プロローグ
"世界は光によって生まれ闇によって滅ぶ"
はるか昔、この世界は創られた。
この地で誕生した全ての生命が、繁栄と滅亡を繰り返し、時を刻む。
弱肉強食。食物連鎖。生命同士、種族の生き残りをかけた争いは耐える事は無い。
種の存続の為、生き抜く術を遺伝子として後世へ繋ぐ。
こうして進化を続けた種族が、やがて知恵をもち、高度な文明を築き上げた。
現在この世界の食物連鎖の頂点に君臨する種族。人間。
"光は唯一を照らす"
やがて彼らは同族同士で争うようになる。
人種の違い、文化の違い、信仰の違い―。
何度も大きな衝突が起き、その度に多くの命が奪われた。
やがて世界は国境で仕切られ、争いは落ち着きを取り戻したかに思えた。
人間は世界中で繁栄を続け、新たな争いを引き起こす。
大気汚染、貧富の差、食糧難、核兵器―。
ついに、最後の戦争が勃発。
―世界統一戦争―
戦争後、国境は消え世界は統一された。
人間同士の戦争禁止。
世界人口の半分以上をこの戦争で失った代償は大きく、文明は著しく後退せざる負えなかった。
この体制が軌道に乗る頃には、更に人口が減少。
人間たちは一つの大陸に纏まるように移り住んだ。
そんな種族の成り行きなど、他の種族にとってはむしろ朗報だった。
長い間、居住地を奪われながらも絶やすことなく繋いだ命。
多くの生命が自由を手に入れた。
だが人間の身勝手は、そんな彼らを遂に蝕む事となる。
―HA計画(ハイブリッドアニマル計画)―
衰えた文明を回復、発展させる為に提案された動物実験計画。
動物を労力として度々利用させて来たが、当然不便が多い。
同族平和にこだわるが余り、歪んだ実験が始まってしまった。
強行突破ともいえるこの計画で、新たな労働力が誕生した。
"光は人間など認めない"