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名もなき英雄譚  作者: ばんべあ
最果ての村
1/3

prologue

とりあえず無心で書き続けられる作品として。お試し投稿( ^∀^)

ミスが散見されますが許してください。

遠い昔の話をしよう。誰も覚えていない物語を。




長き戦いとなった第3次人魔大戦が終焉を迎えると、人種の生活は一変した。戦争は多くの犠牲を強いたが、魔族の撲滅だけでなく、思わぬ副産物を伴ったのだった。


この大戦がもたらした副産物。長きに渡る戦争が生み出したもの。

それは大きく分けて、2つある。



さて、戦争で必要なモノは何だろうか。

武器、資金、資源、技術、人口。必要なものは数多くある。その中で、いつの時代も存在するものがある。

その問いに対する答えはもちろん、“兵士"である。


誰だって、わざわざ死地に向かうことはしない。それは生物としての生存本能に反するからだ。

では、優秀な兵士となるためには…?

これまでの話からしても、“教育”が必要である。


そのために、ひとつ、優れたモノがあった。

“宗教”である。

宗教は、精神における問題を解決した。

生活に苦しむものには救いの手を差し伸べ、不安に苦しむものには祈りを。すべての恐怖に対する安らぎを与えた。


死を恐れるすべての信者に、死後の安寧を保証したのだった。


そしてこの価値観は、為政者にとって都合の良いものだった。

死を恐れぬ兵士ほど使いやすいものはなかった。宗教を支援した為政者は、大陸中のあらゆるところに教会を作った。



また、より多くの人間が扱えるように、魔術よりも汎用性が高い魔法を開発した。魔法は魔力と媒体を持った人間なら誰でも使用できたため、莫大な戦果を生んだ。人種よりも遥かに魔術に長けた魔族を圧倒し始めたのは、すべて魔法の恩恵だった。

そして、その後何世紀にも渡って魔法は研究され続け、人種の生活を大きく変化させていくことになるのだが。

とどのつまり、教会が生まれ、魔法が生まれた。


そして、教会は人々の思想に、魔法は人々の生活に、“強く”影響を残すことになる。




教会によって、善悪や法という概念が定着してしばらくして、世界は人々に明確な区別を生み出した。

良きこともあれば悪きこともある。教会の教えは瞬く間に人々に“良識”なるものを植え付けた。

法を守らぬものには罰を。悪しきものは悪しきもの。

それらの概念は、教会や為政者にとって都合の良い、“善き”弱者の生活に潤いを与える一方で、“悪しき”弱者をそれまででは考えられぬほどに虐げたのだった。

かつて、魔族をことごとく駆逐したときと同じように…。








そうして、人魔大戦からの復旧が終わりを迎えた頃。

後世から、後戦紛争と呼ばれた時代。


エウル大陸の北西の果て。クラムと呼ばれる村があった。


そこは、罪を犯したり、迫害を受けた人々が最後に流れ着く場所であった。


住人には都市から罪人として送られたものもいれば、村や集落から逃げ延びたものもいた。


出身も文化もまるで異なる彼らには、一つだけ共通点があった。


誰も他に行くアテなどない、ということが。



クラムの村は農耕などの一次産業で生計を立てており、村長を中心とした身分制度が敷かれていた。

人の生き死には村長の判断で決まり、日々の自由などなかった。


まさに不自由を濃縮したかのような、原始的な社会だったのである。


しかし、誰もがそこに疑問などない。彼らにとって世界とは常に理不尽であり、ここ以外に許される場所などなかったのだから。


そこに、1人の名もなき少年が連れられてくる。


彼もまた、他に場所など赦されなかったのだ。


そして物語は、ここから始まる。




いつの時代も戦争って地獄だよね

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