3-0.着信
第3章 『新米農家 都に行く』の0話です。
遅くなりましてすみません。本章は農業要素は少なめです。
ちゃんちゃららん 「緊急連絡機能が起動されました。至急応答してください」
「は?」 回覧板から不思議な声が聞こえてきた。
ちゃんちゃららん 「緊急連絡機能が起動されました。至急応答してください」
しつこいな。なんだろう?
良く分からないが、画面に応答と出ているので押してみる。
「突然の連絡、大変失礼致します。私、転生者管理局のシュンスケと申します。サトルさまの回覧板で間違いありませんでしょうか」
「はい。いや、はい?」
回覧板に会話機能なんてあったのか。ますます、スマホ感がでるな。いや、それより誰?
「ありがとうございます。突然の連絡に驚かれていることと存じますが、重要な案件につき、回覧板の緊急連絡機能を活用させて頂きました。通信料は局が負担しますのでご安心下さい」
「はあ」
緊急連絡機能。緊急連絡網みたいな感じで言われてもピンとこない。
「要件から申し上げます。誠に恐縮ではございますが、王都エルディアの転生者管理局までご足労頂きたく、考えております。王都までの案内は第12ギルドに同伴するよう依頼しておりますので、ご安心下さい」
こちらがカットインする隙を与えてくれない。相手のペースで話が進んで行く。
「また、あなたに危害を加えることは基本的にありません。今回はあくまでも任意での招集でございます。とは言え、当方としては、是非ともご来局頂きたく考えております」
基本的に、という言葉から言外の強いプレッシャーを感じる。
「はあ、分かりました。それでは、ギルドからの連絡を待てば良いですね」
「ご理解ありがとうございます。王都までの道のりはギルドにお任せ頂くといくことで問題ございません。その他、スケジュール等も第12ギルドに伝達しております」
「あ、ありがとうございます」 いや、感謝することじゃないわ。咄嗟に出ちゃった。
「転生者管理局に到着されましたら、内線回覧板にて、広域危機管理部長第12地区対策室長のシュンスケをお呼び出し下さい。それでは、どうぞ、よろしくお願い致します。失礼致します。」
ガチャっと言う音とともに電話が終わる。と、同時にドアを叩く音が聞こえる。今日は騒がしいな。