[37話] 最後まで誰が勝つかはわからない
炎と氷がぶつかり合い、天地を揺らす激戦の中、フェンは必死に氷壁を張り巡らせた。しかし炎の龍はそれを容易く喰らい尽くし、辺り一面を紅蓮に染め上げた。熱風が肌を焼き、呼吸すら奪われていく。もはや逃げ場はない——フェンは静かに目を閉じ、そこでフェンは“死”を覚悟した。
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俺は目の前に炎の龍が迫った瞬間、自分の死を覚悟した———
「フェン選手…!自分のフィールドを消されてなす術ないところに、ヴォルガ選手は…炎の龍を放ちました!これはフェン選手…負けてしまうのか…?」
俺が、後少しで炎の龍に触れる直前に、イシュディアの叫び声が聞こえた…「逃げて!」そう聞こえたが、もう遅い…俺は死を覚悟して引き延ばされた時間の中で色々なことを考えた。
「あなたは…死なないって言ったでしょ…もう…私の目の前から人を消さないで……お願いだから…」
イシュディアの悲しみの声が聞こえてきた。けれど、もう遅いんだ…もう助かりそうにない…俺はそう思いながら、目の前の龍に体を差し出した。
「フェン選手が…炎の渦に飲み込まれてしまいました…フェン選手は戦闘不能で…ヴォルガ選手の勝利…となります!」
実況がそう言った、けれど俺は炎の渦の中で何故か死なずに生きていた。自分の体を見ていると、自分の羽織が炎のように燃えていた。俺は、過去の会話を思い出して、自分が羽織っている羽織の能力を思い出した。『俺の隊服の能力は、自分の身体能力を1.1倍してくれる能力と…羽織の方は、一度だけ死を肩代わりしてくるみたいだ…まあ、使うことはないと思うがな…』俺は、自分が羽織っている服の能力で生き残っていることに気づいた。けれど、一度死を超えただけで、ヴォルガに勝てる気はしていない…だから俺は…もう一本の刀に名付けをすることにした。
「我は命ずる…汝の名前は…炎織…汝の新しい名は炎織…我を炎から守り…炎で敵を包め…」
俺はそう命じた後、俺の周りを纏っている炎の龍を、氷織と、炎織を使って吹き飛ばした。
「戦いは…まだ終わってないぜ…こいよヴォルガ…第二ラウンドと行こうじゃないか…」
俺は2本の刀をヴォルガに向けていうと、相手も笑ったような顔をしながら、自分の前に剣を構えた。
***
「まさか、まさかの展開がありました…!フェン選手があの攻撃を生き残り、また私たちの目の前にその姿を見せてくれました…あの攻撃をどうやって逃れたのでしょうか…?」
解説は興奮しながら、今起きた現象がどう言ったものなのか気になるようで、興奮しながら考察を続けていた。
イシュディアは東ゲート付近で、座り込んでしまっていた。俺が生き残っていたことがそれほど嬉しかったらしい。セイバーとルヴァンシュが2人でイシュディアを励ましていた。
俺が、周りをみている隙に相手が俺に体重をかけながら攻撃をしてきた。けれど俺は刀を体の前にクロスさせながら相手の攻撃を受け止めた。
「何か変な感じがしたんだよ…まさか、あの攻撃を耐えるとはね…だいぶ、本気を出して攻撃したんだけどね…」
互いに力が均衡しているとこに、驚いたようにヴォルガが話しかけてきた。まさか相手も仕留めたと思っていた相手が復活してくるとは思っているはずもなかった。
「いいや…一回死んだよ…防具の一回死を免れるという効果のおかげでね…お前の攻撃を避けて、名付けをする時間もあったんだから…あの攻撃をしてくれたのは助かったよ!」
俺は新しい刀の炎織の能力を使用して、相手へ炎の攻撃を繰り出した。
「なんだ…攻撃が効かなかったわけじゃなかったのか…じゃあ2発目を耐えることはできるのか?2発目行くぞ…!拡がれ!巻き上がれ…全てを焼き燃やせ…煉獄!」
相手はもう一度煉獄を放ってきた。俺はそれを見た瞬間氷織と炎織を擦り合わせながら、詠唱を始めた。
「相反する性質を持つ力よ…反発せよ…結合せよ…炎と氷を合わせ…新たな力を生み出せ…炎氷乱舞…」
俺は氷織に炎を纏わせ、炎織に氷を纏わせて、刀を振り、炎と氷を混ぜ合わせた、力で全ての攻撃を壊した。
「お前の煉獄は…もう効かねえよ…もし俺に勝つ術が無いなら降参することを薦めるぜ…これほど強いやつをここで屠るは惜しすぎるからな…」
俺は相手の強さを認めここで殺すのは無駄だし、もう一度戦いたいと思っていたため、ここで降参することを勧めた。
「ここで、負けるわけには…いけない…お前のことを…煉獄を超える技で倒す…!」
そう言って相手は諦めるそぶりを見せずに、完全に本気を出すための詠唱を始めた。
『———我が両腕に宿るは…紅蓮の魂…
左の刃は灼熱を纏い…右はの刃は焦土を開く…
交わる刃は天地を裂き…灰すら燃やし尽くす…
焔よ…怒りの竜となりて…全てを呑み尽くせ…!焔牙』
俺は相手の攻撃に俺の必殺技を合わせるために少し遅れて詠唱を始めた。
『神よ、我に今一度、この剣に力を与えたまえ…我に…力を…万物を切り裂け…氷焔』
俺とヴォルガの2人の詠唱がちょうど終わり、2人攻撃が交わった。その場所にはすごい熱風が吹き荒れ、闘技場の地面の砂は焼けてガラスになってしまった。
俺が、2本の刀を鞘に直すと、相手の剣はボロボロに崩れ落ちてしまった。
「俺の…負けだ…ここまで何も効かないとなると…もう俺に勝つ術は残っていない…」
そう言ってヴォルガは手を挙げて、降参のポーズをとった。
観客がそれを聞くと、1秒くらいの沈黙があった後、闘技場は歓声に包まれた。
「試合終了です!まさか、まさかのフェン選手がヴォルガ選手を打ち倒し、フェン選手が調停者へと就任されました!これで今日の試合は以上となります…!皆さま、新しい調停者となりました、フェン選手と惜しくも敗れてしまいましたヴォルガ選手に大きな拍手を!」
解説がそう言った後会場はもう一度拍手に包まれた。俺はヴォルガへ手を出し、互いに握手をして俺は東ゲートへヴォルガは西ゲートへ戻った。
***
私は東ゲートへ戻ってくるフェンのことを見ながら、泣きたくなるのを堪えて、3人でフェンのことを出迎えた。
「お疲れ様…!煉獄のところはヒヤヒヤしたけど…調停者就任おめでとう!」
私は、フェンの元へ行きフェンを撫でながらそういった。フェンはいつもと違い撫でられることを拒んだりしなかった。
「フェン。僕との約束を守ってくれてありがとうね。」
ルヴァンシュは私の知らないところでフェンと約束をしていたらしく。フェンは「まあな」と言いながら私の体の中へ倒れ込んで、寝てしまった。その寝顔はとても安心した顔をしており、
とても楽しい夢を見ているようだった———
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