「重要人物たちへの接待役」として提供することを黙認したのです。
「これも仕事だ、結衣。世界へ羽ばたくための、必要な通過儀礼だと思え」
その夜、結衣の寝室に現れたのは、監督だけではありませんでした。スポンサーの幹部、現地の有力者。彼らは代わる代わる結衣の白い肌を汚し、彼女を「グループでまわす」という地獄へと突き落としました。
「誰か……助けて……」
彼女の震える指先は、誰の救いも掴むことはできません。 唯一、彼女を心から心配していた若手マネージャーの真壁は、黒鉄によって現場から遠ざけられていました。彼は結衣の異変を感じ取り、城へ忍び込もうとしますが、黒鉄が雇った警備の男たちに打ちのめされ、無力なまま異国の地に置き去りにされます。
一方で、日本にいるライバル女優の美織は、この凄惨な状況を影で操っていました。 彼女は結衣の事務所内の協力者を使い、結衣が「自分から進んで海外の男たちに溺れている」という偽の噂と写真を、マスコミに流し始めたのです。
結衣の心は、激しすぎる快楽と絶望の往復運動に耐えられず、少しずつ壊れていきました。 最初は嫌悪しかなかった男たちの指先。しかし、幾度となく繰り返される「開拓」によって、彼女の脳内には異常な物質が溢れ出します。
ある朝、結衣は鏡の中の自分を見つめました。 そこには、かつての清純な少女の面影はなく、虚ろな瞳でただ次の「刺激」を待っている、一人の「奴隷」が立っていました。
廊下を歩く彼女の足元からは、抗いようのない愛液が滴り、石床を濡らしていきます。 それを見た男たちが、卑俗な笑い声を上げる中、結衣は自分の中で何かが決定的に「破綻」したことを悟りました。
しかし、その破綻こそが、後に彼女を「エクスタシー」の極致へと導く、唯一の光となることを、今の彼女はまだ知りませんでした。
第2章 登場人物の動き
結衣:精神が解離し始め、肉体的な刺激に依存せざるを得ない状態へ。
ジャン・クロード:結衣を芸術的・性的な実験台として完成させようとする。
美織:ネットと週刊誌を使い、結衣の社会的抹殺を完遂しようとする。
真壁:結衣への愛を抱えながらも、権力の前に沈黙を強いられる




