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生産マスターその名はアース

          ★


 宮廷の王の間に張り詰めた空気が流れていた。

 玉座には王が座っており、その前には豪華な装飾がなされたテーブルが置かれている。


 玉座より伸びるレッドカーペットの両脇には国の重鎮が整列しており、静かにことの成り行きを見守っていた。


「こちらが、御依頼された品物になります」


 幼さの残る声をした少年は跪きながら王に向かい頭を垂れている。


 テーブルの上には3つのアイテムが乗っていた。

 【剣】と【盾】と【指輪】そのどれもが恐ろしい程のオーラを発している。


「全て、Sランクアイテム――アーティファクトであると鑑定結果がでております」


 王の側近の1人が宣言すると……。


「「「「「おおおおおおおおぉぉーー」」」」」


 ことを見守っていた周囲から一斉に歓声が沸き起きった。


 そんな周囲にたいし少年は微動だにしない。


「見事なりアースよ。弱冠12歳で全ての生産スキルをマスターし、此度のアーティファクトの献上誠に大義である」


 王の称賛に周囲の期待が高まり、アースを見る瞳には羨望が宿った。


「貴様に比肩する程の人材はこの世界のどこにもおらぬ。今後もこの城に留まりその腕を振るってもらいたい」


 王みずからの勧誘にあたりは騒然とした。平民上がりの成人にも達していない少年に国がそれだけの価値を見出したのだ。


 天才少年の出現に国は沸き立ち宴が行われた。

 人々は噂をした。


「彼の存在のお蔭で文明は1000年進歩する」


「彼の武器ならば未開の地のモンスターを駆逐できる」


「彼のポーションなら不治の病も治せる」


 明るい話題が次から次へとでて、誰もが国の安泰を信じて疑わなかった。


 だが、翌日陽が昇ると…………。少年の姿はどこにも存在していなかった。



          ★

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