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みんなで食い違い?

ゴブリンその他魔物と一部モヒカン軍団を倒し、血みどろの道を作った僕ら4人と1匹だったが、エピデュロン・バルツレックス公爵領の【サリセルーガの大穴】のある【グレアム】までたどり着いていた。


お腹も減ったし、暗くなってきていることもあり、宿から出て屋台の串焼きを食べながら4人と1匹が広場にある切り株や程よいサイズのベンチに最適な物を各々見つけて座りながら話をすることにした。


「さて!泊まる宿も決まったことやし!明日から【サリセルーガの大穴】に行くで!」


アケミちゃんが揚々とそう告げる。


「目的は3級討伐対象200体の討伐後に4級討伐対象を1体をアラハ個人で討伐だな」


ジュライアが腕を組みながらそう告げる。


「てか、4級討伐対象を僕一人は無理では?」


そもそも200体倒さなければならない3級討伐対象すら倒せる気がしないって。

実質2級どまりのはずの僕がここまで来られたのはアケミちゃんのごり押しのおかげなので、3級の力すらないのだ。


「アラハさんならいけますよ!」


クラリスが手をブンブン振って後押ししてくれているが・・・後押しする位置がすでに崖で、谷に向けて押し出そうとしているということは露ほども思っていないのかもしれない。

僕に力がないと思ってわかって嬉々として言ってるとしたらサイコパス極まれりなのだが、今まで彼女の前ではなんやかんやあってうまくいろんな敵を撃退できていたからな・・・本気で強いと思っていると思う。


「・・・とりあえず討伐はアケミちゃんやクラナゼットに任せるとして。僕がそんなに急にランク上げ始めたら注目集めないか?」


4級に上がることが必要だと考えてここまで来たわけだけどさ。


【メルの町】では注目を浴びてはいたが、それほど大きくはない町だったしそれ以上に注目を集める聖女様や騎士団長などのちょっと個性的なメンツもいたのもあって、一般的に普通ならなれると思われている3級に上がったぐらいならまだ注目も集めなかっただろうが、ここで3級に上がったばかりのやつが短期間に4級上がったら注目を集めるのは必須だろう。


【メルの町】では注目を集めたところで【ろくでなし】とか取るに足らない奴と認識されていたのもあってすぐに話題から消えるだろうが、ここでは僕のことなど知る者はほぼいないからそういう偏見もない。

【メルの町】の土地面積的に10倍を超える大きさで人口も多いこの【グレアム】で何か注目を集めればどこから魔王に僕の存在がばれるともわからない。


「大丈夫やで!4級討伐対象を倒す頃にはアラハちゃんはめちゃ強くなってるで!」


「ここまで来ていうのも何なんだけどさ、ちなみになんだけど、その根拠は一体何なの?」


「アラハちゃんの成長を止めていた呪いはもうないやろ?経験値も入るから強くなるで!パワーレベリングっていうんやけどな」


たしかに年だけ食っていくが、ステータス的な部分の成長が完全に止まる呪いはすでにないが、それによってどれほど僕が成長できるのか・・・

それに、パワーレベリングか、たしか強い冒険者に連れて行ってもらい、レベルを上げる行為だったか、貴族の人間はそれで安全にレベルを上げるとか聞いたことがある。


「まあそうかもしれないけど」


そして、経験値はたしかに同じパーティ内にいれば入ってくるはずだけど、攻撃に参加してない人間は結局のところレベルだけ高いハリボテでしかないだろう・・・

実際、高難度のダンジョンなどでは3級討伐対象などをパーティで倒すパーティだって多くいるが、経験値がたくさん入っているだろうが、とんでもなく強くなっている人間はそれほど見ないことからもレベルだけ上がっても強くなることに必ずしもつながっていないのではないだろうか?と思ってしまう。


「アラハちゃんが言いたいことはわかるで?経験値は入っても必ずしも強くならないんや。あくまで技術を身に付けやすくなって、鍛えれば強くなりやすいというだけでなぁ」


「やっぱりそうだったんだ」


道理で。

だとしたら、僕が強くなると確信しているアケミちゃんには何か考えがあるのだろう。

僕にしかない能力・・・勇者の力を過信している?

いや違うな。彼女は最初からそれに頼る気はないのではないだろうか?

僕にあるもう一つ他の人と違うのは・・・


「【栄養超級】、か、アケミちゃんは僕に何かの魔物の魔核を食べさせようとしてるんだよね」


「そうやねん!それの能力さえ手に入れれば、魔王を倒すための重要なとっかかりになるんよ!他の場所にも行かないといけないんやけどな」


ここで、それまで黙っていたジュライアが口を開く。


「で。その魔物はどこいるのかまでは聞いてなかったな。最優先で倒しておいた方が良いだろ」


「あー!それな!たしか小さい部屋にいてな、13階層に降りるところを塞いでる形になってるんや!首の長ーい奴やで!」


ジュライアが「・・・ん?」と首を傾げた。


「・・・え?」


「・・・アケミ、以前に2階層って言ってなかったか?


「そうやったっけ?」


僕も記憶を手繰りつつ口を開く。


「記憶が正しければ、【サリセルーガの大穴】て10階層までしか攻略されてないよね」


「・・・」


「「「「ん?」」」」


4人と1匹が首を傾げている。

陽はもう、水平線に隠れ始めている。


次回!おっさん、秘密裏に行動するはずが大注目の攻略組として活動?!

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