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[54話]魂が集まる場所

***


 私は強さを求めるがあまりに、自分を滅ぼしてしまったオルターに向け敬礼を送った。私も強さを求め、怨霊になった身、もしかしたらオルターのようになるかもしれなかったのだ。


「イシュディア……ありがとうね。フェンの仇は取ることができた。私たちはもう気が済んだから私と炎織じゃなくて、ルヴァンシュとセイバーを使ってあげて」


 氷織はそう言ってルヴァンシュとセイバーと場所を変えた。場所を変えた以降氷織と炎織は一度眠りについたのか、声をかけても起きなかった。


「ルヴァンシュ……ここから先はきっと、本当に死ぬかもしれないそんな戦いをするの。だからもしかしたら私が命を落とすかもしれない。その時は無謀な奴がいたって笑って欲しいな……」


 私は今になって最終決戦ヘ行こうとすると死ぬかもしれない恐怖が押し寄せてきた。けれどルヴァンシュは私の心配を吹き飛ばすようなことを言ってくれた。


「心配しないでいいよ。もし君が諦めても僕は諦めない。それが……君と交わした約束だからね」


 ルヴァンシュは自分で鞘から出て私のての中に収まった。その重みが私には希望を与えてくれた。1人でも励ましてくれる人がいることが今何よりの喜びだと思った。


「主人!私もいます。オルターとの戦いで見せた通り私にも色々できます。だから……そんな気負わないでください!主人はこの世界で最強なんです。誰と戦おうたって絶対に負けません!」


 セイバーも私に励ましの言葉をくれた。2人の言葉を聞くと足についていた重りのようなものが外れたような気がした。


「ありがとう。2人のおかげで元気が出たよ。そうだね私は諦めるわけにいはいかない。家族を……フェンを奪われたことの恨みが晴れるまでは私は戦い続ける」


***


 私は王城へ向かう途中に私が怨霊にした王都の住人が私のことを待っていた。


「ようこそ、おいでなさりました。我が王よ……王城の王の間へのルートはもう敵はいません。あとは王様1人だけです」


「ありがとう……みんなは、家に帰るかそれか……私の戦いを最後まで見届けてくれたらいいよ」


「我が王のご武運を祈っております!人の王と怨霊の王との戦い……最後まで頑張ってください!」


 私は我が王と言ってくれる人たちに手を振りながら私は憎むべき王がいる王の間の扉を開けた。


***


 キィィィと言って開いた扉の奥には1人ものすごい覇気を出している王様が1人玉座に座っていた。重々しく王様が口を開いた。


「全ての調停者を倒し、我が国民を全て怨霊に変えたたった1人の実行犯がたった1人の狐を被った少女とはな……我が軍も弱くなったものだ。」


 そう言って王様は玉座から立ち上がり、私の方へ向かってきた。私はすぐに襲われても平気なようにルヴァンシュとセイバーを抜き、戦闘体制をとった。


「お主は何をしに来た……?これ程の大事を起こしておきながら迷惑をかけるためだったとは言うまい。」


 王様はそう言いながら顎髭を触りながら私にこのような行動を起こした理由を聞いてきた。私はその一言で怒りの爆弾に火がついた。


「何をしに来ただと……?私は……お前らが勝手に平和を保つために結成した魔王軍とやらに家族を殺された。ただただ平和に暮らしていたところにお前らが襲ってきた。私はその生き残りだ!お前らのことを地獄に落とすためにここへやってきた。」


 私はルヴァンシュを王様に向けながら半分以上発狂のように叫んだ。相手に聞こえているかどうかは別として、私は思っていることを言い放った。


「ほう……こんな小娘1人が私を地獄に送るだと……笑わせてくれるものよ。お前からは怨霊の気配がする。それも過去100年以内に出た全ての怨霊より強い気配がな……このまま殺してしまうのも……面白みがない。」


「これは戦いなんだぞ!なんだ面白みがないとは!お前が楽しめると思っているのか……!?」


 私は復讐に来ている私に向かって面白味がないと言い放った。私はもう自分の感情を抑えておくことができなかった。


「……お主は、この世界で死んだ魂はどこへ向かうと思う?」


「そんなの……死んだ人が抱えてそのままどこかへ行くに決まってる。死んだ魂は今もどこかで笑って暮らせるような生き方をしてるに決まってる!」


 そう思わないと死んでしまったフェンのことを悔やんでも悔やみきれなくなってしまう。そう思っていると王様は口を開いた。


「いいや違うな。我が王家『アニマ』の代々継承してきた能力で死んだ魂は全て我が王家の中に保存されている」


 王様はそう言いいながら腕の中から一本の鍵を取り出した。そして何もない空間に鍵を刺す動作をしたかと思えば空間が割れその中から6つの入れ物が出てきた。その入れ物中には煌めきを放っているものが入っていた。


「この光っているのが魂……我が王家が守り続けてきたもの……お前は知らないようだな。王家に伝わる秘術のことを……王家は魂を操り自分の思いのままに操ることができる。」


 私はハッとしたもし今まで殺してきた強者が復活させられると太刀打ちが取れなくなるかもしれない。けれど王様は私にとって一番聞きたくない言葉を発した。


「ここにあるの6つの魂は『調停者』の魂だ……ルアタイル・ルカディア……ライトルト・オルター……暗殺者……オリヴァー・アステロイド……スカーレット・ナイトローズ……そして"フェン・サテラナイト"」


「やめろ……!そんなことをしないで……!」


「我が王家の秘術には代償がある。それは変形させる魂以外で操る一体につき1万人の魂が必要なことだ……しかし今の魂は10万個以上ある……それを使って生み出すのは一体だけ……」


「やめて……もうやめて……お願い……」


 私の悲痛な叫び声も通るはずなく王様は儀式を始めてしまった。それはつまりフェンの魂が弄ばれるということ……けれど私は立ち上がることすらできず、ただただ見ているだけだった。


「——深淵の彼方に在る、虚無を統べし黒冠の名よ。


六つの輝魂よ、鍵となれ。

六万の共鳴せし魂よ、柱となりて道を織れ。


境界の門よ、今ひらかれよ。

時を断ち、理を越え、深淵の名が世界に触れる刻。


我らは誓う。

力の代価と循環を正しく捧げ、

均衡を乱さず、焦がれず、奢らず。


現界せよ——

《アビス・アルギア》」


 そう言い終わると6つの魂はさっきとは違う割れた時空へ向かったかと思うとその時空の中からとてつもない圧を放つ生物が魂を全て食べ、私の目の前に立ちはだかった。


「アルギアよ……そこにいる人間が遊んで欲しいようだ……少し遊んでやってくれ……頼んだぞ。」


 王様はそれだけを言い放つと玉座の向こうに言ってしまった。私は追いかけようとしたが、それをアルギアが妨害してきた。


「返して……返してよ……大事な大事な人の魂を……!」


 私はそう言いながらアビス・アルギアへ斬りかかった。

友を取り返すためそして、6万の魂を救うために———

NOCHESです。

次回も頑張って投稿するのでよろしければブックマーク登録、感想、評価お願いします。それでは、次の作品へ行ってらしゃい

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