[25話]ルヴァンシュの新しい姿———
戦後の半壊した街カナルディアで、イシュディアとフェンは武器の修理を理由に街を発つ準備を進める。フェンに挑発され、イシュディアは呪いの力で空を飛び先に武器屋へ到着。修理費を立て替えた代わりに、フェンに鍛冶屋での買い物を奢らせる約束を取りつける。二人は疲れた武器と共に、新たな旅立ちへ向けて歩き出した———。
***
「すみません。アクセサリーとか武器を見にきたんですが、おすすめってありますかね?」
フェンがいつもの口調とは異なった言葉を使って店主に話しかけた。私と話す時と違って少し丁寧な口調で店長と話していた。少し面白くて私は笑ってしまった。
「うるせぇな、店の中では口調は直してんだよ。」
フェンはそう言って私の方を見て言ってきた。
「嬢ちゃんと兄さん、喧嘩しないでくださいや。おすすめでしたね…最近入荷された腕輪なんてどうです?これをつけているだけで、体力の回復スピードが上がるんですよ。お値段は金貨3枚です。」
店主はそう言って腕輪を見せてきてくれた。体力が回復すると言うのは嬉しいけど、性能に対して、値段が少し高すぎるので見送ることにした。
「おっちゃん。店の奥の方にあるあのペンダントって、どういう性能してるんだ?少し綺麗な色をしているから気になったんだが…」
そう言ってフェンは店の奥の方にあるペンダントを指差してそういった。確かに青とピンクの綺麗な色をしている宝石が2つついたネックレスがあった。
「こいつはねえ、少しめんどくさいんですよねえ。私の最高傑作だったのですが、買い手が珍しく怨霊化してしまったんですよ。そしてそれが討伐された時になぜか、このペンダントだけがドロップしたようで、それが私の手に戻ってきたんですよ。帰ってきて見てみると呪いの商品になっていて、買い手がつかない状況ですね。性能は…確か外せなくなるというデメリットと、スピードが30%上がるという破格の性能をしています。」
店長はそう言って早口で私たちに教えてくれた。やっぱり、このペンダントを売りたいけど、買い手がつかないようだった。私はデメリットとかは感じないが、少しペンダントが欲しくなりフェンに声をかけようとすると、
「フェn………」
「おっちゃん、これいくらだ?値段によっては買うのを検討するぜ。」
私の声をかき消して、フェンが店主と相談を始めた。どうやら、買ってくれるみたいだった。フェンはそう言って店主から金貨3枚と言われて、値切りを始めた。
「おっちゃん。ここにこの商品があると他の商品が売れないんじゃないか?それなら俺たちが金1枚で購入するが、それでいいか?」
フェンは強引に金貨1枚に持って行きたいようだった。
「いいや、これは作った製作費が金貨10枚したんだ。9枚分金を損するのを見ておけん金貨3枚だ。」
店主はどうしても金を下げたくないようで、フェンとバチバチの口論をはじめた。
「店主さんよ。さっき売れて買い手が怨霊化して商品が戻ってきたって言ったよな。もう元は取れてんじゃねえのか?嘘をつくんじゃねえぞ?」
フェンはそう言って少し脅しのような口調で店主にゆっくりと語りかけた。
「私の負けだ、君が気づかなかったら金貨3枚で売ってやろうとしていたが、金貨1枚だいい買い物をしたな。」
そう言って店主は店の棚からペンダントを持ってきて、フェンがそれを購入してくれた。
「イシュディア。とっていいぞ。俺が取ったら俺に所持権が言って取れなくなるかもしれないからな。」
そう言ってフェンは私にペンダントをくれた。せっかくならつけて欲しかったが、贅沢は言わない方がいい。そういやここに来てからもう2時間経っているからもう武器ができた頃だろう。
「フェン。武器の調整がもう終わった時間だからそれそろ武器屋に戻って、調整された武器たちを撮りにいこうよ。」
私はそう言って店主に挨拶をしてこの鍛冶屋を出た。
「そうだな。いい商品を売ってくれてありがとう。また来るかもしれねえ。」
そう言ってフェンは店主に腕を振りながら、鍛冶屋を出た。
***
武器屋に着くと、店主が私たちの武器を棚に置きながら私たちの帰りを待っていた。
「おう、遅かったな。もうできてるけど、氷織とやらの整備は簡単だったんだが、ルヴァンシュとやらを整備している時に気づいたんだが、嬢ちゃんこれ使いにくくないのか?筋力はこれを使ってるんだからあると思うが、身長の面で使いにくそうだなと思ってな。」
店主は私の弱点を見事についてきた。私の攻撃する時に身長が足りなくて、斜めからの攻撃しかできないのだ。垂直方向に振り上げると言うことができないのだった。
「そうだね。けれど、この武器が気にいってるから変えるつもりはないよ。」
ルヴァンシュは私のことを導く光のようなものになってくれたんだし、今さら手放すということは絶対にしないだろうと思った。
「いいや、そう言うことじゃないが…武器屋っていうのはな…武器も作るだけじゃなくて、自分の師匠となった人の魂を受け継ぐんだよ。俺は今だったら10代目だな。10代目を超えたら、一流を名乗っていい。そして…10代になると、武器の種類を"変える"ことができるんだよ。昔の武器の性能を引き継いだままな。」
武器屋の店主はさらっとすごいことを言った。武器の変形?ルヴァンシュを少し、扱いやすい武器に変えてもいいなと思いつつ。話をさらに聞くことにした。
「で、ルヴァンシュを変形したいってこと?私は戦いやすくなるなら別にいけど、少し武器を貸してくれる?」
私はそう言ってルヴァンシュを受け取り、誰にも聞こえない声でルヴァンシュに話しかけた。
「いいよ。僕も姿形が変わると言うのは気になるし、性能を引き継げるらしいからね。新しい自分が楽しみだよ。」
そう言ってルヴァンシュは乗り気なようだった。
「嬢ちゃんは、初めての客なんだ。悪いようにはしないさ。金貨5枚で変えるが、買うか?」
私は店主が出した条件に対して即答で『買う』と言った。
「わかった。お嬢ちゃんの変えてほしい形とかあるか?」
そう言って店主が言ってきたが、私はどの武器に変えるかというのは決めていた私は『刀で』と言った。フェンが使っているのを見て使いやすそうだし、記憶の中にも使っている人がたくさんいたから、強いと思って刀といった。
「刀だな。それじゃあ始めるぞ。詠唱が少し長いが、邪魔をしないでくれよ?」
——ルヴァンシュ。かつて星より降りし鉄よ、
我が声を鍵とし、今の形を変えたまえ。
尖りし槍は貫くために生まれ、
斬る刃は守るために鍛えられた。
意志はふたつを渡り歩く。
鉄よ、形を忘れよ。
炎よ、命を写せ。
水よ、流れを断ち、
風よ、境を溶かせ。
星の秩序に抗うは、ただ一閃の祈りなり。
ルヴァンシュ——
『長き刺を収め、短き息を伸ばせ。貫け矛よ、今は斬る刃となれ。』
そう言い終わった後、ルヴァンシュの矛部分の金属がギシギシと言いながら、光に包まれた。そして、ルヴァンシュは禍々しい刀になった。
「少し、借りるね。ルヴァンシュ聞こえる?」
そう言って私は店主から刀を受け取りルヴァンシュに話しかけた。ルヴァンシュは少しの沈黙をおいて、話し出した。
「すごい経験をしたよ。自分の体が作り変わるなんて思ってなかった。」
ルヴァンシュは少し興奮気味で私に話をした。
私はルヴァンシュを持ちながら次の行先を考えていた———
NOCHESです。実力テストが終わっても次は塾のテスト祭りです。少し、過労死しそうです。
次回も頑張って投稿するのでよろしければブックマーク登録、感想、評価お願いします。それでは、次の作品へ行ってらしゃい




