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[57話]ある暗殺者の過去の記憶

******


 私が目を開けるとアルギアは苦しんでいるような顔をしていた。私の体の中を見てみると、一つの魂が強く赤く輝いていた。オルターの魂は無事に私が取り戻すことができたようだった。


「返セ……返セ……俺ノ魂……」


 アルギアは自分の魂が奪われていることに気づいたのか私に襲いかかってきた。けれど相手の攻撃はだんだん遅くなっていて、私が最大強化をしていれば攻撃を喰らわなくなった。


「お前の攻撃は……もう私には効かない!さっさと戦った魂を返して!」


 私はルヴァンシュとセイバーを構えながら攻撃を唱えた。


「吹き荒れろ……憎しみを食べろ……大気呪龍(スカイカースドラゴン)……」


 私はルヴァンシュの呪いの力とセイバーの風の力を使って大気呪龍を呼ぶ。


 すると虚空からいつもと違う龍が姿を現した。その瞬間とんでもない風圧が私を襲う。それはこの龍の圧倒的な攻撃力の証明でもあった。私はその龍と一緒に攻撃を仕掛けた。連続で攻撃を仕掛けているとアルギアの声ではない低く、私が憎しむべき相手の声が聞こえてきた。


「……助けてくれ……俺は……まだ死ねない……生きるの……を諦め……ない」


 暗殺者の声が聞こえてきた。私はフェンの命を奪った暗殺者のことを許したくはなかったがフェンの魂を取り戻すには暗殺者の魂も取り戻さなければならない。私は自分にそう言い聞かせアルギアへ斬りかかった.2、3回攻撃を繰り返していると何回目かわからない光が私の視界を真っ白に染め上げた。


******


「ここは……」


 私が辺りを見渡すと、大きな建物の間にある小さな路地裏だった。私が路地裏から外へ出てみると、そこには大きな市場が開かれていた。八百屋や果物屋、雑貨や新聞、宝石など色々なものが売られていた。


「すみません……ここってどこなんでしょうか……今日ここに来たばっかの観光客なので何もわからなくて……」


 私は何も知らない観光客のていで一番近い果物屋の店主に近づきここがどこか聞いた。


「この街の名前はカナルディア!色々なものが売り買いされている今一番活気がある街だよ!」


 私はその言葉を聞いて驚いたいくら過去とはいえ、カナルディアは水の都だったはず、けれどなんでこの街は水の都のように水路もなければ噴水もなかった。私は記憶を探っていると一つの記憶に辿り着いた。今から60年前のカナルディアとそっくりだった。そうすれば暗殺者の年齢は60を超えているわけで……私は何も考えないことにした。


「ありがとうございます!えぇと……このりんごひとつください!」


 私は情報を言ってくれたお礼に銅貨2枚払ってりんごを買った。そのりんごは水々しく、とても甘かった。


「それにしても……暗殺者はどこにいるんだろう……」


 私が辺りを歩いていても暗殺者のような人はどこにもいない。いつもはすぐそばに飛ばされるのだが、今回はそういうわけではなく誰もいなかったはず……私はそう思いながら一度私が飛ばされた場所へと戻った。


「え……ここって反対側にも繋がっていたんだ……どこに繋がってるんだろう……」


 私は元いた場所に戻ってみると私が出てきた向きとは逆の方向に道がひらけていた。私はそっちの方も見てみるために反対側へ向かった。


「え……ここって……」


 私は驚いた。まさかあれほど栄えている市場の真後ろに()()()があるなんて、周りには親がいない子供や赤子を守っている母親などの多くの人がいた。


「どうか……どうか……お布施を……」


 私が通るたびに周りの人たちは私にお金をもらいに来た。私は相手をしているのも面倒なので銀貨1人1枚渡して辺りを歩いていると2人の少年が目に入った。


「寒いよ……寒いよ兄さん……」


「大丈夫……大丈夫。俺がなんとかしてやるから」


 声を聞くとすぐにわかった。弟の方は暗殺者の声をしていた。けれど今の暗殺者の雰囲気はなく気の弱い子供といったふうな印象だった。なぜスラム街のこれほど弱々しい子が暗殺者になろうとしたのだろうか……私はなぜそのような結末を辿ったのか私にはわからなかった。


「どうしたの……?お母さんやお父さんは……?」


 私はとりあえず幼少期の暗殺者に接触するために声をかけた。最初は2人とも怯えていた。そりゃそうだ刀を2本刺した少女なんか恐怖にしかならないだろう。けれど兄の方が勇気を出して私に話してくれた。


「父さんや母さんはいない。俺らが子供の頃に戦争で巻き込まれて死んだ。生き残ったのは俺と弟の2人だけ、あんたらみたいに幸せに生きることを奪われたんだ」


 そう言って私の目の前から逃げ出してしまった。どうやら本当に嫌われているようだった。私はとりあえず今日のところはこれだけ言っても聞いてくれないのら仕方がないと思い、一度宿屋を取るために2人の元を離れた。


 私は2人が心を開くまで2人の元を訪れ続けた。けれど2人は心を開いてはくれなかった。1週間ぐらい経ったある日、王都の偉い人がこの街、カナルディアを訪れるようだった。


 私がいつも通り2人のところへ向かっていると、いつもいる場所に2人の影はなく、市場の方から大きな声がした。


「お前が!お前が盗んだんだろ!さっさと出しやがれこのクソガキ!」


「違う……!違う……俺じゃない!俺は犯人を見た!俺が盗むわけがない!」


「黙れ!スラムのガキが!お前が盗んだんだろ!どこへ隠したか言え!」


 スラム街まで響き渡るような声が聞こえてきた。私は何があったのかと思いその場所へ向かってみると、暗殺者の兄が王都の騎士に捕まっていた。話を聞いている限り、暗殺者の兄が王都の偉い人のものを盗んだ容疑がかけられているようだった。けれどその証拠となる盗まれたものは見つからず、今兄が連れ去られようとしていた。


 私が助けようとしたが、兄は檻の中に入れられてしまいそのまま留置所へと送られてしまった。私はすぐに近くで座って、泣いている暗殺者の元へと駆け寄った。


「どうしたの……?何があったの?」


「お兄ちゃんが……お兄ちゃんが……ありもしない罪を着せられた!僕は見ていたのに……何もできたなかった。なぜ……悪い人は捕まらないの……殺してやる……殺してやる……兄を貶めた奴は全員殺してやる」


 私は暗殺者がなぜ暗殺を始めたのわかった。兄は王族のものを盗んだ。この世界では法律で王族に対して犯罪を犯したのものは死刑と決められている。だからもし兄の無実を証明できなければ兄は死んでしまうだろう。けれど……この過去には私がいる。私はどうにかして兄の無実を証明するために暗殺者に協力を仰いだ。


「君は……もし私が手を貸してちゃんとした犯人を見つけられると言ったらどうする?」


 私はそう言って暗殺者に手を差し伸べた。暗殺者は覚悟を決めた目をし、私の手を取った。


「お前を信用してはいない……お前の正体も知らない……けれど俺の唯一の家族なんだ……兄を助けられるというのなら……俺はお前の手を借りたい」


「そうだったね……私は君に自己紹介をしていなかった。私の名前は……イシュディア。神の使いにして調停者の1人『制定者』だよ。私が君を助けるのはこの世の悪を正すのが私の役目だから」


 私はそう言って翼を広げた。私はこの大人数の人の中から犯人を見つけるために空中から探そうと思い空を飛ぶ準備をした。もちろん私の力だけでは無理なので、暗殺者を抱えた。


「な……何すんだよ……降ろせ!」


「空から犯人を探すの。だから犯人を覚えている君の力が必要なの!」


 私がそう言うと暗殺者は暴れるのをやめて私に従ってくれた。辺りを探し回ってみるとすぐに犯人は見つかった。相手は路地裏に入り王族の紋章のようなものを体から取り出した。私はそれを見た瞬間急降下した。


「お前ら……それはなんだ……?もしかして王族の紋章じゃないだろうな……」


 私は少し強めの口調で言った。暗殺者は盗んだ人の顔を見ながら言った。


「お前……それを返せ!俺の兄を助けるんだ!」


 相手はそれにキレたのか暗殺者に殴りかかってきた。私はそれを許すはずもなく、手刀で相手の首を叩き気絶させた。相手を運ぶために縛り上げているとあたりから声が聞こえた。


「今から王族の物を盗んだ犯罪者が処刑される!見たいやつは広場まで集まれ!」


 私はそれを聞いた瞬間暗殺者と盗人を抱え、広場へと向かった。


***


「今から処刑を行う!罪状は王族の紋章を盗んだ罪!この世界では王族の物を盗んだ人は死刑となっている。処刑を今から始める!」


 剣が暗殺者の首に振り下ろされる前に私は大声をあげた。


「やめろ!その少年は犯罪者じゃない!私は犯人を捕まえた。犯人はこの男だ。証拠もある!これはお前らが探していた物じゃないのか?」


 私はそう言って処刑をしようとしていた騎士にむかって王族の紋章を見せた。相手は慌てて暗殺者の兄を縛っていた、縄を解いてくれた。


「帰ろう……お兄ちゃん……」


 暗殺者とその兄はスラム街へと帰っていた。私はその2人をちゃんと元いた場所へ送った。


「ありがとう……お姉ちゃん!」


 私がその言葉を聞いた瞬間辺りが白い光で包まれた———

NOCHESです。14日の日曜日に完結できればなと思っています。応援よろしくお願いします!

次回も頑張って投稿するのでよろしければブックマーク登録、感想、評価お願いします。それでは、次の作品へ行ってらしゃい

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