[23話]人の喜び怨霊の悲しみ
イシュディアはフェンと水源の地下トンネルを探索し、腐臭と破壊された監獄、秘密の礼拝空間と石碑を発見する。ルヴァンシュが碑文を読み、無限の水が20年ごとに捧げられる魂を対価にしていること、今までに、50人以上の人を捧げていたこと怨霊化の実験記録と大量の人命犠牲が記されていた。フェンは破壊を提案するが、イシュディアは破壊せず、法を使って、カナルディアを取り締めることを決める。
彼らは人間は本当に愚かなことを知った————
***
私たちは、街の外へ出ると、そこには大量の人々が街へ戻ってきていた。私たちは祝福を受けたが、街の地下で見たことのことを思いだし、素直に喜べる気がしなかった。
「あんたたちは、この街の英雄だよ…!まさかあんなに大量の怨霊を2人で倒してしまうなんて…!」
住民たちは、地下のことを知らないようで、素直に私たちが怨霊を約100体倒したことを喜んでいるようだった。けれど、私たちはその喜びをどう受け取っていいのかわからなかった。
そして、喜びの声で溢れているが、私は少し、不安に思っていた。もしかしたら、私が盗賊のボスをこの街に連れてきたことで、この街が破壊されて、住む家が亡くなってしまった人が私たちのことを責める人がいるかもしれない。私はそう思ってしまった。私は自ら連れてきた人を自分で討伐した、マッチポンプをこの街でするために連れてきたんじゃないか。そう思う声も出てくると様相した。けれど、街の住民は
「倒してくれてありがとう!あなたたちがいなかったら私たちはもうとっくに死んでたかもしれない。」
そう言って私たちのことを責める人は1人もいなかった。私はそれに気づいて、人助けをして良かったとそう思った。
「すみません。喜んでもらえたなら大変良かったのですけど、私たちも少し、休みたいので道を開けてくれませんかね…?」
私たちは宿屋にいって休むために、道を開けてくれるようにたのんだ。そうすると有名人が歩く道のように、住民は道を開けてくれた。フェンも統率がとれた動きをみて、驚きながら、感嘆の声を漏らしていた。
「ありがとうございます。それでは、私たちは宿に戻るので、ここらで帰ります。」
私たちはそう言って、宿屋へ戻った。
***
「えっ…宿屋が満席…!?私が出て行った時にはまだたくさん空きがあったじゃないですか!」
私は宿屋に戻り、借りていた宿屋が消えてしまったフェンのために部屋を借りようとしたところ、もう部屋は満席のようだった。他に宿屋が壊されていた人たちがもうとっくの前に全て借りてしまったらしい。
「もう、いいぜ。イシュディア…俺はそこら辺にある、公園のベンチとかで寝ておくし、アレになったおかげで寒暖差を気にしなくて良くなったからな。まあ噴水近くのベンチなら空いてるだろ。」
そう言ってフェンは宿を出て噴水に向かおうとしていた。
私は流石にこれだけ迷惑などをかけて、フェンをベンチで寝かせるのは酷だと思い、フェンに宿の部屋を渡すことを言うと、フェンは申し訳なさそうに、「俺はベンチでいいから」と言って帰ろうとした。
「私がベンチで寝るから、フェンは私の部屋を使って!」
そう言ってどちらが部屋を譲り受けるかどうかで、争いが起こった。
***
「なんで…こうなったの…」
私は、宿屋のベットの上に寝転んだ後、隣を見るとそこには気持ち良さそうに寝ていた、フェンがいた。結局あの後、フェンと口喧嘩になり、店のカウンターの前で喧嘩していると、店の人が「イシュディア様のお部屋を2人部屋にしておきますのでフェン様と一緒にお使いください。」と言って私たちは抵抗する暇もなく、部屋に詰め込まれてしまった。
それにしても、私は20を超えているけど、フェンはまだ17〜18歳くらいの見た目をしている。可愛い寝顔を横目に見ながら私は、今日のことを思い返していた。そうすると、ルヴァンシュが私の隣まで浮いてきて
「君は、今日本当に頑張ってたね。君とフェンだけでもうそこら辺の街だったら滅ぼせるんじゃないかな。」
ルヴァンシュはそう言って物騒なことを言ってきた。
「もう私は、王国内部以外壊す気はないし、私のせいで巻き込まれたことがあったら助けるって決めたしね。」
私はルヴァンシュにそう言った。
「へえ、怨霊が人を助けるねぇ、すごい世の中になったもんだ。自我を持っていると余り怨霊になったデメリットが薄いんだね。それはそれとして、フェンはどうするの?これから先の旅に連れていくの?」
ルヴァンシュは私が一番悩んでいることを言ってきた。フェンは戦力としても強いし、旅の話し相手がルヴァンシュだけだったから、正直話し相手が増えてくれることにはいいんだけど、私が達成しようとしていることに対して、酸性的にならない気がしてならなかった。
「本当に、フェンをどうするかなんだよねえ。こればかりは本人の意思を聞いてみないとわからないし。連れて行けるなら連れて行きたいけどねえ。私が旅を始めた理由とか諸々話す必要があるかもね…」
「で、なんだ話は?」
私とルヴァンシュが話をしていると、フェンが急にこっちを向いて、話しかけてきた。
「び…っくりしたぁ、なんだフェン起きてたの…変な話はしてないよ。私の旅のこととか、目的とかをルヴァンシュと話してただけ。」
そう言って、私はフェンに話しにくいことをどうにかうやむやにしようとしていた。
「旅のことか…イシュディアが旅についって行って言うなら俺は、お前たちについて行ってもいいぜ。お前といると、なぜか、戦える気がしてるし、ルヴァンシュに怨霊のことも教えてもらえるんだろ。俺に必要な知識が、たくさんいるんだ。先生に聞いた方がいいしな。」
そう言ってフェンは私についてきてくれることを決めたようだった。私としても、この話はちょうど良かった。私はフェンになら、旅の目的と、私が怨霊になった経緯を話してもいいと思い、口を開いた。
「フェン…私はね…アウムの出身の人なの。私の街は焼かれた。幸せな暮らしが奪われたの。その相手は少しみただけでわかりにくかったけど、騎士団の紋章をつけてた。私は、そこで、復讐を決めた。そこで本当に私の生き方を決めたの。そして隣の街の武器屋で、目に止まった武器に"ルヴァンシュ"そう名付けをした。これが私とルヴァンシュの出会い。そこで、私はルヴァンシュに、自我を持ったまま、復讐を必ずすることをルヴァンシュと契約して決めた。そうして、私は怨霊になった。」
「これが私が旅を始めた目的と経緯。わかってくれた?」
私はフェンに私がこの1ヶ月で起こったことを全て話した。
「……俺が口を出したところで、何も変わらねえけどよ…涙は拭えよ。怨霊になったとて女は女だ。気づいてないかもしれないが、目から涙がこぼれ落ちてるぞ。俺はお前についていくことを決めたんだ。これからは3人だ。もう誰も失ったりしねえよ。」
そう言ってフェンは私の涙を差しながらそう言ってくれた。
「ありがとう…ありがとう……」
私はありがとうと言いながら、眠りについた。
***
「で、ルヴァンシュ、お前全て聞いてたからわかると思うけど、少し怨霊のことについて話して欲しいんだが、話してくれるか?」
フェンはそう言ってルヴァンシュへ話しかけた。
「いいよ、何を聞きたい?」
ルヴァンシュは教えることがあるからか、少しノリノリで返事をした。
「全てだ。全てを教えてくれ。もう何も俺の周りで悲しむ人を出さないために。」
「いいよ。報酬はイシュディアの安全と、心の安心を約束してくれるなら教えてあげる。」
ルヴァンシュはそう言って条件を提示した。
「いいぜ。誓ってやるよ、それで強くなれるなら安いもんだろ。」
フェンはそう言ってイシュディアを起こさないようにベッドから出た。
そうして、夜中のイシュディアを除いた授業は朝まで続くのだった———
NOCHESです2025年受験が近づいてきたので投稿頻度は落とすつもりはないですが、時々投稿できない日があるかもしれません。けれど、次回も頑張って投稿するのでよろしければブックマーク登録、感想、評価お願いします。それでは、次の作品へ行ってらしゃい




