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とある神様のおもてなし狂想曲  作者: 楽土 毅
戻る日常、残る違和感
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撮った写真にたまたま幽霊を見つけてしまった瞬間のような

 三春と佳香の二人と別れ、私は自転車で家についた。

 庭に自転車を止め、玄関から家にあがる。


「ただいまー」


 ちょうどその頃、パンツ一枚のお父さんがのしのしとこちらに歩いて来ていた。風呂上りのようだ。


「おう。お帰り」

「うん。ただいま」


 そのままリビングに入ると、お父さんもついてきた。


「はぁ……沙良も変わっちまったなぁ。昔はお父さんがこんな恰好してたら、『ちゃんと服きて!』って、顔を真っ赤にして罵倒してくれてたのに」

「……なんでちょっとさびしそうなの?」


 私は少し引き気味に言う。

 しかも罵倒って。それで喜ぶって人としてどうなの? 人に罵倒されて喜ぶとかマジ信じられない。私はぜったいそんな風にはなりたくない。


 台所ではお母さんが晩御飯を作っていた。


――この匂いはロールキャベツか。


「おかえり。今日は肉じゃがよ」


 ――全然違った……。


「未帆はまだ?」

「部活よ。もうそろそろ帰ってくるんじゃない?」


 未帆は中学生の妹だ。バレーをやっている。ちなみに私より十センチも背が高い。


「とりあえず服着替えてきなさい」

「はーい」


 私は手洗いを済ませ、二階の自室に向かうことにする。

 そんな中背後のリビングから「お父さんもちゃんと服着て来なさい! 風邪ひくわよ!」とお母さんが怒鳴る声が聞こえる。


 そしてバチン! と背中を叩く音。「ありがとうございます!」とお父さんは喜んだ。佐々野家は今日も平和だ。


 私は階段を昇り、廊下を進んで自室に入った。明かりをつけ、クローゼットから部屋着を取り出す。そして制服を上から脱いでいく。汗がひどい。早くお風呂に入りたい。


 そして何気なく窓の方を見た。外は暗く、窓には自分の姿が映っている。


 その隅、

 心臓が跳ねた。


 撮った写真にたまたま幽霊を見つけてしまった瞬間のような、テスト終了一分前に解答欄が一個ずつずれていたのに気付いた瞬間のような、全身に電流が駆け巡り、危険信号を一斉に打ち鳴らされたような感覚。


 私はゆっくりと振り返った。

 さっきは気づかなかった。慌てていたからだろうか。


「これは……」


 さっきまで私が横になっていたベッドの上に。


 一本の笛が、


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