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②
私は昼食を済ませて警備のため城壁の裏側を歩いていた。
「え!?」
予期せぬところに不意打ちで石ころがあり、鍛えているのにつまづいた。
「……痛くない?」
木に持たれかかる人がいた。
「なんだクレイファか……」
「スキャルヴァード殿下!?」
なんでこんなところに彼が寝てたの!?
「寝込みを襲うなんて騎士道に反するんじゃないか……」
殿下は護衛もつけずに寝息を立てている。まさかの無防備に裏庭で居眠りする王子。
これには暗殺者もびっくりするだろう。
「ええと……一先ず私がついていますね」
ただでさえ睡眠時間がなく忙しい彼を起こす気になれない。
人を呼ぶ間に何かあったら大変だし、と頭の中で都合よく言い訳した。




