03話 スージィ検証を始める
若干(?)のエチぃ描写がございます。苦手な方はご注意ください。
「う~むうむうむ! どうしたもんだろ!?」
眉間を寄せ、むぅ と口をへの字に曲げて、悩ましげに呟いた。
今は水辺の大きな岩の上に座っている。
岩の上でガッツリと大股を開き、左手は左の腿の付け根に置き肘を張る。
右膝に右肘を乗せ掌に顎を乗せていた。
年頃の娘がする佇まいにしてはオッサン臭い。
まぁ、中の人は32のオッサンだが。
「スキルコンボ試すとか言っても、全部最初に爆ぜちゃうから続かないしなぁ……」
スキルを試し撃ちしているウチに、判った事がある。
今使っているエンチャンター職のスキルだけでは無く、サブ職は勿論、同じアカウントで作った別のキャラのスキルまで使えるのだ。
「これってチート過ぎんだろ!」
つまり、自己強化可能な上、タンカーの硬さ、耐久力を持ったまま、アタッカーの攻撃力、魔法の砲台にもなって、自力回復も可能という。
「ま・さ・に! 夢の仕様!! まぁ夢だからねっっ!!!!」
因みに、調子に乗ってスキルの試し撃ちを重ねた結果、森が広範囲で酷い状態になっている。
木々は薙ぎ倒され砕け、地面のあちこちは大穴が開き、窪んだり盛り上がったり燃えたり融けたりと、どこの戦場だよ!?と云う有様。
大変な自然破壊行為である。
レーダーも、およそ半径10キロほどの範囲が把握できる事が分かった。
今現在、5キロ四方にMobの反応は無い。完全に枯れている。デスゾーンである。
そんな背面の地獄の様な有り様とは打って変わり、目の前に広がるのは、とても長閑な癒し空間だ。
鬱蒼とした森の中で、そこだけ別世界のように水の音が響き渡っていた。
周りから切り取られた様なその場所では滝が落ちている。
落差は10メートル程、滝幅は20メートル程だろうか、数メートル突き出した岩から水が落ちている為、滝の裏側には空間がある。
落ちる水はシルクのカーテンの様だ。
滝の裏側の空間は人も十分通れる広さがある。
滝の上に茂る広葉樹の葉の間から差し込む陽の光が、滝の表面と裏から当たる乱反射で、滝の水そのものが淡い光を放っているようにも見える。
水のカーテンが落ち込む滝壺は、白く泡立ち飛沫を舞わせていた。
水量が左程多くは無い為か、深さは人の膝上ほどだ。
それでも水はエメラルドグリーンに輝き、水底にライティングが施されているが如く、煌めき輝いていた。
水場は20メートル四方に広がり、そのまま川幅が狭まりながらゆっくりと下流へ流れていた。
滝の音、川のせせらぎ、風に揺れ擦れる木の葉のざわめき、時折聞こえる野鳥の声。
マイナスイオン天国の癒しの空間である。
スージィは、その清涼なキラキラと瞬いては揺れる水面をみながら……。
「『パッシブスキル』も効いてるのは判るんだよねぇ……全職分!ステータス画面見られないけど、どんなことになってんだろ?夢とはいえちょとコワイわ……」
一筋タラリと汗が垂れる。
「一撃で飛び散っちゃうのはどうにかしたいなぁ、予備の装備でもあればちっとは……?あ、インベントリ使えるな……」
意識すると、インベントリ内の持ち物がイメージとして浮かび上がってきた。
「うおっ! 多い?!! これも全キャラ分かぁ……、予備装備あったかなぁ……あれ?倉庫?倉庫も使える?! まぁ倉庫NPCがその辺に居るとは思えないけど……いいのか? あ、ギルド倉庫もある? そかスージィはギルマスだったな。にしても、夢チートっパないっすわ!」
倉庫の収納を増やす為の、倉庫用個人運営ギルドの分まである事が分った。
「ギルド倉庫が使えるなら、育成用の装備が引っ張り出せるな……」
「ふむ? 一旦インベントリへ移さないと装備できないか……をぉ!! 水着はけんっ!!」
そう嬉しげに小さく叫ぶと、岩から立ち上がり水辺に飛び降りて、そのまま水鏡に映る自分の姿を見下ろした。
フルアーマーで武装された姿が、カシャリと画面でも切り替わった様に、一瞬で白いワンピースの水着姿になった。
胸の谷間が強調され背中も大きく露出し、Vゾーンの角度も中々際どい。
「をを! やっぱり一瞬でお着替え可能か! 流石お便利夢仕様! ……それにしても、これは中々……」
腰に手を当て、左右に身体を捻じらせながら水鏡に映る自分の姿に ほぉぉ と感動した様な溜息を洩らした。
「ふむふむ! さて、コッチはどうかな?」
するとワンピースの水着が、白のマイクロビキニへとやはり一瞬で変わった。
「おぉぅ! これも結構な凶悪さがありますな!」
と、嬉しそうに胸の下で腕を組んだり、頭の後ろに手を回したりとグラビア的なポーズを色々してみる。
「やはり女キャラ使ってるうま味ってコレだよなー! 自分で好きな衣装着せて好きな恰好させられる! 夢よありがとぅぅ!!」
なにやらとても満足気だ。
「あぁぁっ! もしかしてっっ!?」
ハッと何かに気が付いた様に顔を上げた。
「これはひょっとして……イケルって事でしょか?!!」
フッと突然水着が消え、ブラとショーツだけの下着姿になった。
「やはり装備全部外すと下着になるか……、問題は、……ココからだ」
ゴクリと唾を飲み込んだ。
身に付けているのは、タンクトップの様なスポーツタイプのブラだ。
シャツを脱ぐように一気にブラを捲り上げると、ポロリと形の良い白い双丘が露わになった。
外したブラを近くの草の上に置く。
「やた!! 脱げたっ! 脱げましたよーー!!!」
全力の歓喜の声だ。
「いやーー夢のようだーー夢でよかったーーーー夢よありがとぉぉーーー!」
感極まった声を上げながら、両の掌で、何でも出来る二つの膨らみを包み込んだ。
所謂『手ブラ』と云うヤツだ。
「ンむむ……Bくらいはある、よね? ……Cマイナス、とか? ……いや! Cだな! Cにしよう! 推定Cカップ!!」
などと、二度三度と手を動かしながら、思い込むように、言い聞かせる様に呟いた。
「ひんぬーキャラ選ばなくて良かった。ホント良かった!」
何かが溢れかけている様だ。
「……つ、次は……いよいよ最後の砦……」
そう言いながらショーツに指をかけ、一つ深く息を吸い込むと、カッ!と目を見開き、意を決した様に ズルリッ! と勢い良くその最後の砦を脱ぎ降ろした。
脱いだ後、手に持ったソレをマジマジと裏を表をと見入ってしまう。
だが直ぐに、ハッと我に返り 何やってんだ自分? と頬を僅かに染めながら、ソレを草地に置き改めて水辺まで足を進めた。
そのまま足首まで水の中に入った所で足元に目を落とし、水鏡に映る姿を確かめてみる。
「二十歳前後ってとこかな? 女子大生って感じ……かな?」
何も遮るモノの無くなった体を、改めて眺めながら呟いた。
身体の線を探る様に、右に左に身を捻りながら自らの身体を水面に映し、それが我が身である事を確認して行った。
そのうちに意識が自ずと下方に向いて行く。
ゴクリと思わず唾を飲み、頬も多少上気している様だ。
「……うむ、ココは男であれば探究せずには済ませられない領域……。見なかった事にして通り過ぎる訳にはいかない!」
躊躇いがちだった手が意を決したように動き出す、そして……。
「……ふ、ンむ? ン! ンむふぱぁはっーーーーーーー?!」
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清流のせせらぎと優しげな野鳥の声が響いて行く。
スージィは水辺に茂る草の上に力なく横たわり、全力疾走した直後の様に呼吸がとても荒い。
頬も紅潮し、全身もひどく汗ばんでいる。
「…………ヤッベ! これヤッバくね? ……女ヤッバイ……」
呼吸が乱れたまま、身体を横に向けて起き上がろうとするが腕に力が入らない。
諦めて仰向けになり呼吸が整うのを待つ事にした。
鼓動を確かめる様に右手を心臓の上に置き、右膝を立てそのまま空を見上げた。
「……女ってすんごいなぁ……」
何かしみじみと感慨深いとでも言いたげに呟いた。何が凄いのかは詳しく言えない。
やがて呼吸も落ち着き、上下していた胸の動きもゆっくりと穏やかになって来た。
「…………………」
落ち着いて来ると、また何やら意識がそちらに向いていく。
そちらに向くと、またモゾモゾと動きはじめ、そして…………。
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もう陽が頂上を越え、午後の日差しを帯びてきた。
「……………」
「……や、やばいよ……程々にしないと…エンドレスに、なっちゃうよ……ヤバいよ……、程々に……しよう…………」
程々にやるらしい。
色々修正して、多少落ち着いたかと思われます^^;;
2019/7/13 修正。