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賢英帝 劉禅  作者: 三国 志浪
11/21

素の馬謖

頑張れ~馬謖!応援しています。

レビューというのは、どうやったら付くのかな?楽しみにしています。

山上に陣とった馬謖軍は、まずは大量の水を汲んできた。1か月は食料と水に困ることはない。その後は、馬謖は趙兄弟と作戦を立てるため話し合った。馬謖は、二人に平伏して、

「あなたたちのお陰で死をまぬがれることができた。しかしながら、あなたたちも共に死地へ連れてきてしまったのは、なんとお詫びをしたらよいか、本当に済まない。どうか許してくれ」馬謖は、音がするほど額を地面に付け泣きながら何度も謝った。

「将軍、やめてください。それよりもどうすれば良いか共に考えましょう。さあ、お立ちになって」二人は馬謖を助け起こす。馬謖は、何度も何度も頷き、涙を払うと「この馬謖にも意地がある。あなたたち二人は絶対にここから生かして帰してみせる」そういうと山の中を走り回って、山の地形を把握し始めた。そして、100名の兵にあれこれ指示を出し、自らも作業に没頭した。趙兄弟は自分達は何をすればいいかと聞くが、馬謖は、「命の恩人であるあなたたちを働かせるわけにはいかない。ゆっくりしていてくれ」と言われた。しかし、それでは落ち着かない。何かやらせてくれと頼むと馬謖はしばらく考え、では大軍がここにいるように旗を大量に掲げてくれと依頼された。趙兄弟は、大量の大将旗を良く目立つところに、あたかも大軍が陣取っているように掲げて回った。準備をしていると暗くなってきたので作業を中断し野営を命じる。馬謖と趙兄弟は一緒に夕食をとることにした。馬謖は趙兄弟に様々な話をした。生い立ちや幼少の出来事、仕官に至るまでの経緯、今後の国の有様などその話しは多岐に渡った。話してみると馬謖は、たしかに大才の持ち主であり、民政向きだという印象を趙兄弟は持った。趙統が怒られるかなと思いつつもそのことを伝えると、以外にあっさりと民政が得意だと彼自身も言っていた。

(死を覚悟しているな)死を覚悟しているから自分のことを語りたくなっているのだろう。もうすぐ死ぬのだから見栄を張る必要も無い。馬謖という人は、もともと素直で穏やかな人なのだろう。身分や立場で人が変わる、そういう人間もいる。さすがの孔明もそこまでは読みきれなかったみたいだ。いや、孔明の前では見栄を張る必要が無かったのだろう。孔明の知る素の馬謖、それが目の前にいる馬謖である。

最後に馬謖は、「大丈夫、お二人は私の命に代えても陛下の元にお帰しします。明日からの戦に備え寝ましょう」そういうと、自分の幕舎に戻った。馬謖の口からは、今回の陛下に対する恨みや不満は一言も出なかった。

「良い男だな」

「ああ」

二人は眠りについた。

次回は「罠」です。楽しみにしていてくれたら嬉しいです。では!

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