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異世界で探偵はじめました

 父が殺された。
 父は王都でよろず相談所を開設していた。
 父が殺された相談所では金品が盗まれてなかった。
 相談所の記録をつけていたノートの一冊がなくなっていた。
 父があつかった案件でAからZまであった。
 それのSだけがなくなっていた。
 父を殺した犯人が持ち去ったらしい。
 おれは父のかたきを討つべく相談所を継いだ。
 そのころ王都では妙な誘拐事件が起きていた。
 最初に誘拐されたのはパン屋のオヤジだった。
 パン屋のオヤジは覆面をした男ふたりに誘拐された。
 オヤジは狭い部屋にとじこめられて一日中パンを焼かされた。
 うまいパンを焼くまで家に帰さないとおどされた。
 オヤジは一週間目にやっと納得させるパンが焼けた。
 オヤジは目隠しをしてパン屋にもどされた。
 日当として一日につき銀貨四枚をもらった。
 盗られたものはなにもなかった。
 危害もくわえられなかった。
 家族に身代金を要求されてもいない。
 一週間パンを焼かされつづけただけだった。
 次の誘拐されたのは防具屋のオヤジだった。
 やはり狭い部屋に監禁されてこわれた防具を修理させられた。
 新品同然になるまでいくつも修理させられた。
 なにも盗られずに虐待もされなかった。
 身代金も要求されなかった。
 防具を修理させられただけだった。
 その次に誘拐されたのが宝石店のオヤジだった。
 創業二百年の老舗で王都で最も歴史のある宝石店の店主だ。
 誘拐犯は店主の前に大量のガラス粒の山を作った。
「このガラス粒の中に宝石がまざってる。その宝石をより分けろ」
 ガラス粒は小麦くらいに小さかった。
 店主は必死でガラス粒の中から宝石をより分けた。
 十日かかった。
 すべてを終えると誘拐犯がカネをくれた。
 そのあと目隠しをして店に帰された。
 それだけの事件だった。
 店主は店の宝石が盗まれてないかチェックした。
 なにひとつ盗まれてなかった。
 宝石がにせものとすり替えられてないかも確認した。
 ことごとく本物だった。
 店主がおれに言った。
「気持ち悪いんですよ。なにも盗まれてない。店の宝石はすべて本物。なのになにか見落としがある。そんな気がして落ち着かないんですよ。それを指摘してほしくてここに来たんです。私がやつらになにをされたのか教えてください」
 おれに誘拐犯の真の目的が指摘できるだろうか?
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