表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

第四話 学院




「ふぅ」



そう一息つく彼女。

そして水浸しのまま地面に倒れて動いてない豚男。

俺が今から取る行動は一つしかないだろう。

彼女が自身満々な様子でコチラを振り返ってきた。



「どうですか!」




「え、えっと」

「朝はチョーシこいてて」

「すんませんでした!」


「え、どうしたんですか!」



The☆土下座である。

いえいえ。

あなた様の逆燐に触れないようにしているだけです



「ちょ、ちょっと!」

「コッチの方から目を逸らさないで下さいよ!」

「なんか私が悪いみたいな状況に見えるじゃないですかぁ!」




※※



「分かったから、無視しないから不貞腐れるなよ」


「ふんっ!」


「ホント悪かったって」

「えっと」

「名前なんだっけ?」



「そういえば、まだ自己紹介はしていませんでしたね」

「私はリンっていいます」





リンちゃん。

カエルのリンちゃん。

カエルのリンちゃんって歌が某教育番組であったな。

リンリンリリルララ♪すってんころりん♪

リリルルララぽろり泣いちゃった♪

ああ、あのころはまだ穢れていなくて純粋な少年だったのに。

人間年を取りたくないもんだな。



「あなたの名前は……」


「そうだな。そういえば、名前が分からないから教えようが無いんだった」

「まぁ、暫定な感じでいいから」

「名前を思い出すまでの仮の名前は」

「ザンテイでいいわ」


そんな適当な名前でいいんですか?って苦笑してるが

別に仮の名前だから適当な感じでいいと思うんだ。


「それでいいなら別にいいんですが」

「ザンテイさんこの人どうします?」


「放置でいいんじゃない?」

「別にこれ以上関わりたくないし」


「え、ええー」


なんだよー。

メンドクサイんだよー。

そもそもフルコン決めて伸してちゃってるのはリンちゃんじゃないか。

俺絡まれただけだし。


「それより日が暮れる前に早く家を探さないとな」


「ホントにほったらかしにしていいのかなぁ。」


それより家探しだ。

Time is money

時は金なりだ。







※※



日が暮れてきた。

やはり身元がはっきりしないのは辛いな。


「中々いい物件が見つかりませんね」


んー。

うがー!ああもう!イライラしてきた。

なんか少し記憶が無くなってから短期っぽくなったかも知れん。



「そんなにウロウロしてたら不振な人にしか見えませんよ」


「大丈夫だ、少し落ち着かないだけだから」


「職質されても知りませんよ~」


そんなに都合よくサツが通りかかるかって話だけどな。

でもどうしよ。


――ウロウロウロウロウロウロウロウロ




「ちょっと君」


――ビクッ


「少し聞きたいことがあるんだけどお時間取っていいかな?」


ちょっと!リンちゃん!

言ってたら向こうからおまわりさんがやって来ましたよ!

しかも犬のおまわりさんですよ!


「えー、もう日が暮れて夜になりそうなんだけど」

「今何をしてるのかな」


「あ、えっと」

「その、あのですね」

「あのー」


「ハァー。」

「君もしかして未成年?じゃあ住所とか保護者や代わりの人は?」


「」


だ、誰か!



「あ、あの」



リンちゃん!



「その人は今日からうちのアパートに入居予定の人で」

「私が管理人なので一応代わりにはなりませんか?」


「ああ、いえ」

「保護者の代わりになる人がいるなら別にいいです」

「お時間を取らせてしまい、すいませんでした」


そういうとおまわりさんは去っていった。



「ハァ、助かった」

「ありがとう、でもよかったのか」


「まぁ、今日一日中一緒にいて」

「悪い人じゃないのは分かっているので」

「別にいいですよ」


おお、リンちゃんが美人さんなだけあって女神に見える。

神よ!まだ私を見捨てていなかったのか。


「アパートって朝の?」


「はい!」

「一応私はあのアパートの管理人ですので」

「もし何かわからないことが合った時は」

「ぜひ、言ってくださいね!」


豚男から助けてもらったわ、今日一日中家探しに付き合ってくれるわ

アパートに住まわせてもらうわ、助かりっぱなしで申し訳ないな。



※※




それからアパートに着いた。


「空いてる部屋の希望とかあります?」


説明させてもらうと

このアパートは上三部屋、下三部屋の六部屋のアパートである。


「そうだな」

「二階の右端の部屋とかは空いてる?」


「はい、空いてますよ」

「それじゃあ、鍵を持ってくるので少し待っててください」


それからリンちゃんは鍵を持ってきた。


「大家の私の部屋は一階の真ん中の部屋なので何かあったら呼んでくださいね」


「わかった」

「何かあったら呼ぶわ」


はい、おやすみなさいと声をかけその日はまだ何も無いスッカラカンの部屋で雑魚寝した。





※※



「確かになにかあったら呼んでいいとは言いましたけど」

「朝からご飯をたかりにくるのは止めませんか?」


「しょうがないだろ」

「腹が減っては戦ができぬ」

「職を探そうにもまずその日の元気を摂取してからだろう」


それなら素直に言ってくればいいですけどねーっと言うが

俺はただ、朝からドアをノックしながら無言だったダケで。

別に嫌がらせでした訳ではない。



「それで相談したいことがあるんだが」

「何か身分証明もできるような職を紹介してくれないか?」


「紹介ですか?」

「ああ」


別に職無しでもいい気がしたりするが、せっかくアパートに住まわせてもらっている限り家賃だけでも払っていかないと。

…またあの物騒な水球が来るかも知れないしな。


「そうですね」

「それじゃあ」

「《学院》に行ってみましょうか」


学院…?

俺また学生やんの?




※※




今その《学院》に向かって移動している途中で説明を聞いている。


「えっとですね」

「確かに教育機関としても機能してますが」

「学生だけが行く所ではなく」

「住民の依頼を受けるところでもあり」

「高額な依頼を受けるために大人でも出入りはしてるんです」


へぇ、学校なのにファンタジーなギルドみたいなところか。

ホントにこの世界は節操がないよな。

ファンタジーなのか現代なのかハッキリしやがれって話だ。


「で、それと身分証明とはどう話が繋がるんだ?」


「依頼を受ける際にICカードを発行します」

「それに何の依頼を受けたか、またその人の個人情報も登録されます」


そのカードが保険証のかわりみたいになるのか。


「まぁ、初心者向けの講習が初めはあるので」

「講習を聞いてからカードを作るかどうか考えた方がいいですね」


そうだな。

色々と基本的なことはそこで説明してくれるらしいので話を聞いてみよう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ