表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】 生産スキルがカンストしてS級レアアイテムも作れるけど冒険者アパートの管理人をしています  作者: まるせい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/84

僕にお任せください

 リーンはアパートの門に背を預けてぼーっとしていると、遠くから歩いてくる知り合いの姿が目に入った。


「あっ! ラケちん! おっかえりー」


「……ただいま」


 実に1週間ぶりにあうラケシスの姿だ。


 本来、街道を通れば徒歩でも3日で辿り着くのだが、ラケシスは魔力の暴走に他人を巻き込むのを恐れてか街道を避けたのだ。


 結果として森を突っ切ることになってしまったようだ。


「今回の依頼はファイアドレイクが2匹いたんだって? 災難だったよねー」


 アースに聞いたのだろう。ラケシスはなぜリーンが知っているのか納得すると、


「別に大したことはなかったわ。どっちも魔法で1発だったし」


 普段通りのふるまいをする。そして「コホン」と咳をしたかと思えば、


「ところでアースは問題ない?」


 リーンへと探りを入れた。


「アースきゅん?」


 リーンが首を傾げる。ラケシスはやや緊張しながらアースのことを聞いたのだが、リーンのその様子に肩透かしをくらった。


「リーン。あなたファイアドレイクの事アースに聞いたんじゃないの?」


 どうもお互いの認識に齟齬がある。ラケシスは首を傾げるとリーンに確認をとった。


「私は冒険者ギルドで話を聞いたんだよ?」


 リーンは顔が広い。色んな冒険者と友好があるので隣町程度の情報なら簡単に手に入るようだ。


「そういえばアースきゅんまだ戻ってきてないんだよね~?」


「えっ?」


 その言葉にラケシスの瞳が揺らぐ。


 あれから1週間も経っている。アースの用事は数日と聞いていた。本来ならとっくに戻ってきていてもおかしくないのだが…………。


「予定よりも随分と遅いけど、何かトラブルでもあったのかにゃ?」


 そこでラケシスは気付いた。


 リーンが門の前にいたのはアースが戻ってこないか待っていたからだ。


 自分はアースが無事に治療院を出てくるのを目撃したわけではない。リーンの言葉が本当だとするとアースはまだ隣町にいるということになる。


「もしかしてアース。重体で動けないんじゃ?」


 ラケシスは顔を青くして呟くと……。


「それどういうことっ!?」


 リーンの目の色が変わるのだった。









「トーマスさん。小屋の建て直しが完了しましたよ」


 ラケシスが街をでた翌日。アースはラケシスの依頼主の元にいた。


「おおお、まさに見違えたようですな」


 なぜかというとラケシスが小屋を吹き飛ばしてしまったせいで、依頼主が途方にくれていたからだ。


「これはお礼です。受け取ってください」


 アースに呼ばれた牧場主のトーマスさんは小屋を見て驚いた。

 アースが「僕に建て直させてください」というので任せてみたが、元の小屋よりも全然しっかりとした作りになっているからだ。


「いえ、うちのギルドの人間が壊してしまったのですから……」


 アースとしてはラケシスが破壊した分を直しただけのつもりなのだが……。


「いえ、このお金なんですがポストに入ってましてな。手紙には『牧場の補填に使ってください』と書かれていたのです。そうなると建て直してくださったアースさんに支払うのが筋でしょう」


 そう言ってアースにお金を押し付けてくる。アースは困りながらも受け取るのだが……。


「そうだ、だったらこのお金で魔導具を買いましょう」


「魔導具ですか?」


「ええ、小屋はこの通り建て直しましたがまだ完璧ではないですよね。家畜の乳を搾ったりバターを加工したりする道具を買い揃える必要があると思うんです」


「なるほど、確かに。ですが、そう簡単に仕入れられるようなものでもないような……?」


「安心してください。僕に伝手がありますので、数日待ってもらえれば用意できますよ」


 本来の目的はここで魔導具を作るつもりだったアース。遠心分離の魔導具なんかについては作り慣れているので片手間に片付けることができる。


「そんなに早くですか。是非お願いさせてください」


 トーマスさんがほっとした顔をする。現在、乳しぼりなどの作業を止めているので一刻も早く再開したいのだろう。


「僕にお任せください」


 そんなトーマスさんにアースは笑顔を向けると、胸を叩いて言うのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 火との心配するほど打ち解けたかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ