[28話] 囚われの怨霊
空を飛んで王都へ向かう最中、フェンが憎しみの力の制御に失敗して墜落しかけるがイシュディアが受け止める。降下後、道中の盗賊に襲われ、イシュディアから力を分けてもらったフェンが『雪華一閃』で一撃を放ち決着をつける。
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私たちは王都までの道のりを歩き始めた。フェンはさっき力を使い切った反動か歩くのが少し、しんどそうだったが、意地を張って歩いていた。
「大丈夫?フェン、無理しないほうがいいと思うけど…それでも歩くの?」
私はフェンの体調が気になって、少し休むように提案した。本当にこのまま行くと倒れてしまいそうだった。
「大丈夫だ。大袈裟に見えるてるかもしれないが、今体力は回復し始めたから、どうにか歩けるところまできた。さっさと王都についてベッドで寝るほうが体力が回復するだろ…」
フェンはそう言って歩くスピードを少しあげた。フェンはどうやら、さっさと王都について、ベッドの上で寝たいようだった。けれど、今日朝出る前に私の隣で寝たハズだと思うけど…なぜフェンは眠いのだろうか?
「フェンってさ…昨日寝た…?もしかして、寝てないとか…?本当に大丈夫…?」
私は本当はフェンは寝ていなくて、何かしていたんじゃないかと思いそう質問をした。そうすると案の定フェンは寝ていないと答えた。
「いや、寝ろとは言われていたが、それに従わなかっただけだ、起きていた理由はルヴァンシュに怨霊のことを色々聞くつもりだったからな…イシュディアお前感覚派で、論理的に教えてくれないだろ…ルヴァンシュに聞くしかないんだよ…」
そう言ってフェンは、眠そうな目を擦った。確かに、私は教える時は感覚で覚えろとか見て盗めとかよく言うが、そこまではっきり言われると、本当に教えるのに向いてないんだなと少し反省した。
「ごめんね。私も怨霊になって多分1ヶ月経ってるか、経ってないかぐらいだから、わかってないことも多くてね…それに考えるのが苦手だから、記憶もそんなに有効に使えないんだよね……」
私は、見れているのは1部の記憶だけで、全ての記憶を見たり、理解したりすることができずに大部分の情報を利用できずにいた。その面で見ても教えてもらうのはルヴァンシュの方が良さそうだった。
「イシュディアも、王都の宿に着いたらルヴァンシュに記憶のことについて教えてもらったらどうだ?俺も刀の使い方も記憶のほとんどを見て学んだものだから、イシュディアはもっと強くなれると思うぞ。」
そう言ってフェンはついて行く奴が弱くなったり、凹んでるのを見るのは嫌だと言って私に喝を入れてくれた。最近ずっと気持ちが上下してばっかだったから、フェンの言葉は少し嬉しかった。
***
「ここじゃ眠れないな…どうしようか…」
「なんでここに居ないといけないの…」
私たちは…王都に入った後………『牢屋』にいます…なんでこうなったかと言う経緯を説明すると…
『やっと、門が見えた。王都に着いた…意外と着地した地点が遠くて無駄に歩く羽目になった…』
私はフェンと街の外のすぐそこまでついて王都に入ろうとしている人の列に並んだ。
『さっさとここを抜けてベッドで眠りたいんだが…結構並んでるな…』
私たちの前にざっと30〜40人ぐらいが並んでいた。私たちの番が回って来るまで、1時間はかかりそうだった。私たちが1時間待って私たちの番が来た。そこまで順調に進んでいたが…次の検査で面倒なことになった。
門番と受付のお姉さんに身分証明書を渡した後、受付のお姉さんがカウンターの奥から水晶のようなものを取り出して、私たちに
『それでは、犯罪歴と殺人した人数を図りますね』と言ってきた。
私たちは、盗賊と怨霊を殺している身だったので、私が約120人フェンが約20人ぐらいと表示されたのだ。けれど、犯罪歴が0回と両方示されたため、一時的に牢屋(一時的な勾留所)に閉じ込められたのだった。私たちが、暴れないように力を10分の1にする手錠までかけて、私たちを本当に捕まえておきたいようだった。それで今の状況につながる。
「出してください!私たち本当に何もやってません!殺人数は怨霊と盗賊の数です。犯罪歴見たでしょ!0回だったじゃないですか!」
私は捕まえられている理由がわからず、私たちのことを見張っている監視人に話しかけた。ルヴァンシュと氷織と刀2本は逮捕されたときに取られたので、牢屋を破壊して壊すこともできない。
「いや、お前らの犯罪歴と殺人歴が異常だから捕まえてんだよ…水晶に何か細工でもしたのか?1人で120人も盗賊と怨霊を狩れるわけないだろ!」
どうやら、監視している人は私たちのことを信用してはくれないらしい。そりゃそうだ。この仮面を被った不審者じみた女子1人と成年になってもいない男子1人が2人で140人もの怨霊と盗賊を狩れるとも誰も思わないだろう…けれど、私たちは怨霊の身怨霊の力を持ってすれば、140体の盗賊と怨霊なんか簡単に討伐できるに決まっている。けれど、相手にそれを言ったら即刻処刑になるので言えるわけもなく、私の言うことは信用してもらえなかった。
「私の名前はイシュディア、こっちはフェン。カナルディアの人たちに怨霊の被害を救った人の名前を聞けば、この2人の名前が出てくるはず。カナルディアの住人に聞きに行ってみて、それかアウムの隣の街、そこでも私は1体怨霊を討伐してるから。」
私は自分たちの身の潔白を証明できる、目撃者たちに協力を仰ぐことにした。監視している人は部下の1人に情報の真偽を確かめに行かせた。
「そこまで言うんだったら、本当に怨霊と盗賊しか討伐してねえみたいだが、解放はできなくてな…王都の王様が、なぜか強い奴らだけを集めて、大会を開きたいとか言う無茶な願いをして、国内の強者をほとんど集め切った後だったんだよ…それで人数が足りなくなって、強者を外から来る人たちで集めているってわけだ。すまんな嬢ちゃん。」
そう言って監視している人はまた私との話を終えて、自分の業務に戻ってしまった。私はなぜ王様がそれだけの強者を集めたいと思っているのか理由がわからず、理由を尋ねた。
「なぜ、それだけ強者を集めて1人の強い人を決めなきゃいけないの?私は王都に来るのは初めてで、王政とか、内部情報とか一切知らないんだけど。」
私は今まで一度も王都にきたことがなく、王都の騎士団の紋章を知っていた理由は、一度だけアウムに王都の人が巡回とか言ってやってきたことで知ったぐらいだった。
「知らないのか…わかった教えてやるよ。まずこの王都は一度怨霊が大量発生したことがあったんだ。そこで王都の騎士団が大打撃を受けて、それを元に戻そうって言う話だ。この騎士団は騎士団長はほとんど公爵と同じくらいの権力を持っているが、その下に7人の『調停者』がいるんだ。この調停者は1人で騎士団の隊1つ分と同じくらいの戦力をしていて、それが前の怨霊の大量発生で2人、帰らぬ人になってしまったんだ。だからそれの埋め合わせを探しているって言うことだ。」
そう言って監視している人は親切に私たちに言ってくれた。
「んで、いつになったら俺たちはこの牢屋から出れるんだ?さっさと出て、布団で寝たいんだが。」
そう言って寝ていたフェンは起きて監視している人に言った。
「君たちで、トーナメントの表は埋まったはずだから、後2日も経てばここから出て、闘技場に泊まることになると思う。追加情報だけど、相手に勝つには『参った』と言わせるか、相手を殺すかすれば勝ちだ。命が惜しけりゃ、勝てない相手には参ったと言うんだな。」
そう言って監視している人は牢屋の電気を消して、上に戻ってしまった。
私たちはどうやら本当に大きなことに巻き込まれたのかもしれないけれどこれはチャンスでもあった。私が願っていた、騎士団入りと言うのがこの大会で勝てばかなり上の座をもぎ取れることになる。そのためにも私は必ず優勝しなくては。私はそのような思いを胸に抱き深い眠りについた———
NOCHESです。
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