紺のVネック
君は何を考えているんだろう。
「うわぁ」
「え、??」
元カノの再開は突然のものだった。
2年生の春。
今年の春は遅く、ようやく桜がつぼみを明け始めた。
「なんでいるん?」
という問いかけに対して
「だって、入学してんもん」
と、君は答えた。
高校生の時、一つ下の彼女が出来た。
部活が一緒だったわけではない、
それまで一度も関わったこともなかったが
春は突然訪れたのだった。
しかし、春もいつまでも続かず、
季節よりも先に冬が来た。
君とはそれ以来、すれ違うことがあっても
言葉を交わしたことはなかった。
「そうなんや、おめでとう!」
「学部はどこなん?」
君は僕と同じ学部の名前を答えた。
しかし、あえて同じだとは言わない。
同じだと言ってしまっては、これから関わる機会が増えてしまうかも知れないからだ。
「へぇーそうなんや、頑張ってなー」
「ありがとうー!」
そう言って君はその立場を立ち去った。
君の後ろ姿を見ながら考えた。
君は何を考えているんだろう。