[21話]呪いの怪物VS憎しみの怪物
イシュディアとフェンは中央の塔で歪んだ空間を、イシュディアの憎しみの力で消し去り最上階へ。2人のことを待っていた盗賊怨霊ガリウスと激突し、その高速回復に苦戦。ルヴァンシュの力を借りて二人で詠唱付きの連携攻撃を放つが、その倒したかどうかはわからないまま見えなくなってしまう。
***
私たちは2人の詠唱付きの今までで一番火力の出る攻撃技を2人で叩き込んだ。
「やったか…!?」
フェンがそう言ってフラグじみたことを言い放った。けれど、見た感じはいないけど、気配は消えてない…私は、警戒しながら辺りを見渡した。けれど、それらしき人影はどこにも見えない、一体どこに…私がそう思っていると、空間の一部が揺らいだかと思えば、肉片が1部出てきた。そこから、膨れ上がれるように、盗賊は復活し始めた。
「フェン!あいつが回復し始めてる!攻撃を続けて、回復を阻害して!」
私はルヴァンシュを構えながらそういった。私は、相手の懐に入り、回転しながら、相手を攻撃した。けれど、何か、私の攻撃は見えない壁のようなものに、防がれて、何も通じなくなってしまった。私はフェンの元へ、行き身体能力強化で、体の耐久力を底上げして、相手の攻撃に備えた。
「何か…来る…」
私がそう言った瞬間包まれていたものが消えて、あたりが光に包まれた。そこには、盗賊の姿などなく、もう人間の形をしていない、怨霊を、暴走に暴走を重ねたような化け物が生まれていた。そう思っていると、その化け物は遠吠えをしながら、衝撃波を打ってきた。
「やばい…やばい…攻撃パターンが増えてるし、何より全部の能力が上がってる気がする…」
私は飛んでくる攻撃をルヴァンシュで捌きながらそう言った。
「舞え、吹雪よ!」
フェンはそう言って氷の礫を飛ばして応戦するが、その攻撃も全て、防がれることはないが、すぐに相手の体が修復してしまい、攻撃が効いてる様子などはない。一体どうすればいい…?私が、奥の手を出せば…2人は助かるかもしれない。私が全てを守るって決めたの。だから私は…私の覚悟を曲げない!
「フェン。私の奥の手を出す!フェンを巻き込むかもしれないから…フェンは避難して欲しい…本当にフェンを殺すかもしれない力を出す…」
私はそう言ってフェンに避難を促した。
「分かった。ここにくる前に言っていた奥の手を出すんだな。それなら俺は、お前の勝ちの報告を待ってここを離れる。気をつけろよ…イシュディア…」
私はフェンがそう言って扉の向こうへ行ったことを確認して、今一度私の目の前にいる化け物のことを見た。
「うへぇ、どこを見ても全て化け物にしか見えないね…君、覚悟はいいの?」
私はルヴァンシュにしか、話していなかった。奥の手を出す時がここだと感じて、強く頷いた。私が最初なぜ防具をつけていなかったのか。それは私の憎しみの力で全てを生み出すことができる、いや、正確にはルヴァンシュの効果で私の奥の手を出すことができる。
「起きろ!ルヴァンシュ。滅びの名の下に!」
私はそう言って自分の中の憎しみの力を増幅させながら、自分の体や、自分がいる空間に漂わさせた。
ルヴァンシュの本当の力は、ただ話せるということではなく、憎しみの増加効果使用者の憎しみを使ってどんどん増やしていく効果。それが私とルヴァンシュしか知らない、本当にルヴァンシュがこの世から恐れられていて、なおかつ前の主人に捨てられた危険極まりない効果。
ただし、デメリットもちろんある。私が体の主導権を握れなくなるし、ルヴァンシュは暴走状態に入り、コントロールできない状態になる。それも前の生物を1体殺すまで、解けないというデメリットだ。だから私は、フェンを殺すかもしれなかったから、この場から離した。
(お願い、ルヴァンシュ…暴走して私の声が聞こえていないかもしれないけど、この街の運命はあなたに任されたの…頑張って、私たちに勝利を渡して…)
私は声に出せないが、ルヴァンシュが聞いてるかも知れないと思い祈り続けた。
街の運命をかけた、呪いの怪獣対憎しみの怪物の戦いが始まった。
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私の体を使ったルヴァンシュは、私の体が相手の攻撃で吹っ飛んでも体を無理やり、回復することで、耐えていた。また相手に強烈な一撃を入れても相手も、即座に回復をしてくるという、自分たちが持つ憎しみ、呪いの量で全てが決まるという戦いになっていた。
ルヴァンシュは、憎しみの量が相手に勝てないと思ったのか、憎しみを半分ぐらい使ってエクセラとカースの形を変えた。そこには、全てを飲み込むような漆黒の礼服のようなものを着ている私がいた。ルヴァンシュは何も持っていない片手を伸ばし、歪んだ空間から、もう一本の槍を持ってきた。まさかの槍2本持ちで戦うらしい。
「イ"シュディア"ア"アァ」
盗賊の成れの果ては、どうしても私を殺したいのか、ずっと私の名前を呼んでいた。けれど、勝負はもうすぐ決まりそうだった。
相手はなぜか、相手が持つ9割以上の憎しみの力を使い、市街地に向かって衝撃波を放った。被害は甚大で、街の片側が、更地になってしまった。
ルヴァンシュは両手の槍を水平に構えて、私の体のことなど気にせずに、憎しみで、10倍呪いで、5倍、装備で2倍まで体の負荷を引き上げた。全て掛け合わせて、100倍の力を自分が持つ槍と、自分の体にバフとしてかけた。どうやらこの1撃で全てを終わらせるつもりらしい。
「う、が…全…てを…滅…ぼ…せ…」
ルヴァンシュがそう言ったかと思うと、私の意識がおいつかないつくらいのスピードで相手に攻撃を喰らわせた。そこには、もう盗賊の気配などなく、何も残っていなかった。残ったのは、大きな穴が空いた、展望台だけだった。私は、安心していると、急に睡魔が襲ってきて、深い眠りの中に落ちた。
***
「おーい、おーい、イシュディア、、起きろ!」
そう言って私の仮面を叩く音が聞こえた。どうやら、フェンがいるらしい。
「フェン…?」
私は瞼を開けながらそう尋ねた。
「おう、俺だぞ。すごい憎しみが溢れてきたと思ったら、お前が倒れてるんだから、本当に死んだんじゃねぇかと思ったぞ…心配かけんなよ。」
フェンは心配しているか、少し、震えた声で言った。私たちは、勝った、勝ったんだ。そう思うと私の体から急に力が抜けて力が入らなくなってしまった。
「おぶってやろうか…?そういや、住人にはどうやって倒したことを伝えるんだ?」
フェンが気になったように私に聞いてきた。
「鐘を、鐘を鳴らすの。この塔の上についている大きな鐘を。」
私は立ちあがろうとしたが、力が入らずどうにも起き上がることもできなかった。
「いいって、俺が鳴らしてやるよ。お前は音でも聞いてろ!」
そう言ってフェンは鐘の元へ言ってしまった。数秒後吹雪のような音がした方と思うと、カーン、カーン、カーンという音が鳴り始めた。
本当に私たちの戦いが終わった———
***
「フェン、行きたいところがあるんだけどさ、怨霊が出たところってわかる?」
私は、今回の事件の騒動の原因がそこにあると考え、フェンにおぶっても行ってもらおうと考えて、そう尋ねた。
「おう、知ってるぜ。この街の水源だよな。全ての怨霊の気配がそっちからきていたのを覚えているぜ。」
フェンはそういて私のことをおぶってくれた。フェンは塔から飛び降り、屋根の上を伝って、街の水源まであっという間に着いてしまった。
「ここが、全ての始まりの場所。けれど、気をつけてね。怨霊がいないとはいえ、まだ危険が潜んでいるかも知れないから。」
私たちはそう言って、トンネルの中に入って行った。
そこに人間の愚かさが詰まっていると知らずに———
NOCHESです。
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