[29話]調停者への道ー第一戦
怨霊討伐の旅を終え王都へ向かったイシュディアとフェンは、到着直後に殺人数検査で誤解され、一時的に牢へ収監される。だが実際は、王が失われた「調停者」の代わりを探すために開く闘技大会への参加者として確保されたのだった。イシュディアは騎士団入りの夢を叶える好機と捉え、必ず優勝すると心に誓い眠りにつく。
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私たちが牢屋に入れられた、2日後私たちは闘技場に招かれた。
「ここが今日からお前たちが住む場所だ。まあ、負けたらお前たちはここから出ていくことになるがな。せいぜい頑張って、所詮負けしないようにな。装備は…そのままで良さそうだな…お前らのどっちかが今日呼ばれると思うから、用意しておけよ。」
私たちは、作られて古そうな闘技場へ連れて行かれた。ここで私たちが本気を出したら、それこそこの闘技場が崩れ落ちそうだった。相手の強さもわからない以上、慎重に相手と戦わなければならない。私はこの2日間で緩み切った気合いを入れ直した。
「俺が先に来て欲しいな…さっさと今日は相手を叩き潰して眠りたい…ファァ」
フェンはどんな相手が来ても、勝つつもりらしい。フェンのような気持ちを持って挑む方が気持ち的にも落ち着くかもしれない。けれど私は不安と緊張が交錯して心拍数が上がり始めていた。
「落ち着いて…君が戦う可能性があるんだから…さっさと今日は終わらせてどんな強さなのか、相手の技量などを測って戦えば2対1なんだから絶対勝てるからね。そんな緊張しないでね。」
ルヴァンシュと私で2人分だから、ルール違反じゃないかと思うけど、私は深く考えないようにした。それにしても、私がずっと使い続けていた槍ではなく、刀を2本使う戦い方だから、上手く戦えるかそれだけが私の中で一番の不安だった。
「ルヴァンシュ、刀の主な戦い方を教えてくれてくれない?私じゃ理解できない記憶が多くて…」
私は前にフェンに言われたことに従い、戦略の幅を広げようとした。私ができることは、今は詠唱付きで相手を切り刻むだけしかできないから、それ以外の戦い方を私は知りたかった。
「刀はぶっちゃけると、そんな槍の時より派手な技はなくて、攻撃回数で相手を疲れさせて勝つという戦い方が多いね。居合だけで首を落とせるのは格下の相手だけだからね。」
私が記憶で見たことは間違いではなかったようで、やっぱり刀は力というより、技術で戦う武器のようだった。私は必殺技はないことを認識したところで、自分の記憶の技量を我が物とするために、記憶の底に沈んだ。
***
「時間だ…今日戦う人はイシュディアという女だ。せいぜい男に殺されないようにな。」
そう言って私の手錠に鎖をつけて闘技場の入り口まで連れて行かされた。そこには私のもう一本の刀が置いてあった。ついたところで手錠が外された。なんだか、重力が弱くなったんじゃないかというぐらい自分の体が軽かった。重りを地面に置くとズドンという音を立てて、音を立てて落ちた。どうやら私は重い重りを付けられていたようだ。だからこんなに背中から羽が生えたぐらい体が軽いようだった。
「じゃあ、行きますか…」
私はガタン、ガタンという音を立てて上がっていく入り口のゲートを潜った。
「気を落ち着かせて、深呼吸ね。絶対に勝てると自分に暗示をかけるんだ。そうすえば勝てると思うっよ。」
ルヴァンシュはもう活躍したいようで、1人でに鞘から抜け出して私の手に収まった。そう言われると私はなんだか、無敵になったようだった。
***
私たちがゲートを潜るとそこには、王都の人がたくさん集まっていた。やはり闘技場で行われる、戦いは市民にとっても、娯楽になるようで満席になるほど、人が集まっていた。私はすごいなと思いながら、辺りを見回していると、どこかのスピーカーから『テスト、テスト』という声が聞こえて来たかと思うと、全てのスピーカーから、声が聞こえ始めた。
「さあ、さあ、始まってまいりました。本日3戦目の戦いです。今回は初めての女性の参加です。ご紹介しましょう、東側のゲートから出てくるのは、2本の刀を使う姿はまるで舞姫、倒した怨霊の数は100体越え…仮面に顔は隠された、カナルディアの英雄…イシュディアだァ!」
実況の声と同時に私に大量の視線が向いてきたのがわかった。どうやら、この大きな声の中で私たちは相手と命を落とすかもしれない戦いをするとは到底思えなかった。
「対する、西側のゲートから出てくるのは…刀使いの天敵…モーニングスターを豪快に振り回す。相手の武器を破壊して、自分のペースに持っていくことはできるのか…鉄球を振り回す悪魔と言っていう存在…レオレイだァ。」
私より人気なのか歓声の量が確実に違う気がした。相手はモーニングスターを振り回す強敵だから私は、相手の間合いで戦い、空中戦を仕掛けることにした。
「勝った方が、次の試合へと駒を進めることができます。それでは両者とも準備ができたようなので、試合を始めましょう…用意…始め!」
私は始めという声が聞こえた瞬間に、相手の懐に急接近して近づいた。相手はモーニングスターを私の方向へ投げてきた。けれど、私は一度空を飛び、相手の攻撃を避けて、鉄球と鎖を断ち切ってやろうと思い、そこに切り掛かった、けれど結果は鎖部分がとても硬く、壊せない硬さをしていた。
「ルヴァンシュ、これ2本使ってパリィしていい?」
私は相手の攻撃の重さだと、私の全力の強化だと2本使えばパリィできるような気がして、片方の刀を抜いた。そして私は全力の身体能力強化を自分に施した。
「切り裂け、」
私はそう言って、刀を抜き相手のモーニングスターを斬ろうとした、パリィをすることは成功したが、パリィの後の攻撃に繋げることができなかった。
「イシュディア、君は気づいているかな?相手がモーニングスターの重さのせいで、あの場所から動けてないのを。これなら離れた場所で詠唱を始めて、一気にぶっ壊したらいいと思うよ。」
私相手をよく観察するとルヴァンシュのいう通り、相手は1歩も歩いていないことに気づいた。私は相手から距離を取り、詠唱を始めた。
刀よ…我の魂に根付く…憎しみ…呪いを…喰らい尽くせ…
結合せよ…反発せよ…我の力を扱い…我に力を与えよ…
神を…呪え…世界を…憎しめ…誓え…
「起きろ!」
私は速攻で相手の懐に入り、、相手モーニングスターの鎖ではなく、鉄球部分を本気で切り刻んだ。そうすると相手の武器が限界を迎えたのか、鎖も崩れ落ちた。
「降参する。俺の負けさ。まさか女に負けるとはな…」
私は相手を降参させて、次の試合へ駒を進めた。
NOCHESです。バナナヽ(´▽`)/
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