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2005.1.9 冬のその白さに
寒い
と思ったら
雪
降って
降って
降り積もって
いつか真っ白な世界になったとしたら
僕も
真っ白になれはしないか
と
何となく
ふと思った
でも
それと同時に
手のひらで溶けゆく雪を眺め
この体温がある限り
僕は僕として
ここにできるだけ
少しでも
ながく
あり続けることを
その予感を
漠然と
でも
しっかりと
意識せずにはいられなかった
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寒い
窓に息を吐く
生きてる が
白い膜になった
外は 雪
しんしんと
ぼたぼたと
ひゅんひゅんと
降って
降って
降って
もう 何も見えはしなくなったら
僕も
世界も
境目
なんてなくなって
ただの 白い 何か に なって
ただしろいだけになって
在るも無しもなくなって
僕も世界で世界も僕
なんじゃないかって
ふ
と思った
でも
それと同時に
窓の 外
出した手のひらで溶けゆく雪 眺め
この体温がある限り
僕は僕
ここにできるだけ
少しでも
ながく
あり続けることを
その予感 の
吐く息が空気に混ざらずに白くなる
のを 見た
2022.11.7「冬のその白さに」