[32話] 誰かの施し
東ゲートに戻ったイシュディアは、前戦の異常な相手ストワイの件でフェンやルヴァンシュと気持ちを整理する。夜、誰にも気づかれていないと思われていた刀・氷織とセイバーが意思を持って語り始め、それぞれの能力を明かす。翌朝、フェンは眠気を引きずりつつ試合へ向かい、氷使い同士――フェン対グレイの好カードがついに幕を開けようとしていた。
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「ほお、俺の相手はあんたか…氷を使うんだってな…氷を使うもの同士いい試合をしようぜ…」
俺は氷織を鞘から抜いて、相手のグレイに刀を向けながら言った。
「ほお…私の相手はあなたですか…氷を使うということで…いい勝負をしましょうね…すぐに負けないでくださいね?」
そう相手は俺の感情を揺さぶろうとしてきた。俺の弱点は相手の挑発にすぐ乗るということだっていうことに気づいたので、俺は内心イラつきながらも、相手に悟られないように立ち回った。
「じゃあ、試合を始めようか…見た感じ…あんたの獲物はないが…どうやって戦うんだ?まさかあんたの肉体で戦うわけじゃないだろ?」
辺りを見渡しても、どこにも武器になりそうなものは見つからなかった。だから俺は相手に尋ねると相手は服を脱ぐと…そこには何か、長い筒のようなものが隠されていた。グレイはそれを体のベルトから外すと、それをかちゃかちゃと言わせながら、調整みたいなものを始めた。
そうすると解説は準備が完了したことを確認した後、大声で話し始めた。
「両者準備ができたようなので…試合を始めたいと思います…!両者位置について…よーい、始め!」
そう解説が言った瞬間俺は氷織を地面に突き刺して、青薔薇のフィールドを少し、壁のように展開した。自分でもなぜそうしたのかわからなかったが…その1秒にも満たない時間のうちに大きな音がした後に…俺が建てた壁に穴が空き、相手の顔が見えた。
「おや…外しましたか…大抵の方は一撃で沈むのですが…あなたはそうではないようですね…」
相手はそう言いながら、筒のようなものについている小さい筒を回しながらそう言った。
「なんだ…!?あれは…威力が違いすぎる…氷の壁を撃ち抜くだと…やべえな…速度に全振りじゃねえとあの攻撃を避けられる気がしねえし…当たったら…大怪我はするだろうな…どうする?」
俺は相手の見たこともない未知の攻撃を目の前にして思考がまとまらずにいた。
「じゃあ、出てきてもらいましょうかね…」
グレイがそう言ったかと思うと相手は空に筒を向け、棒のようなものを引いた。そうすると一瞬だったが、筒の先端から丸い何かが出ていた。その玉が空についた方と思うと球が破裂してそれが空中で大きくなり、つらら上になり…俺の真上に雨のように降ってきた。
俺はその攻撃を刀で捌きながら、思考をまとまらせていた。
「なんだあの武器は…?ただわかることは…威力は多分槍の頃のルヴァンシュの突きより強く、筒の先端から球が出てきて、その球を出すためには棒のようなものを引かなければならない…」
ということがさっきの戦いで分かった。俺は体の身体能力強化をせずに…『目』の完全能力で強化をした。失敗したら失明の可能性もあったが、うまく行ったようで…周りに見えるものは全てゆっくりに見えるようになった。反応速度を極限まであげ、相手の攻撃を避けると言う作戦だ…相手の攻撃は速すぎるから、逃げられないならば…攻撃される前に攻撃できる範囲から逃れる…それしかないと思い俺は相手を殴るために遮蔽から出てきて、相手の方へ向かった。
「はぁ…バカですね…この『銃』相手に向かってくるなんて…自殺を希望しているんですかね…あなたの武器を破壊するのでそれで降参してください…」
そう言って相手は棒のようなものを引く動作をしたのを俺の目は捉えていた。それを見た瞬間相手が棒を引く0.1秒の間に俺は相手の見ている視線から抜け出し攻撃を避けた。
「え…?嘘だろ…このよに弾を避けるやつがいてたまるか!」
そう言いながら相手は4回棒を引いた。けれど、俺はそれの全ての攻撃を見て全ての攻撃を避けて相手の体の周辺へ行くと相手は、筒の中に入っている小さな筒を取り出して、取り替えをしていた。
俺はそれを見逃さず…相手の懐の中へ入り、今持てる最大強化を腕に施して、相手の武器銃というものを破壊することに成功した。相手は銃と呼ばれいた武器以外を持ってきていなかったらしいので銃というのを破壊するとすぐに降参をした。
「君は…パフォーマンスをわかっていないね…私の氷の攻撃を見せられなかったじゃないですか…負けは負けですが…これは闘技大会です…視聴者も楽しませる努力をしたらどうですか…?」
そう言って相手は西ゲートへと帰っていった。俺も誰もいなくなった場所から帰るために東ゲートへと向かった。そこにはルヴァンシュとイシュディアが待っていてくれた。
***
私は試合が終わった後にフェンを迎えるために東ゲートへ来ていた。
「お疲れ様、フェンの防御すごかったね…相手の武器の攻撃が届く前に壁を作ってしまうなんて…」
私が相手の攻撃を受けていたら、確実に私の左手は飛んでいたのは間違いないだろうと思った。けれど…いつものフェンの反応速度より確実に速い展開だった気がした…まるで、考えている人が2人いるみたいに…
「あれは凄かったな…俺がやったと思うんだが…やばい…死ぬ…と思った瞬間になんか壁が立っていたんだよな…」
誰が建てたんだ…そうフェンは呟きながら考え始めた。私は一つの仮説を立て、ルヴァンシュに話しかけた。
「えー、ルヴァンシュ…?私とフェンに隠し事をして、何か企んでない?今日起きたら、君とセイバーと氷織の位置が変わっていたんだよね…だからもしかしてなんだけど…君たち『話していた』?」
私がそういうとフェンが、ルヴァンシュに詰め寄った。
「何か隠してんだじゃないだろうな?もし隠していたら何か言えよ?こっちはルヴァンシュを炉にぶち込むことだって可能なんだぜ?」
フェンは脅す時の口調になりルヴァンシュを見つめた。ルヴァンシュは何かを諦めたかのように私たちに話し始めた。
「はあ、君たちは勘が鋭すぎるんだよね…はあ、多分もうバレてるよ…氷織…セイバー…」
そうルヴァンシュがいうと、周りから声がし始めた。
「はあ、ルヴァンシュ…もっといい感じに隠してよ〜せっかく私がうまいことフェンを守ったんだから…」
「その通りだぞ…ルヴァンシュ、氷織は主人を守ったのだ。何が悪い?むしろあなたが正体をバラしてどうする?」
そう言ってセイバーと氷織は話し始めた。どうやら、ルヴァンシュは私たちに重要なことを黙っていたらしい。
私とフェンはイラつきルヴァンシュを部屋へと持っていき、尋問する用意を始めたのだった———
NOCHESです。
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