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第七十五話 冒険者ギルドにて

 冒険者ギルドの受付のお姉さん、デュランタさんから受けた説明を大まかにまとめると、


・冒険者とは、依頼者の依頼に応じて魔物の討伐や捕獲、依頼された物品や素材の採取、ダンジョン・ミラージュやスタンピードが起きた場合の調査や制圧、護衛や運搬など多岐に渡るが、主に魔物の討伐や依頼された物品や素材の採取の依頼が多い。

・冒険者ギルドとは、文字通り冒険者同士の組合。

 冒険者の登録や除名、冒険者ランクの昇級試験、冒険者と依頼者の仲介、依頼の達成度に応じた報酬の支払い、魔物などの素材の買い取りなどを行う。

・冒険者として登録する場合は必要な情報を羊皮紙に記載と登録料の支払いが必要。その後に登録した証明のタグが発行される。

・冒険者にはランクがあり、一番下のクラスからアイアン、ブロンズ、カッパー、シルバー、ゴールド、プラチナとなっている。登録時は例外なくアイアンから開始となる。

・依頼にも同様のクラスがあり、冒険者が受けられる自分のランク及び一つ上のランクの依頼のみ。

・依頼を一定数こなしたり、通常以上の成果を上げた場合、昇級試験を受けるための資格が得られる。

 ただし上げた成果によっては、試験なしで昇級や飛び級することがある。

・三ヶ月以上、依頼を受けなかった場合、自動的に登録解除となる。再登録は出来るけど例外なくアイアンランクから開始となる。

 もし依頼を受けている間に三ヶ月以上経った場合は報告が望ましいけど登録解除にはならない。

・依頼に失敗したり、ギルドに所属している冒険者が軽犯罪を犯した場合には、ギルドの裁量でペナルティが課せる。

 依頼の失敗は基本契約違反金が冒険者に発生する。支払えない場合、無償依頼や奴隷落ち(奴隷制度があるんだ⋯)、最悪除名処分が下る場合がある。

・冒険者が依頼中に怪我や死亡した場合、冒険者ギルドは一切の責任を負わない。

 ただし、死亡時は依頼未達成に対する責任は追わないものとする。


 といった説明があった。

 丁寧に説明してもらえたけど口頭での説明だったし、もう少し細々とした決まりの説明もあったから、正直一気には覚えきれないのが本音だ。

(『エニカ様!今の説明はコロが覚えておりますのでご安心くださいませ!』)

 私の焦りや心配を察したのか、ベストタイミングでフォローの声掛けをしてくれたコロ。

 ありがとうの意味を込めて右耳に触れる。

「ご説明は以上となりますが、何かご不明な点などはございますでしょうか?」

「えっと⋯今のところは大丈夫です」

「かしこまりました。分からないことや気になることがありましたら、いつでも遠慮なくお尋ね下さい」

 デュランタさんが優しく微笑みかける。

 多分私が情報量の多さに圧倒されていたことに気付いていて、あえて声を掛けてくれたみたいだ。

 美人な人(?)だけど柔らかい雰囲気でとっつきにくさは無いし、対応も丁寧で優しいなんて良い人に当たって良かったよ。

(『何故でしょう?目の前にいるギルド職員へ嫉妬が湧き上がってしまうのは⋯』)

 今ここで闇落ちは勘弁して欲しいコロ。

 背後からジワジワ冷気も伝わり始めてきたし、足元のソイルもしょもんとちょっと落ち込んでいる様子だ。

 慣れない人前だからみんなちょっと疲れてきているのかもしれない。気持ち早めに登録を終わらせるようにしよう。

「ありがとうございます。早速ですみませんが、登録させて貰うことは出来ますか?」

「はい。一通りのご説明も致しましたので、まずはこちらの羊皮紙にお伝えできる情報のご記載をお願い致します。

 お名前と職種、従魔や魔物を使役している場合は必ず記載下さい」

 デュランタさんから手渡された羊皮紙に、必ず記載しなければならない項目を埋めていく。

 この世界に転移してきて、不思議に思ったことの一つに言葉と文字がある。

 コロと出会った時から言葉の壁を感じることなく普通に話せていて、何で言葉を聞いて理解できる上に普通に話せるのか疑問に思うようになったのは、だいぶ後のことだ。

 文字も街に入る前にコロに見てもらったら、自然とエターナレンの文字を書けていて、自分で書いた文字ながら驚いたことは記憶に新しい。

 コロからは神使や迷い人に関する記録の中で、言葉や文字の読み書きに関する不便があったという記録は無いことを聞いた。

 私もだけど、マスターさんも特に困ったことがあったという話をコロは聞かなかったらしい。

 エターナレンの言葉や文字を使えて困ることは今のところ無いし、異世界転移特典の一つだと思えばありがたいと思わないでも無いけど、気付いたら理由や理屈も分からずに全く知らない場所の言葉や文字を使えるようになってるって不思議を通り越してちょっと怖いよね⋯

 そう思いながら手を動かしていたら、いつの間にか書ける範囲で書ける項目は全て書き終わっていた。

「こちらでよろしいでしょうか?」

「確認致します。⋯はい、問題ございません。それではこちらの書類は当ギルドにてお預かり致します」

「よろしくお願いします。あ、一つお尋ねしたいことがあるのですが⋯」

「いかがされましたか?」

「冒険者ギルドでテイマーの登録が出来ると伺ったのですが、登録にはどのようにしたらいいのでしょうか?」

「それでしたら、こちらのギルド登録書がテイマーの登録も兼ねますので大丈夫ですよ。

 そのために従魔や使役する魔物の記載欄にそちらのマッドゴーレムとウンディーネの記載をして頂いておりますので、今後従魔や使役する魔物が増えた場合に登録の更新をして頂ければ、本日から冒険者ギルドのテイマーとして名乗ることが出来ますよ」

「教えて頂いてありがとうございます」

 この登録者がギルドへの所属だけでなく、職種の登録も兼ねているのは手続きが簡単で本当にありがたいよ。

 登録が簡単かつ気軽にしやすい分、漂うブラック企業臭はするけどね⋯

「それでは次に登録料のお支払いをお願い致します」

「分かりました」

 こういう時に咄嗟に使えるお金をご用意して頂いて本当にありがとうございますマスターさん⋯!!

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