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第八話:今日も日本は平和です。

 本編とは全く関係ありませんが、私は必殺仕事人シリーズが大好きです。

 しかし、最近の必殺仕事人はジャニーズを使いすぎな感じがして少しつまらないですね。松岡さんのキャラと武器は好きなんですが・・。なんだよ武器が小刀って!仕事人ならもっとクールに仕事をしろよ!なんか泥臭いんだよ!

 私が一番好きなのは簪職人の秀さんなどがいた頃ですね。名前は忘れましたが三味線職人の人の殺し方が最高にクールでかっこ良かったです。背中に背負う『南無阿弥陀仏』に見惚れましたね。

 あの頃の必殺仕事人をもう一度見たい・・。

 ついに警察庁へ行く日となった。メンバーは晴明と"ご隠居"と俺。サトリはあの後もしばらくごねていたが、最後には渋々店に残ることを了承してくれた。正直そんなについて行きたがっているサトリちゃんを置いていくのは心苦しかったが、それがサトリちゃんの安全のためなら仕方ないことだと思う。俺は最近買ったばかりのリュックを背負い、出発の準備を整えた。


「響也、お主何故そんな大きいリュックを背負って行くのじゃ?依頼を聞きに行くだけなら荷物は必要ないじゃろうに・・。」


 俺のリュックを見た"ご隠居"がこてんと首を傾げてそんな疑問を口にした。あ、そこつっこまれちゃうかー・・。俺は若干恥ずかしさを覚えつつその疑問に答える。


「いやー・・何ていうか、俺、荷物を大量に持っておかないと落ち着かないんですよね。いらないと分かっていてもつい大きなリュックを使っちゃうんです。」


 これは小学生の時からの癖だ。俺は、クラスメイトに道具などを貸すことが多く、必然的に鞄の中に余分な折り畳み傘やハサミなどの道具を持ち歩く癖がついてしまった。今では、それがグレードアップして災害時に備えた乾パンなども入れてある有り様である。昔、友人に「転ばぬ先の杖の行き過ぎ」と言われた時は、否定できず乾いた笑いが漏れたものだった。


「あー、そんな奴いるよな。響也とかはいかにもそんなタイプって感じだ。」


 俺の背負うリュックを見て、晴明もそんな感想を漏らす。で、でも今日は流石に乾パンとかは入れてませんよ!?こう見えてそんなに重量はないので別に支障はないはず・・です。何故か昨日の夜確認した時より少し重い気もしますが・・。


「晴明せんぱーい!"ご隠居"せんぱーい!響也さーん!迎えに来たっスよー!」


 俺が自分のリュックに思いを馳せているうちに、カワちゃんが店の扉を勢いよく開けて俺たちを迎えにやって来た。今日はカワちゃんの車に乗せてもらい警察庁まで行くのだ。

 既に出発の準備はできているので今すぐにでも行けるのだが・・俺は店の中をキョロキョロと見渡す。そんな俺の様子を見た"ご隠居"が話しかけてきた。


「どうしたのじゃ響也。何を探しておる?・・もしかして、サトリか?」


「はい・・。あれだけついていきたいと言っていたので、見送りに来るかと思ったのですけれど・・。」


 俺がそう言うと、"ご隠居"はその形のいい顎に手を添え、少し考える素振りを見せた後でこう言った。


「確かに妙じゃが・・。恐らく、部屋に籠って拗ねておるのではないか?奴は顔に出ないだけで結構感情豊かじゃからな。」


 ・・確かに、"ご隠居"の言う通りサトリちゃんは割りと感情豊かだ。俺に向けてくる好意は本物だし、実際に昨日は自分で拗ねたと言っていた。それなら、部屋に籠っているという"ご隠居"の仮説はなかなかに説得力のあるものであった。


「おーい!いい加減にもう行くぞ!」


 晴明からの催促を受け、俺は慌てて駆け出した。晴明は既に店を出ており、先程まで俺の横に居たはずの"ご隠居"もいつのまにか晴明の横にいる。

 ・・ドアを出ようとした時にリュックが引っ掛かり、やはりもう少し小さいリュックの方が良かったかと少し後悔した。


▼▼▼▼▼


 カワちゃんの車で移動すること十数分。俺たちは、目的地である警察庁前に到着していた。

 それにしても・・別に悪いことをしているわけでもないにも関わらず、いざ警察庁を目の前にするとめちゃくちゃ緊張してくる。これが小心者日本人の性なのか・・。


「へー、ここが警察庁か。意外にショボいな。」


「そうじゃな。もっと威圧感のある感じにすればよいのではないか?」


 ・・どうやら、二人は小心者などという称号とは無縁の存在らしい。二人を慕っている様子のカワちゃんも、


「しょ、ショボいって、ここ一応オイラの職場なんスけれど・・。」


 と、若干顔をひきつらせていた。

 しかし、そんな二人には慣れているのかすぐにいつもの調子で俺たちを警察庁の中へと案内してくれた。

 警視庁の中へと入った瞬間、警察のものと思われる無数の視線が容赦なく俺たちへと注がれた。まあ、それも無理もないことだろう。カワちゃんは警察だから問題ないとして、俺たちはかなり場違いだ。特に、"ご隠居"の存在は良くも悪くもよく目立つ。


「なんだあいつら!?カワちゃんが変な奴ら連れてきたぞ?」


「見て!あの人凄いイケメンよ!もしかしてカワちゃんの彼氏さん!?」


「あら、後ろの彼も前の彼に比べたら少し地味だけどなかなかいいじゃない。私、彼の方がタイプかも。」


「「「「そんなことより、真ん中の着物幼女だろ!何だあの可愛さは!!逮捕級だぞ!!」」」」


 ・・あれ?ここ警察庁だよね?何か警察の台詞と思えないようなものがいくつか聞こえてきた気がするんだけれど。


「・・おい、童児。日本の警察はどうなってるんだ?」


「どうって・・皆仲良くて楽しいいい職場っス!」


「日本が平和ってことだけは分かるのう・・。」


 前から聞こえてくるそんな会話に、俺はこの国の未来が少し不安になった。

 次回、警察庁長官、他一名の登場です。

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