[22話]水の都に隠されたもの
イシュディアとフェンは怨霊化した盗賊と激戦の末、奥の手「ルヴァンシュの真の力」を解放。憎しみの力で暴走しながらも街を守り抜き、盗賊を滅ぼす。意識を失ったイシュディアはフェンに助けられ、勝利の鐘が鳴り響く。だが戦いの根源はまだ消えておらず、二人は全ての始まり——街の水源へと向かうのだった。
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私はフェンにおんぶされながら、カナルディアの水の水源のトンネルについた。そこは、薄暗く、何もかも全て隠してくれそうな雰囲気が漂っていた。そして、生臭い匂いも漂っていた。
「フェン、ここら辺で降ろして。もう自分で歩けるようになったし、体力も回復したから。」
私はそう言ってフェンに降ろしてもった。少し前に進むとトンネルの隣に、地下に続く階段があった。
「これって…呪いの力や憎しみが溢れているから…ここから発生したってことだよね…」
私は、鼻の奥を刺激する生臭い匂いにを防ぐために、鼻を塞ぎながらそういった。
「ああ…正直言ってここはやばい…一般人が入ったら、即効で気を失うくらいの憎しみが溜まってやがる…もうここは封鎖だな…カナルディアは、一体どこに囚人を保管するんだか…」
フェンはそう言って私より先に、前へ進み始めた。どうやら、フェンはこの匂いに気付いてないようだった。けれど、何が原因でこれまでの生臭い匂いがするんだろうか…肉や魚を大量に腐らせてもここで匂いもしない気がする…まさか…私は嫌な予感がしたが、それを認めたくなく、嘘だと思い込みフェンについて行った。
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「ここが…監獄か…すごい、破壊されているな…出てくる時にぶっ壊したのか…それにしても、牢屋の数が多すぎやしないか…?明らか、犯罪人を閉じ込めておく量じゃない気がするんだが。」
「フェンの言う通りここの牢屋の数は少し異常と言っていいほど、牢屋の数があるね…一体何に使ってんだ…?」
私とフェンは牢屋の通路を通りながら、破壊された牢屋を見回った。美しかったであろう牢屋の外観はもうボロボロで、牢屋だけでなく、通路の至る所も穴が空いていたり、へこんだりしている。
「あれ…?ここから先に牢屋なんてないのに、ここになぜか階段があるよ…フェン。」
私は牢屋を探索していると、管理室のようなもの中になぜか階段があった。
「まるで、秘密基地だな。よくこんな机の下に階段を置いたな…何か隠したいものでもあったのか?」
フェンはそう言って怖いもの無しかのようにどんどん突き進んでいった。先へ進むと、光が当たらないはずなのに、なぜか明るくなっていた。私は敵がいるのではと思い、ルヴァンシュを肩から外して、前へ進んだ。
そこには神秘的な空間が広がっており、なぜか、地中なのに、ガラスの外から太陽のような光が照らし出されており、下には池のようなものがあり、その池には橋が中央までかけてあり、鎖が巻きつけられていた、石碑のようなものがあった。
「なんだよ…これ…なんでこんなものが地下にあるんだよ…」
フェンがそう言いながら辺りを見渡した。何か礼拝のように使うなら別にこの地下に作る必要はないし、私は不自然に思い、橋を渡り出した。鎖が巻きつけられていた石碑には、私が読むことができない、未知の言語が書かれていた。私が何が書いてあるんだろうと思い、じっと石碑を見ていると、ルヴァンシュが急に話し出した。
「嘘…だろう…これに書いてあることが本当なら…カナルディアは…相当な数を…」
ルヴァンシュは、1人解読できたようで、書いてあることにショックを受けていた。
「ねぇ、ルヴァンシュ…何が書いてあったの?私じゃ読むことができないんだけど…」
私はそうルヴァンシュに言った。ルヴァンシュには言うにはこれは前の持ち主が使っていた時代に使われていた文字らしい、けれど、一度大きな改革があった時に使われていた言語が変わったらしい。
「君が、これを読んでどう思うかはわからない。怒りに狂うかもしれない、悲しむかもしれない、それでも、この…カナルディアの裏に触れる覚悟はある?」
ルヴァンシュはそう言って私に問いかけてきた。
「もちろん。この街は私たちで全ての謎を解き明かさないと、また街の人が不安に駆られてしまうしね。」
私は自分の胸を叩きながらそう言った。
「じゃあ、読むよ、覚悟して聞いてね。」
そう言ってルヴァンシュは石碑を読み始めた。
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『———此の地に流れ在る水は、天より賜りしものに非ず。
人が魂を以て、地の底より掬い上げしものなり。
はじめ、この地は乾ききり、命の芽はことごとく絶えた。
その折、ひとりの賢者現れ、天に祈り、地に願い、命の対価を求めし。
賢者は己が魂を泉へと沈め、
その身は崩れ、水と化し、街は潤いを得たり。
されど水は貪る。
一度その味を知れば、常に魂を欲する。
ゆえにここに契りを刻む。
———二十年の巡りを経るごとに、ひとつの魂を泉へ供えよ。
それこそが“無限”を保つ理。
渇きを知らぬ者よ、忘るるなかれ。
契約を恐れず、罪を恐れず、ただ契約を守れ。
この碑を読む者は、契りを継ぐ者なり。
———魂よ、再び流れとなりて還れ。
水よ、命を映し、永遠の循環を為せ。
ここは“水の都”、水と魂の盟約の地なり。
我はこのことを忘れないために、私は今日の日付を刻む。
………………614年6月9日』
***
ルヴァンシュはそう私に語りかけた。
「え……え…つまり…?20年ごとに新たな魂を捧げることで、無限の水が手に入るってこと?しかも、これが書かれたのが614年…?今が1753年だから、57人の命が捧げられたってこと…本当に、すごいことをしている街だね。」
私は、空いた口が塞がらず、その場で少し、魂が抜けたように佇んでいた。そこにフェンがやってきた。
「イシュディア…すごいものを見つけた。ここもすごいことが書いてあることはわかるが、イシュディアはこっちの方がいいだろ、今の言語で書かれている"怨霊を作り出すクスリの作成書"だ。俺のことを怨霊にした薬のことが書いてあるかもしれねえ。俺はまだ読んでねえから、先に読んでくれねえか?」
そう言ってフェンは私にホッチキスで止められた、取扱説明書が渡された。そこにはこう書いてあった。『人間怨霊化計画』
そには、怨霊化させるために必要な素材が載っていた。そこには、リン、カルシウム、窒素、マグネシウム、硫黄などのものが書いてあった。そこの最後の裏面には。とんでもないことが書いてあった。
「イシュディア…?どうしたんだ、それだけ目を大きく開いて、何か衝撃的なものがあったのか?」
フェンはそう言って私に近づいてきた。けれど、私は衝動で説明書を破りそうになったのをどうにかこらえた。
「ここに、書いてあることが本当なら薬を1つ作るのには……人間が…2人いる…重要な物質は人間から取ることができると書いてあるし……人間から取った方が…憎しみ…復讐心を増幅させる効果が…あるって書いてある。」
私は読むのも吐き気がするような文章を読んだ。今回の騒動で、少なくとも200人以上の人が亡くなって、この薬の材料にされた可能性がある。いや、されたと言ってもいいかもしれない。けれど、この街は本当に、人間を対価として、物を作り出している…まるで何かに取り憑かれたように…
「どうする…?俺はもうムカついたから、ここを全て壊して、埋め立ててもいいが、イシュディアは?」
フェンが氷織を抜きながらそう言ってきた。
「いや、残しておこう。この資料や、カナルディアの地下に石碑があったことを王国に伝えれば少しは、カナルディアに対して、処分がいくかもしれないしね。」
私はそう言ってその場所を後にした。あたりから漂っていた、生臭い匂いは、どこからか漂ってくる人間の死体の匂いっだたかのもしれない。私は本当に機嫌を悪くしながら、街のトンネルの外へ、歩き出した。
NOCHESです。先日はすみませんでした。本当に大変になってきていますので、また投稿できない可能性があります。御領ください
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