[20話]断罪の氷の刃と憎しみの槍
フェンが怨霊化しても自我を保ち、氷織と共に新たな力を得る。
イシュディアの武器・ルヴァンシュの導きで「憎しみの力」を操る術を学び、二人は再び歩き出す。
全ての怨霊の気配が集まる中央の塔へ——。
扉の向こうに待つのは、勝利か、あるいは終焉か。
***
———中央の塔にて
私とフェンは、中央の塔の扉を開けた。そこはまるで、今まで倒してきた怨霊の能力をかき混ぜたみたいなようだた。あたり一面には風が吹き荒れ、あちらこちらにある歪んだ空間の間をまるでサーカスのように、実体が薄い肉食獣たちが飛び回っていた。
「ええ…私たちこの中に入っていくの、、、少し外に出て、どこからか入れるところがないか探して見ない…?」
私は塔の中の異常さを見て、そう言って外へ出た。外は純白の石材でできており、今までの展望台と違って、凹凸が無く、まるで、空と地面を結ぶ柱のようだった。
「けれど、どこから内側に入れるとかいう場所はないぞ…怨霊の気配も1体だけだし、塔の中さえクリアできればボスとご対面できるっぽいからな。塔の中を通った方が良さそうだ。」
フェンはこの中央の塔の外壁を見ながらそう言って、私の方を見た。武器を突き刺して登るという手はあるかもしれないが、あまりにも高度が高いし、落ちたら、全然死ねる高さだった。
「はあ、いくしかないかぁ、、、歪んだ空間結局は弱点っていう弱点は見つからなかったし、めんどくさいし、相手を視認しにくいから、嫌なんだよね。」
私は本当に対策がわからない、歪んだ空間を使う能力のデメリットを探していた。
「フェン…あの歪んだ空間の対策ってある?私は相手と交渉して、歪みを取ってもらったけど、今回はそうはいかないし、どうやって攻略しようか……」
私は頭を悩ませながらフェンに、そう相談をした。
「この空間って、壊すこと出来ないのか…?なんかガラスみたいで非常に脆そうだが…」
そう言ってフェンは空間の前に立って、氷織を高速で抜き放つと、一瞬歪んだ空間が壊れたと思ったが、攻撃の勢いは歪んだ空間の向こうへ行ってしまった。
「物理攻撃も無効と…本当にどうしようか…戦いの中で歪んだ空間を出されたらたまったもんじゃないよ…」
私はフェンにそう呟いた。
「ねえ、イシュディア、これって憎しみの力で、出来ているって言ってたよね…この塔の中を君の憎しみで包めば、能力とかも、すべて消えるんじゃないかな…」
ルヴァンシュはそうアドバイスをくれた。
「分かった。やってみる価値はあるね…フェンは気をつけてね…」
私はそう言って、体の内側で、憎しみを練り上げると、体外に一気に放出した。すると、風はぴたりと止み、肉食動物は綺麗さっぱり居なくなった。また、めんどくさかった歪んだ空間もパリンという音を立てて消えた。
「やった…!フェン、ルヴァンシュ塔の中のトラップを全て壊すことができたよ…!」
私はそう言って2人の方向を向いて喜んだ。フェンはなぜか、ぐったりしているようだった。
「イシュディア、少しは周りの事を考えてくれ…お前の憎しみが強すぎて、抵抗するので精一杯だったぞ…次はそれ使うの禁止で、俺が戦闘不能に陥る可能性がある…俺が暴走するか、本当に死ぬぞ…」
フェンはそう言って、ぐったりした体を起こしながら言った。
「ごめん、ごめん、次使う時は気をつけるよ…」
私はフェンに、申し訳ないように言った。
「気をつけなよ…イシュディア…君の怨霊の力は、ありえないぐらい増えているんだから…」
そう言ってルヴァンシュはやれやれという風に、私に言った。
そんな会話をしているうちに私たちは、最上階の扉の前についた。
「じゃあ、頑張って倒して、英雄になりますかね。」
私はそう言って盗賊が待つ扉を開け放った。
***
「おう…やっと来たな。くそイシュディア…よくも俺をあんな薄暗い牢獄にぶち込んでくれたな…」
そう言って相手は、金棒のようなものを掲げて立ち上がった。
「あなたに恨まれるようなことはしていない。私は断罪ををしただけ。悪いのはあなた。」
私は、盗賊に言い放った。私は、あいつを捕まえて牢獄に入れただけ。何も悪くない。
「なあ、何をそんなに揉めたりしているんだ…?悪いのはあいつなんだろ…さっさともう一回ぶっ殺せばいいじゃねえか…何を悩む必要がある…?」
フェンはそう言って氷織を鞘から抜いた。
「ほお、そこのガキはいいこと言うじゃねえか。そうだよ。お前らを殺して、俺はこの街の住人を全てぶっ殺して、食べてやるよ。お前らは無能だったて言うことを後世に伝えながらな。」
そう言って盗賊は手招きをした。本当にこの2人に勝てる余裕があるみたいだった。
「じゃあ、もうさっさとぶっ殺す。」
そう言ってフェンはすごい勢いで、盗賊の足元まで行き、一瞬で何回も切り掛かった。けれど、相手は何事もなかったように、全て一瞬で回復してしまった。やはり、恐怖と、憎しみで強化されているだけある…
そう思っていると、武器を持っているスピードとは思えない、勢いで振り向き、フェンを壁まで殴り飛ばした。
「フェン!大丈夫?」
私はフェンの元へ駆け寄ろうとしたが、盗賊が私の目の前にやってきた。
「そうか…あいつはフェンという名前をしているのか。いい名前じゃないか。俺の名前を教えてやるよ。俺の名前はガリウス。お前を殺すためだけに、生まれた怨霊だよ。」
そう言って相手は金棒を振り回した。
相手は、一撃一撃が重い、パワータイプだけど、敏捷性も高いみたいだった。私は、どうやって相手の攻撃を避けながら、戦えるかどうか、考え始めた。
***
「ルヴァンシュ、私の体を使えない?ルヴァンシュは口の動きを気にしなくていいから、私の詠唱が終わるくらいに、主導権を返してくれたらいいんだけど…」
私は、一つの策を思いついた。そのためには一度ルヴァンシュに主導権を渡す必要があったため私はそういった。
「いいよ。何を考えているかはわからないけど、力を貸してあげる。」
そう言ってくれると、私の中に何かが入ってくる感触がして、私の体は私の意思と関係無しに、動き始めた。
「我が心を喰らえ、我が憎しみを燃やせ———ルヴァンシュ。鎖を断ち、血を啜り、世界を憎しめ、哀しみの声よ、怒りの業よ、全てをこの刃に捧げる。いま、滅びの名のもとに目醒めよ——」
私の詠唱が終わりかけると、体の主導権が私に戻ってきた。私は、詠唱が終わらないように、相手に近づき、飛び上がった。相手は、私のことを目で追いかけて、私のことを落とそうとした。けれど、後ろから来る、1人に気付かずに。
「ルヴァンシュ!イシュディア!やれ!」
そう言ってフェンは無防備になっていた。相手の足を一瞬切り離した。私はありがとうと心の中で思いながら、仮面の中で笑顔を作った。
「我が願いによって起きろ———ルヴァンシュ!」
私は、そう言って、ルヴァンシュを相手の体に突き刺した。相手の体の真ん中に大きな穴が空いたが、それも10秒もたたないうちに、回復してしまった。これだけ、回復したらそろそろ憎しみの力も弱くなってきているはずだが、その気配は微塵も感じることができない。やはり、回復される暇もないまま、実態を全て滅ぼすしかないようだった。けれど、今の私の力では、それが無理なようだった。
「おいどうすんだよ…お前の詠唱付きの攻撃でも、全て飛ばせてなかったぞ…」
フェンはそうって、血が出ているところを、抑えながら私の元へやってきた。
「2人の詠唱付きの攻撃で、全て相手にぶつけるしない気がする…2人で詠唱を始めて2人が終わったタイミングで、相手に叩き込むよ!」
私はそう言ってフェンと一緒に詠唱を始めた。
「我が心を喰らえ——」「神よ、我に今力を———」
私たちは詠唱をしながら、相手と交戦を始めた。
「滅びの名の下に目覚めよ———」「万物を切り裂け———」
私たちは、終わりかけているときに同時に私は相手の上空に、フェンは相手の背中に、勢いよく、飛び込み、体の全てを強化した、詠唱付きの最大火力を相手にぶち込んだ。
建物の砂埃が周りに立ち込めた。何も見えない倒したのか?
———「やったか?」フェンは倒したと確信したのかそう叫んだ。
NOCHESです。_φ(・_・カリカリ
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