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詩集 私の創作史 詩作編  作者: 三屋城 衣智子


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23/28

2007.11.30 忘れてなんかやらない

その人はただそこに微笑んでいました。


なにをするでもなく

というわけでもなく

あたしと おしゃべりをしたり

あたしのわがままに つきあってくれたり

簡単でも食事を作ってくれ 一緒に食べ 遊び

またわがままをききながら おしゃべりして




その人がふと死にたいと泣きました。


時と共に

成長と共に濃密な時間も過ぎ去り

人伝いに聞いたその言葉

どれだけ重いものかさえ

あたしには わかろうと

しようとする事すらわからなくて

嗚呼 こんなにも流れに身をまかせてしまっていた

という事に 今更ながらに気付いたのです




その人はあたしと対話しました。


何も出来ないでいるうちに

一人闘って勝ち取った時間の中

取り戻せないとわかっていても

取り戻したいと願う月日でした

無心に遊ぶ事はもうしないし 出来ないけれど

日々の生活の過ぎている実感を得て

小さな けれどとても大切な

瞳と出会う時間でした




そしてその人はひっそりと 旅に 出かけてゆきました。


ずっと一緒にいた人と

年月は違ったけれど同じ日に

仲良く出かけていきました

そこにあったふうわりとした優しい空気ごと

どこかぽっかり穴が開いてしまったようでした




けれどある時その人は ひと知れず あたしの中に いたのです。


思い出すことも時々で

薄情と思うこともしばしばで

それで落ち込む事はしてはいけない

と思っていました

けれどもふとした言動の中に その人はいたのです

 おこがましいかもしれなくても

 一部としてとけてゆき 一緒に

 あたしを構成している原初になっていたと

 あたしはあたしだけれど

 その人から貰ったたくさんのきらきらを

 この手に 目に 心臓に

 しっかりと握っているのね

 握っているのよ

 と 気付いて言いたくなったのです

忘れているのではなくて

とけて一緒に いるのです

気付くか気付かないくらいの


けれど けれど







その人は笑っていました

一緒におしゃべりをしました

今もまだ ひと知れず


あたしのたましいはその人に語りかけています

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