小説『虚空のバベル』9
最新エピソード掲載日:2026/10/12
白石崇は財務省の神保に、国債の年間調達額を100兆円で固定し、個人向け国債の公募が増えた分だけ既存の借換・市場向け国債を減らす「シーソー型・国債借換調整メカニズム」を提案する。国債の保有者を機関投資家から家計へ移し、金利上昇のショックを国民の側で吸収しようという狙いだ。
神保は二つの問題を挙げて反発する。個人向け国債に資金が移れば預金が枯渇し、民間融資が圧迫されること。そして、金利が10%に達すれば、個人への利払いで国家財政が破綻することである。
白石は、トークン化預金を使い、個人向け国債を信託口座の中で流動性担保(トークン化国債)として使えるようにすれば、預金の枯渇は起きないと答える。また、利払いは税収ではなく、信託の運用益をそのまま個人に渡す仕組みで賄うと説明し、給付の七割は再投資に回るため財政負担は生じないと主張する。
翌日、日銀総裁の勝木と神保は最終協定書に署名し、「バベル・シーソー・システム」が解禁される。初年度は市場向け国債10兆円分の削減と個人向け国債10兆円の公募が釣り合い、公募は一分で完売する。白石は「回せ。どこまでも回せ」と語り、物語は閉じられる。
神保は二つの問題を挙げて反発する。個人向け国債に資金が移れば預金が枯渇し、民間融資が圧迫されること。そして、金利が10%に達すれば、個人への利払いで国家財政が破綻することである。
白石は、トークン化預金を使い、個人向け国債を信託口座の中で流動性担保(トークン化国債)として使えるようにすれば、預金の枯渇は起きないと答える。また、利払いは税収ではなく、信託の運用益をそのまま個人に渡す仕組みで賄うと説明し、給付の七割は再投資に回るため財政負担は生じないと主張する。
翌日、日銀総裁の勝木と神保は最終協定書に署名し、「バベル・シーソー・システム」が解禁される。初年度は市場向け国債10兆円分の削減と個人向け国債10兆円の公募が釣り合い、公募は一分で完売する。白石は「回せ。どこまでも回せ」と語り、物語は閉じられる。
第9章 シーソーの支点(天秤)
2026/10/12 19:45