[13話]カナルディア奪還作戦
水路を進むと不気味な寒気が少女を包み、水の監獄では研究者たちが怨霊化の薬で囚人を百体の怨霊へと変えた。自我を持った怨霊が復讐を誓い、街へ向かう。少女は民家の屋根に身を潜め、迫りくる怨霊の群れを見据えた。街の運命が、今日決まる……
***
「やばい…やばい…やばい…あれがこの街に出て来たら…確実にこの街は滅ぶ…」
私は思考を巡らせながら街の水源へ向かった。どうする?一人で対処できる?やるんじゃない、やらないといけないんだ!
「落ち着いて!しっかり前を見て!まだ負けたわけじゃない!」
私はルヴァンシュの声を聞いて少し落ち着きをとりもどした。そうだ、私は強くなったんだ。行ける勝てる。
「皆さん避難してください!街の水の供給しているトンネルの先から怨霊が大量に出てきています!私が戦って食い止めている間に安全なところへ!」
幸いこの街は周りは全て水で覆われている。街の外に出てくれさえすれば…怨霊を包囲することができる。
「どう言うことだよ!」
「急に怨霊が出たって!」
「そんなんどこにもいないじゃないか!」
色々な声が飛び交った。まだ信じていない人も多いようだ。けれど、本当に避難しないと死んでしまう……
「私の名前はイシュディア。私はアウムにいた怨霊を一体…倒しています。その時に感じた気配が……100体以上しています。私も正直言って…厳しい戦いになると思います。けれど…皆さんが避難できる時間は稼ぐことができます。お願いします。死人を出さないためにも…!」
私はルヴァンシュを掲げながらそう叫んだ。そうすると私の名前を知っている人たちが大慌てで、家に帰って行った。どうやら私の話を聞いてくれたようだ。
「いい、演説だったよ。後は僕たちが頑張って食い止めるだけ…じゃあ初っ端から本気を出しますか!」
ルヴァンシュもどうやらやる気のようだ。
「最初は…でかい音を立てて突っ込んで…少し数を減らそう。そうでもしないと勝ち目がなさそう。」
私もルヴァンシュも考えていることは同じなようだ。前に開発して封印していた技を使う時が来たみたい。
私は内心怖がっていたけど、心の奥では戦えることに対してとてもワクワクしていたみたい。
***
「ルヴァンシュ、あいつらもう…出口に近づいてきてる!」
私は怨霊の群れを見ながら指差した。顔は見えないが、気配だけはものすごい量を感じた。
「やばい…あの憎しみの量はやばい…触れた人を怨霊にする可能性がある……さっさと、対処しないとこの街が怨霊の街と化すよ……それだけの量はいる。」
いつもあんなに元気なルヴァンシュがとても恐怖しているようだった。
「じゃあ、私たちが止めないと。行くよまず憎しみで、4倍強化するよ…」
私は前出した時より少しだけ無茶をして強化をした。
「じゃあ僕は呪いで僕自身と君の強化を…3倍に…」
「グッ…ハッッ…」
私は少し吐血をした。体に12倍の負荷は流石に厳しかったらしい…
「けれど、ここで頑張らないとね。」
私はそう言って立ち上がり、怨霊の群れに対して、槍を水平に構えて突進の準備をした。この1撃で何体持っていけるかだけで、楽な勝負になるか厳しい勝負になるか決まる。相手は生まれたばっかの敵ばっか。いける…
怨霊の軍団の戦闘が、太陽の光を浴びた瞬間に私は…
「ルヴァンシュ!起きろ!」
私はそう言って呪いと憎しみを体に纏い、相手の集団に飛び込んだ。
手応えはあった。けれど、相手もこっちの状況も、煙で何も見えない。
「どうなったの…?」
私は衝撃から立ち直って、少し相手の距離をとった。
「ッッ避けて!」
私は、一瞬にしてルヴァンシュに体の主導権を奪われて後ろに飛んだ。
「ありがとう…助かったよ。けれど、あんだけ強い一打を打っても、少し気配が少し残ってる…まさか………」
私は、少し嫌な予感がした。もし、この10体が、私の攻撃に耐える怨霊化していたら?それこそ、10体も極小確率で生まれてくる"自我持ち"だとしたら?
「これは…まずいよ……自我持ちが…自我持ちが…10体も…」
ルヴァンシュはいち早く10体が自我を持っていることに気づいたらしい。けれど、10体となったら、この街を守りきれない。どうする?もう一度あの攻撃を繰り出す?いやそれこそ無理だ…あの攻撃は隙が大きいし、何より避けられる可能性が高すぎる…
「とりあえず、避難が済んでいる地区までおびき寄せてそこで戦おう!」
私はその場から離れて、街中で迎撃しようとした。
***
「どうする?ルヴァンシュ正直言って私が戦って10体倒せる未来が見えないんだけど。」
私は少し、慌てながらルヴァンシュに尋ねた。私の攻撃が通らなかった時点で勝てる未来が見えなかった。
「君は少し落ち着いた方がいい…君はわからなかったかもしれないけど君の攻撃を防いだのは1体だけ…君が連れてきた、あの盗賊のボスだった。けど残りの9体は自我を持ってるけど、君よりずっと弱い2体までなら君だったら余裕で対処できる。」
ルヴァンシュはだから落ち着いて…そう言って私を落ち着かせてくれた。
「なら、街中で1体を見つけて倒してくっていう方法をとればいけるかもね。」
私は相手に勝つ未来を2人で探しながら話していると…なぜか街中のスピーカーと、街の4角に建っている塔から鐘の音が聞こえた。
「あーテスト、テスト。えーこの街"カナルディア"は占領させていただきました。街中に5体の怨霊と4つの塔に4体の怨霊そしてこの俺が話している街の中心の塔の上に怨霊が計10体いる。取り返せるもんなら取り返してみろや。"イシュディア"そして"ルヴァンシュ"俺はここにいる次はお前を確実に殺す。」
そう言って放送は終わってしまった。まさか今回の中心があの盗賊のボスだなんて……あの時私が殺していれば……
「イシュディア!……イシュディア!さっさと街を徘徊している音量5体倒しに行くよ!塔の奴らよりそっちの方がよっぽどやばい。僕が場所を報告するから君はさっさと走って!」
ルヴァンシュは速く行くよと言って戦う気のようだった。そうだよね、使用者が怖気ついてどうするのって話だよね。
「よし、いこう"カナルディア奪還作戦"を始めよう……一番近い敵はどこにいる?」
私は立ち上がって気を引き締めた。
「北の方向にとりあえず走って!」
「そこを右!そこを左!真っ直ぐ走ったらぶつかる奇襲を仕掛けてダメージを与得てから戦った方がいいよ思うよ。」
私はそう言われたかから槍を水平に構えながら走った。
「私の名前は…」
相手が自己紹介しようとしている隙に私は相手の脳天にルヴァンシュを刺した。
「ん?何か言ってた……?」
私は相手の方を振り返りながら呟いた。
「そんなのどうでもいいよ次は西の方角だね。屋根の上を走った方が速いと思うからとりあえず屋根の上に行こう。」
私はそう言われたから屋根の上に登った。
「後…4体…」
私はすぐ相手のところに着くのにそのたった数十秒ですら永遠の時のように感じた。
「次は2体固まっているみたい……しかもまだ避難できていない人もいるよ…さっきの突進攻撃で一気に殲滅した方が良さそう。憎しみ2倍呪い3倍でバフをかけるよ。」
そう言ってルヴァンシュは私にバフをかけてくれた。私は相手の体を視認した瞬間に踏み込んだ。
「起きろ!」
私はそう言ってルヴァンシュを相手の体に突き刺した。相手は体を保っていたが、数秒後砂のように崩れて光となって消えてしまった。
「あと2体……」
とりあえず後2体倒したら少しは街の脅威はなくなる……私はそう思いながら1体の元へ駆け寄ろうとした時に相手が上から降ってきた。
「なんで…怨霊が武器を付けてるの……?」
私はさっき見た時までは何も持っていなかったはずの怨霊を見て驚きを隠せなかった。
「いいや…さっき武器屋の中に入って強奪してきただけさ…おっと話している最中にうるさいね…」
そう言って怨霊は私の目の前で泣いて隠れていた子供を殺した。
「お前、、、何やってるの?」
私はルヴァンシュを握る手が震えた。
「いいや?うるさかったガキを一人殺しただけだが?」
そう言って相手は何も間違っていないように答えた。
「何をやってるって言ってるんだ!」
私は身体能力を12倍にして相手に突っ込んで瞬殺した。
「何が……起きた?」
そう言って首だけになった怨霊は何が起きたかわからないように戸惑っていた。
「お前が犯した罪の重さを感じながら死ね。」
私はそう言って子供の躯を抱えなが泣いた。また守れなかった。私が弱いばかりに…。
「ルヴァンシュ、指輪を使わないって約束破っていい?」
私は復讐をするためにルヴァンシュに尋ねた…。
「君がしたいことは、僕が肯定する何でもやっていいよ。」
ルヴァンシュはそう言って許可をくれた。
私は自分の皮装備を脱いで私の前に並べた。
「この防具の名前は……カースこの指輪の名前はエクセラ」
私はこの2つの防具に名付けをして呪いの装備にして少し強化した。私は全ての装備を身につけ、復讐を誓った。
——— もう何も失わない。
NOCHESです。今日は午前中の投稿が2時間遅れてすいませんでした。
次回も頑張って投稿するのでよろしければブックマーク登録、感想、評価お願いします。それでは、次の作品へ行ってらしゃい




