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とりあえずハンバーグ食って、その先はそのあと考えよう

 午後七時。

 さすがにこのまま部室に居残るのは厳しい時間帯になってきた。

 それに伴って、真っ先に根を上げたのは佳香だ。


「もうこれで十分だろ~、腹減ったよ~、帰ろうぜ~」

「ああもううっさいなぁ……」


 凄まじいスピードで活動日誌の修正を行っていく三春は、(わずら)わしげに吐き捨てた。彼女一人だけで日誌丸々一冊分の修正を終えようとしている。彼女は典型的なデスクワークタイプだ。


 しかし私と佳香はまるで戦力外。そもそもそんな私がこの日誌を書いていなければ、こんな面倒事は起こっていなかったはずである。私ホントどんだけ迷惑かけたら気が済むんだ……。


「沙良、あんた泣いてる?」

「もう私、無力感に押しつぶされて死んでしまいそうだってばよ……」

「無力って自覚はあんのね」

「フォローなし⁉」

「かまってちゃんにかける優しい言葉は私には無いの。それよりどうする? どこか別の場所移動する? このままここにいるのはやばいでしょ」


 三春は筆記用具類を片付け始めた。佳香はすでに片付けていた。それを見て私も慌てて片付ける。


「ファミレス行こうファミレス。こういうときはファミレス行くもんだろ。久々にハンバーグ食いたい。でけぇやつ」

「やー、でもうちのお母さんもう夕食作ってるだろうし、今から外で食べるって言ったら怒りそうだな~」

「てか制服のままじゃ無理でしょ。高校生だし。どのみち長い時間はいられないわ」

「じゃああれだ。とりあえずハンバーグ食って、その先はそのあと考えよう」

「あんたハンバーグ食べたいだけでしょ……」

「あ、そう言えば今日うちはハンバーグだった気がする……」

「マジか! じゃあ佐々野んち行こうぜ! んで泊まろう! 完璧すぎ!」

「バカ、急にそんなの迷惑かかるでしょ?」

「やー、でも楽しそうだし。いいんじゃない? ちょっと待って、お母さんに電話で聞いてみる」


 そんなわけで、私は携帯で自宅に電話をかけた。


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