[39話]新たな『裁定者』と『断罪者』
最終戦の合図と同時に私とフェンは力をぶつけ合った。空気を裂く技も龍の衝突も拮抗し、互いに後へ引かない。やがて決着をつけるため、私は風と憎しみの力を束ねた必殺を放ち、フェンも氷と炎の刃で応えた。光と音が弾け、視界が白く染まる。どちらが勝利したのか———
***
私とフェンは互いに詠唱をして最大火力でぶつかり合った。周りから見れば人が急に光のような速度でぶつかっただけに見えただろう。
ただ、私とフェンだけは互いに相手の姿を視認して互いの攻撃をぶつけた。その結果は———
「風を巻き起こせ、セイバー…」
竜巻を起こすとそこにはフェンが立っていたが、数秒もするとその場所に倒れ込んだ。互いに攻撃を喰らったように見えたかも知れなかったが、相手の攻撃を憎しみを1箇所に集めて相手の攻撃を全て防ぎ切った。
フェンはその攻撃を防ぐことができなかったようだった。フェンは氷織と炎織を地面に突き刺しながら立ち上がって私に向かって「降参するぜ…俺に戦う体力はもう残ってねえよ…」と言った。
その数秒後観客席からは大きな歓声が上がった。ただ歓声だけでなく、フェンの戦いを讃えた声も多かった。私が観客に向かって手を振っていると、解説の興奮した声が聞こえた。
「試合…終了です…!今回の闘技場大会で優勝したのは…2本の刀を使い、狐の仮面を被った大会唯一の女性…イシュディア選手です…!みなさん、大きな拍手を!それでは、閉会式並びに表彰式を今から30分後に始めます。みなさんはそれまでお待ちください。」
全ての戦いが終わった後、私とフェンは東ゲートをくぐり、私たちが泊まっていた部屋ではなく、応接室のような場所へ連れて行かれ、そこには厳格な格好をした少し気圧されそうな御仁が座っていた。
「2人とも、そこに座ってくれ…まずは、フェン選手…大会準優勝おめでとう。君のこの大会の内容で、若い人が勇気をもらったことだろう。それと、イシュディア選手…大会優勝おめでとう。女性の優勝ということで、女性に対する考えが改まるだろう。そして、2人とも調停者就任おめでとう。」
相手は私たちが話そうとしていることを気にせずどんどん話をしてきて、私たちのことを祝ってくれた。けれど私たちはこの人のことを見たこともないし、出会ったこともなかったので誰なのかわからなかった。
「あの…祝ってくれたところ申し訳ないのですが…あなたのお名前と、ご職業はどういうことをしているのでしょうか?」
「ああ、これは失礼…話に夢中で私の紹介ができてませんでしたね。私の名前はハービンジャー・テライトです。この国の軍事を管轄している大臣ですよ。」
相手は驚くべき職業を言ってきた。軍事大臣ということは私たちがこれからお世話になるという人なのだ。けれど相手からはそれほど強いというオーラが伝わってこないし本当に騎士団のトップと言っていいのか私は疑問に思った。
「とんだ無礼を…すみません…まさか軍事大臣様とは思わず…」
「いいんですよ。それよりご相談なのですが、今から表彰式があるのは先ほどの放送で聞いたとは思いますが、調停者に就任した後は自分の役職を名乗らないといけなくてですね…その役職をお二人に聞いておきたいのですが…こういう名前の役職に就きたいという希望はありますか?前の役職はですね…『執行者』と『暗殺者』ですね。参考にしてもらえばなと思います。」
相手は唐突に難しい質問をしてきた。私たちの役職の名前を考えろというのは、私は今までこう言ったことを考えたことはなく、昔の名前を名乗らずイシュディアという名前を名乗っているのは昔の言葉にイシュディアは復讐という意味が込められていたからだ。私が頭を捻っているとフェンが口を開いた。
「俺は…『断罪者』という役職でこの王都の罪人を裁きますよ。俺が嫌いなのは罪を犯した人なので、俺はこの役職を名乗らせていただきます。」
そう言ってフェンは新しい役職『断罪者』を名乗ることとなった。私はフェンの話を聞いて一つの役職を思いついた。
「私は…私の役職は…『裁定者』を希望します。全てにおいて自分で正しいと思ったことを信じ、民衆に手を貸せるような人格者を目指しますよ。」
「『断罪者』に『裁定者』ですか。なかなかに強そうな名前ですね。いいでしょう仕事の内容などは、後ほど決めるとして、今から表彰式ですので、闘技場へいきましょうか。」
私たちは席を立ち上がり、表彰式へ向かった。
***
「それでは、今から表彰式を始めます。ハービンジャー・テライト様から表彰状の授与です。」
「イシュディア様。あなたはこの闘技場大会において優勝という大変良い結果を残したのでこれを称します。第13回闘技場大会ハービンジャー・テライトより。優勝おめでとう。」
私が「ありがとうございます」と言って表彰状をもらうと歓声がまた湧き上がった。私は表彰状を観客へ向けながら手を振った。
「フェン様。あなたはこの闘技場大会において準優勝という良い結果を残したのでこれを称します。第13回闘技場大会ハービンジャー・テライトより。準優勝おめでとう。」
フェンは少し悔しそうにしながら表彰状を受け取った。私たちが表彰状を受け取った後テライトさんからの言葉があった。
「えーこんにちは。ハービンジャー・テライトです。今回の闘技場大会では16人というとても多い人数の中から2人調停者を募らせてもらいました。その調停者の任命式を行いたいと思います。それでは両者前へ立ってもらい武器を掲げて役職名と自分の名前を宣誓してもらいますそれではフェン選手からお願いします。」
「俺…いやフェンは…『断罪者』としてこの街の治安を守り、罪人を裁きこの町の平和を維持することを神とこの私の2本の武器に誓います!」
「私、イシュディアはこの街の『裁定者』としてこの王都の戦いを仲裁し判決を下し、平等で公正な街を保つことを神と私の2本の刀に誓います!」
私とフェンは声をあげて神と武器に誓った。
「今日ここに新しい二名の調停者が誕生しました!みなさんこの2人の活躍を願って大きな拍手を!」
ハービンジャーがそういうと私たちはまた歓声と拍手に包まれた。
けれどこれは復讐の序章に過ぎない。私たちは王都へ復讐を済ませるで死にはしない———
NOCHESです。こういった畏まった時の書き方がよくわかりません、誰か感想部分とかで教えてください。
次回も頑張って投稿するのでよろしければブックマーク登録、感想、評価お願いします。それでは、次の作品へ行ってらしゃい




