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プロローグ2

説明が多くてすいません。段々面白くなる!…予定。


11月28日訂正済み

 リンディを見ていると思い出すのは、ランクアップ試験を受けようとした昨日のことだ。

 俺は、ランクアップ試験を受けようと冒険者ギルドへと向かっていた。10歳の頃から冒険者として活動していた俺は、王都の冒険者の中では中堅と言っていいランク、Dランクになっていた。そして、今回の討伐依頼を達成したことでランクアップの条件が満たされたのだと、受付嬢が話していた。

 話を聞いたその場で、ランクアップ試験の予約を入れた。それが、やっと今日なのだ。

 Cランクへ上がるための試験では、戦闘が主に見られるらしい。戦闘能力が基準値を超えているかどうかが、一番重要らしい。


 受付に顔を出せば受付嬢には、頑張ってくださいの一言と共にギルドの訓練場に送り出された。訓練場には、今回の試験官と共に試験の対戦相手が待っているらしい。

 実際に行ってみると、50代くらいのおっさんと、20代と思しき美人がいた。50代のおっさんは受付の中で忙しそうにしているのを時々見かけていたので、美人が俺の対戦相手なのだろう。


「セリカ・トーラスだ。今回君のランクアップ試験の相手をさせてもらう。私はAランクと分不相応な評価は貰っているが、全力でやらせてもらうので、よろしく頼む。」


 分不相応というが、俺ですらわかるほどの力量の差にゾッとする。同時に勝手に勝つための戦略を立てはじめる自分の脳みそから勝ちたいという感情を自分が持っていることに戦慄した。


「シエルです。戦う以上は勝つために戦います。よろしくお願いします。」


 弱者である俺が勝つためには、相手をよく観察するしかない。そうすることで勝つためのピースを揃え、実際に勝ちへと結びつける。それが俺の戦い方だし、そうやってDランクまで上がってきたのだ。


「では、今回の試験を始めさせてもらう。勝っても負けても、こちらの判断でランクアップの結果を発表させてもらう。なので、悔いの無いように戦ってくれ。


 始め!」


 セリカさんが一歩、踏み出す。そのままの勢いで剣を振り下ろす。目で追えなかったわけではないが、達人と言えるほどの人物の剣だ。見えていても、体が動かなかった。

 一瞬遅れて、俺が地べたへの突進を敢行する。そうしなければ、動きが遅れてしまった俺では反応できなかった。

 地面を転がった俺は、腕で自分の体を跳ね上がらせると同時に風の魔法で自分を吹き飛ばす。

 セリカさんの呆けた表情に笑みを浮かべそうになるが、そんな場合ではないとさらに魔法を飛ばす。今度使った魔法は土魔法で、細かい石礫を飛ばす魔法だ。魔法使いなら簡単に防ぐし、当たってもダメージは少ない。しかし、相手の動きを鈍らせるのに、使いやすい魔法だ。

 しかし、俺の予想派、簡単に裏切られた。セリカさんが振るった剣の風圧で、石礫を吹き飛ばしたのだ。


「ふむ、反応もいいし、魔法も正確だ。それに、発動に時間のかかる上級魔法よりも、無詠唱で使える下級魔法を使っているのも、評価できる。


 では、そろそろ、本気を出そうか。」


 セリカさんはそう言うと、剣に魔力を込め始めた。すぐに剣が炎を纏わせ始めた。属性剣が使えるとは予想外だった。

 それに、癖も何も見つけられていない。この状態では勝てない。


 俺は、電撃魔法を放つ。俺の奥の手の一つだが、出し惜しみをしている場合ではない。

 セリカさんは驚いたような表情をしたのち、腰に差していた短剣を電撃に向かって投げた。セリカさんの正確な対処に驚くが、十分に効果が見込める行動に一息つく。

 いくつか隠し持っている魔法陣を使えば、状況は良くなるだろう。ただ、それもすべて対処されてしまえば、俺は狩られるだけのカモになってしまう。できるなら、今ある手札で追い詰めたい。


「電撃まで無詠唱とは、君の才能はとてつもないな。」


「ありがとうございます。勝つつもりですから、手札を惜しむわけにはいきませんし。」


 近距離はダメ、遠距離でも並みの魔法なら切り伏せられて終わり、電撃も対処されるでは、正直、勝てない。ならどうするか…。

 並ではない魔法を使うか、電撃に対処できない状況にするかのどちらか。


 たとえ、ギルドだとしても手札は曝したくない。なら、並ではない魔法を使う方にしようと決めた。俺が上級まで使う事もギルドは把握している。


「これが僕の限界です。

『燃えよ、燃やせよ、燃やし尽くせ、炎燃の監獄!』」


 俺の限界値、炎の上級魔法。他の魔法も考えたが、対処しづらい上に威力が出しやすいのはこの魔法だった。それに、相手が火魔法を使っているのに、魔法使いの俺が別の魔法で戦うのはなんだか悔しかった。


 だが、俺が放った魔法はセリカさんの剣によって簡単に切られてしまった。これがAランクなのかと力の差に愕然とした。


「参りました。」


 俺はそれだけを告げて、頭を下げた。まだ、できることはある。でも、この魔法を簡単に切られた時点で、生死をかけた戦闘になってしまう。


「ふむ、Cランクでは勿体ないほどの腕前だな。死なない程度に手加減しているのも評価できる。しかし、計算が多すぎる気がするな。もう少し直感を大事にしてもいいんじゃないだろうか。」


 これまで、傍観していた試験官のおじさんがやっと口を開いた。


「確かにセリカの言うとおりだと思いますよ。ただ、正直、貴方に足りないのは経験と思い切りでしょう。まぁ、本気を出せば結果は違ったかも知れませんね。

 と、言うわけでCランクのランクアップ試験は合格です。


 それよりセリカ、貴方達が受けた依頼、もう一人メンバーを捜していたでしょう?彼なんてどうです?索敵能力も高いですし見ての通り遠距離も中距離もいけます。貴方には敵いませんが近距離も中々のものですよ。

 器用貧乏に聞こえますが、Cランクの中でも才能だけなら上位ですよ。」


 何を言っているかわからなかったが、俺を彼女たちと一緒の依頼を勧められたのだろう。


「確かに、彼ならば、実際に戦ってみて人となりもわかっていますしね。フィエルに相談してみましょう。」


「だってさ、シエル君も彼女たちと依頼を受けて色んな事を教わるといい。勉強になるよ。」


 せっかくだからと、頷いてしまったのが運の尽きだったのかも知れない。

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