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【書籍化】 生産スキルがカンストしてS級レアアイテムも作れるけど冒険者アパートの管理人をしています  作者: まるせい


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僕に恨みでもあるんですか?

 頭に白い布をかぶせられたアースをみたリーンとラケシスは放心している。

 目の前にある現実を受け入れられないようで……。


「嘘だよね? アースきゅん」


 フラフラとベッドに近寄るとリーンは崩れ落ちた。


「私が……殺した?」


 一方ラケシスは唇を震わせると目を大きく開いている。

 その表情は罪悪感にみちていた。


「うわああああんアースきゅん。どうしてリーンを置いて逝っちゃうんだよおおお」


 リーンが涙を流しながらアースを揺さぶる。すると……。


「ん、もう。うるさいなぁ……。眠れないじゃん」


「「はっ?」」


 死んでいるであろうアースの声がする。ずるりと布がずれアースは自分を起こした人物を見ると。


「アースきゅんなの?」


「そうですけど……。リーンさん僕に恨みでもあるんですか?」


 せっかく気持ちよく眠っていたのに起こされたアースは不機嫌な態度を前面に押し出した。


「だって……、アースきゅん死んだんじゃ?」


「勝手に人を殺さないでくださいよ!」


「えっ、その布は……?」


「ああこれですか? この部屋眩しくて良く眠れなさそうだったので明かりを遮断するためにマスク替わりにしてたんですよ」


 そう言って布をつまむアース。


「な、なーんだ。良かったぁ」


 ほっと胸を撫でおろすリーンだったのだが……。


「あれ。ラケシスさん? 一体どうしたんですか?」


 何かを堪えるようにしていたラケシスをアースは発見する。

 その表情は泣き出しそうでもあり、笑い出しそうでもあり、悲しんでいるようでもあった。


 ラケシスは様々な感情を押し殺し、顔を真っ赤にすると、


「こんの……馬鹿っ!」


 怒鳴りつけると出て行ってしまった。


「僕なんか変なことしましたっけ?」


「さぁ? アースきゅんはいつも変だけどね?」


 ラケシスが出ていくと2人は顔を合わせて疑問を浮かべるのだった。






「信じられないわまったく!」


 重傷の病室で布をかぶせて寝ているなんて紛らわしいにもほどがある。

 ラケシスは怒りを沸き起こすと大股で歩いていった。すると…………。


「せっかく人が心配してたってのに、何よあの態度っ! 全然ピンピンしてるじゃないっ!」


 てっきり自分の魔法で大怪我をしたのだとばかり思っていたが、完全に無傷だ。

 怒りに身を任せて歩いていたラケシスは立ち止まると……。


「いつの間にか街はずれまできてしまったわね」


 ここは、以前ファイアドレイクを討伐した牧場のそばだ。

 ラケシスはついでに様子を見て行こうと慎重な足取りで牧場へと向かった。


 そして牧場に到着するのだが……。


「嘘……」


 目の前にはとても立派な小屋が建っていた。その出来栄えは熟練の大工が仕上げたかのような綺麗で頑丈なつくりをしていた。


「私が吹き飛ばしてからまだ1週間なのに……」


 時間と金を掛けなければここまでの建物はできない。

 ラケシスは牧場主のポストにお金と手紙を入れたのだが、この小屋を建てるほどの金額まではいれていない。


 一体どういうことなのかと思っていると……。


「おや、冒険者さんじゃないですか」


 牧場主のトーマスが出てきてラケシスに話しかけた。


「その節はファイアドレイクを討伐していただきありがとうございました」


「いや、こっちこそ建物を破壊して悪かったわ」


 いつか言えなかった正式な謝罪が口からでる。トーマスが冷静でいてくれるからこその対応だ。


「いえいえ、良く考えるとあそこで逃がしてしまえば更なる被害が生まれる可能性が高かったですからな。仕方ないことでしたよ」


 ファイアドレイク程のモンスターを倒せる冒険者は中々いない。

 確実に倒す必要があったことは理解していた。


「ところでこれ、どうなってるの?」


 完全に新築になった建物についてラケシスは質問をする。


「これですか? これは一緒に来られた冒険者ギルドの臨時職員のアースさんが手配してくださったのですよ」


「あいつが……?」


「ええ、なんでも『後始末は自分の仕事』だとか言って」


 その言葉にラケシスは表情を変えると……。


「邪魔したわね。行くところが出来たわ」


 その場を立ち去るのだった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 奇面組ですね 解ります
[一言] 眼だけを覆ってればよかったのにw
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