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第七十八話 冒険者ギルドにて4

 デュランタさんに声を掛けられてから改めて掲示板に貼られた依頼書の数々を見る。


【アイアンランク:カゲツチキノコ採取】

【ブロンズランク:ハリイノシシ討伐】

【カッパーランク:ファレスタ〜キャノンド間街道周辺調査】


 などといった依頼の内容が記載してあった。

 内容の他に期限と報酬金額が記載してあり、依頼主の名前や注意事項などは、依頼書を受付に持っていった時に職員さんから詳細を聞く流れになっている。

(『残念ながら現在持参している素材と依頼の出ている素材は持ち合わせが無いようですね』)

 魔法を使用したコロの言葉に右耳を触れて同意する。

 素材の持ち合わせが無かったのは残念だけど、その分今の私達に出来そうな街中の依頼は幾つか候補が見つけることが出来た。

 依頼書によっては色褪せている様子から、見つけた依頼が今日明日で全て()けるということも無さそうだと思って、あえて剥がさないでおくことにした。

 幾つか目ぼしい依頼には目を通せた。

 後はコロ達が何も無ければ予定の買い取りをしてもらうことにしよう。

「依頼書の確認が出来たから、買い取りの方をお願いしに行こうか」


――――――


「度々すみません。買い取りのご相談で来ました」

「問題ございませんよ。買い取りの場合は別カウンターになりますので、こちらにどうぞ」

 買い取りの相談は説明を受けたり、声を掛けてもらったりして個人的に話しやすくなったデュランタさんのところに並んでお願いすることにした。

(『こちらの女性はどことなく危険な雰囲気を感じるのですよねぇ⋯』)

 コロの独り言やソイル、ヒサメのデュランタさんへのジト目が気になるけど、他の職員さんとはまだ話してないから、色々尋ねるなら必然的に対応や印象が良かった人のところへ向かってしまうのは仕方がない気がする。

 それはともかく、買い取り専用のカウンターへ移動して、デュランタさんに買い取りする素材を渡すことにした。

 ちなみに、他ギルドへの買い取りや見積もりについてはコロに相談したところ、


 ・他ギルドの買い取りは買い取り依頼先のギルドへ所属せず、相場を知らないまま行くと安く買い叩かれる可能性がある。

・見積もりは素材の相場や需要を知るには確実な方法の一つではあるが、ギルド間での移動など時間がかかりやすく、見積もり先のギルドでの売却の回数が少ない場合はそのギルドから目をつけられる可能性があるため、素材を選んでいく必要がある。


 との返答を参考に、今回は売却予定の素材は全て冒険者ギルドで買い取りしてもらえないか相談することになった。

 どのギルドも慈善事業ではないだろうから、そのギルドに所属していない一見(いちげん)さんのような訪問者が素材を売りに来たり、見積もりだけに何度も来るのに素材を売らないってなったら、安値で買い取られたり、目をつけられたりするのは確かに考えられると思ったしね。

「ではこちらのカウンターに売却予定の素材を出して頂いてもよろしいですか?」

「はい、こちらをお願いします」

 私が肩掛けバックから取り出したのは、マスターさんのいた洞窟の前で拾った魔石×9個、薬草や食材に出来る植物がワームッド草(ニガヨモギみたいな草)×10、マザーズハーブ(カモミールみたいな花)×20本、グリーンホースラディッシュ(セイヨウワサビみたいな草)×7本、春告草(はるつげそう)(ここでは梅じゃなくてアスパラガスみたいな植物)×12本、ケーパーの蕾×(カラシみたいな味わいでピクルスにもできるらしい)15個、毒消し茸(見た目は真紫で毒々しいキノコだけど毒消しの効果がある)×5、ウズメキノコ(パッと見、泥団子のようなキノコ。トリュフみたいなものかな?)×1、魔物を仕留めた時の素材がジャイアントクロウの羽×20。

 合計9種類の素材を買い取り用として出した。

 ダンジョン・ミラージュで採れた素材に関しては、ファレスタの近くにダンジョンがなく、冒険者として登録したばかりなのにダンジョンの品を持っているということは、ダンジョン・ミラージュが起こったこととそれを報告していないことが一気に発覚してしまうため、今回は出さないことにしている。

「本当に沢山の素材がありますね⋯しかも品質や状態も良いようです。

 依頼書の品と被っていないのは残念でしたが、これだけの素材の数と品質の良さでしたら、ある程度の買い取り額となるかと思います。

 今から鑑定を致しますので少々お待ち下さい」

 そう言って、デュランタさんはレンズが藍色がかった、丸縁のサングラスみたいな眼鏡をかけた。

(『今受付の職員がかけたのは才属性の魔力が込められた鑑定用の魔道具です。これで正確な素材の状態や価値を鑑定します。

 ちなみに、冒険者ギルドでも他ギルドでもそのギルド内での需要が高い場合、正確な買い取り額に上乗せして支払われる場合がございます。

 先程この職員が説明したのはその情報を踏まえてであったかと思われます』)

「お待たせた致しました。鑑定が終了いたしました」

 コロの説明を聞いている間に鑑定がもう終わった様だった。

 素材の数はまあまああると思うけど⋯どのぐらいの値段になるんだろう?

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